2012年07月09日

割烹 千ひろ 京都

ここ数年で一番共感した店、祇園の割烹「千ひろ」。世界的に有名な割烹「千花」の次男が独立した店。「千花」はポール・ボキューズが訪れ、ヌーヴェル・キュイジーヌに影響を与えたといわれる名店。今は長男が継いでいる。

じゅんさい、パプリカ、海老、ウニ、椎茸、穴子、三度豆、ゴールデンキウイ、ダシのジュレ
じゅんさい、パプリカ、海老、ウニ、椎茸、穴子、三度豆、ゴールデンキウイ、ダシのジュレ

明石のタコ
明石のタコ

白ばい貝、肝のソース
白ばい貝、肝のソース

四条通を八坂神社に向かって左側。商店街の脇をくぐるように抜けると、足元に料理屋の看板が並ぶ細い路地に出る。この路地の中ほどに割烹千ひろがある。

千ひろは、うまい食材を一番うまい食べ方で食べさせてくれる。繊細さや美しさ、研ぎ澄まされた技術を前面に出したような京料理とはちょっと違う。あれこれと余計なことはせず、最低限の調理で素材の個性を最大限に引き出す。見た目は素朴でも大胆で魅力ある料理を供している。

料理はいたずらに食材をいじるのではなく、素材のおいしさを引き出す工夫が大切。千ひろの料理を食べていると、そんな当たり前のことを改めて考えさせられる。

枝豆、鯛の肝ゼリーよせ、鯛の味噌漬炙り、桑名のはまぐりの椀、鯛の胡瓜巻き
酒肴(枝豆、鯛の肝ゼリーよせ、鯛の味噌漬炙り、桑名のはまぐりの椀、鯛の胡瓜巻き)

鯛とマグロの刺身
鯛とマグロの刺身

吸い物
吸い物

まずは涼やかな前菜。じゅんさい、パプリカ、海老、ウニ、椎茸、穴子、三度豆、ゴールデンキウイ、ダシのジュレ。上から柚子が振られている。香り甘み食感が完璧。さすがに完成度が高い。こういうものを先に食べるとさっぱりとして、食欲がわく。

明石のタコ。6~8月が旬なのでちょうど一番うまい時期だ。それにしてもこれほどうまいタコははじめて食べた。余計なことをしないシンプルな味付け。タコのうまさがストレートに伝わってくる。温かくてほっとするのもいい。ゆったりと席に落ち着かせる効果があるように思う。

白ばい貝、肝のソース。これは酒飲みにはたまらない。ご主人は気さくな方で最初からかなり打ち解けていろいろと話してくれる。客は僕らしかいない。料理のこと食材のことお皿のことなど、いろいろと教えてくれた。お皿もいいものを厳選して揃えている。やはり割烹はスペースが限られる。お皿の使い方も工夫しているようだ。

琵琶湖のマスの塩焼き
琵琶湖のマスの塩焼き

豆腐と湯葉のペースト
豆腐と湯葉のペースト

白エビとコーンの天ぷら
白エビとコーンの天ぷら

焼きナス
焼きナス

酒肴が運ばれてきた。枝豆、鯛の肝ゼリーよせ、鯛の味噌漬炙り、桑名のはまぐりの椀、鯛の胡瓜巻き。見た目も美しく、期待感が高まる。千ひろの料理は、酢、醤油など味付けはかなりしっかりしている。大胆かつ繊細、そして料理に正面から取り組む姿勢がいい。

鯛とマグロの刺身。鯛は醤油の代わりに塩昆布を使う。琵琶湖のマスの塩焼き。皮がおいしく、身がふわふわとして味がある。豆腐と湯葉のペースト。濃いめの豆腐の上から湯葉のペーストがかかる。ハサミで細かく切った海苔は濃厚な味わい。白エビとコーンの天ぷら、久世の焼きナス。ナスは水に漬けずに触らずに皮むきをするという。

鮎ご飯。柔らかめのご飯で、空気が入ってふわふわとしている。鮎の皮の苦みがいい。冷たい味噌汁は独創的な料理。味噌汁って冷たくてもおいしいんだと新たな発見。最後はオレンジとリンゴのジュース。これは水菓子の代わりなのだろうか。

お新香
お新香

鮎ご飯
鮎ご飯と冷たい味噌汁

オレンジとリンゴのジュース
オレンジとリンゴのジュース

店内は清潔で、特に白木のカウンターが素晴らしい。シミ一つない秘訣を聞くと、汚れがつくとタオルを押し付けて取るだけだという。でもこれはかなり時間の掛かる作業だ。毎日毎日の積み重ねがこの美しいカウンターを維持している。料理もシンプルで分かりやすい。何に対しても正直に真正面から取り組んでいることが伺える。このごまかしのない姿勢が千ひろらしさのような気がする。



■店名:千ひろ
■住所:京都府京都市東山区祇園町北側北側279-8
■電話:050-5816-8939 
■営業時間:12:00~13:00(LO)、17:00~20:30(LO)
■定休日:日曜日


大きな地図で見る


トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://kuniroku.com/mt/mt-tb.cgi/901

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)