2011年02月02日

北岩手の短角牛を楽しむ会

大手町ビストロ・リヨンで開かれた「北岩手の短角牛を楽しむ会」に参加しました。誘って下さったのは、フレンチガイドの嶋啓祐さん。昨年末、湘南の「みやじ豚」と千葉の「花悠仔豚」の食べ比べをする忘年会を企画しようとしていたのですが、体調を崩してしまい開催を断念。そのお詫びのメールの返信で誘っていただいたのでした。参加者は、嶋さんの知人とマスコミ関係者、岩手県関係者など。リヨンがほぼ満席になっていたので、たぶん50人弱の方々が参加されたのではないでしょうか。

5年目を向かえたビストロ・リヨン。シェフの堂下さんは、系列のマルセイユ@茅場町に異動されています。新しくリヨンのシェフになったのは、アルザス帰りの気鋭のシェフ山本サトル氏。北岩手の食材や短角牛も魅力ですが、山本シェフがどのような料理を作るのか、大変興味があります。

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まずは最初の小さなおつまみ、短角牛レバーのムース フロマージュブランをのせたフォカッチャ。これは同席された方々と3人で分けます。レバーのムースっていですね。ふんわりとして濃厚。不思議な味わいでした。前菜は、短角牛しんたまのカルパッチョと”金沢大地”の加賀野菜を添えて。短角牛のしんたま旨いです。食後のアンケートには、「短角牛のしんたまが旨い」とだけ書いておきました。

ワインは、食前酒に岩手県野田村産山ブドウ”紫雫ゴールド”のキール。なんと山ぶどうとは。岩手久慈地方の山ぶどうは、古くから地元の山に自生していたもの。自然由来の野趣あふれる風味と旨味が特徴です。ほんとに「野趣あふれる」という感じ。あとで出てくる山ぶどうを使った料理も楽しみになってきます。

白ワインは、プレン・シュッド2009コート・ド・ローヌ。ヴィオニエ種を使ったローヌ地方の自然派ワインです。「ほのかな甘みとほろ苦さのバランスが不思議に感じる」との説明が書かれていました。赤ワインは、ドメーヌ・デ・ラ・モンタニエッ2008コート・ド・ローヌ・ヴィラージュ。白ワインと同じエステザルグ協同組合の自然派ワインだそうです。果実味豊かで飽きずにどんどん飲めます。

メインは、短角牛リブロースのロティ。短角牛は、岩手県久慈市の「山形村短角牛」。山形だけど、岩手県です。勘違いされそうですが、岩手県久慈市の「山形村」短角牛です。

自然の中で育つ山形村短角牛の肉質は、低脂肪で味のいい赤身。霜降り重視の黒毛和牛とは異なる基準で、健康的な牛に育てています。霜降りの黒毛和牛は格別な味わいがありますが、健康とは言えません。自然の中で運動させれば、引き締まった健康な肉になります。山形村短角牛は、肉本来の力強い味わいが特徴です。

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山ぶどうで煮込んだ小腸とジャガイモのパルマンティエ寒締めほうれんそうを添えて。山ぶどうには、ポリフェノール、鉄分、カルシウムなどが多く含まれているそうです。北岩手の食材というとピンときませんが、山形村短角牛と山ぶどう、この2つは覚えておこうと思います。デザートは、濃厚なバニラアイスとアーモンドのゆるいブラマンジュでした。

北上高地の厳しい自然環境に適用してきた山形村短角牛。雪の閉ざされる冬は牛舎の中で育ち、春になると広大な放牧地に母子で放牧されます。放牧期間中に自然交配も行われ、秋には再び里に下りてきて出産するという「夏山冬里」。屋内飼育が一般的な黒毛和牛と異なり、牛本来が持つ生命力と風土の特徴を生かした飼育方式が特徴です。放牧地では、無農薬の牧草を食べ、冬は牛舎で国産100%の飼料のみで飼育。国内の穀物飼料のほとんどは外国産ですが、食の安全のために国産飼料のみを使う取り組みを続けています。

短角牛(日本短角種)は、岩手の沿岸と内陸を結ぶ「塩の道」の物資輸送で活躍した南部牛がルーツ。現在では岩手県を中心に飼育され、その頭数は肉用牛全体のわずか1%に過ぎないそうです。霜降り信仰な日本にあって、赤肉に注目が集まるというのも不思議なことです。肉の味だけでなく、風土の特徴を生かした飼育方式や国産飼料の使用なども、もっと着目されていい取り組みだと思います。


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