2012年10月02日

京都 割烹 千花

スズキとキーウィ
スズキとキーウィ
「千花」はミシュランの三つ星。それだけでなく、ポール・ボキューズが訪れ、ヌーヴェル・キュイジーヌに影響を与えたといわれる名店だ。現在のご主人は先代の長男。弟さんは千ひろのご主人。昨年伺った千ひろとどのように違うのか、僕としては興味深い店だ。

鮎の南蛮
鮎の南蛮

ハモの真子とユリネ
ハモの真子とユリネ

千花は細い路地を入った奥にお店がある。はじめての人には分かりづらいかもしれない。その路地の手前に板前さんが立っていて、「○○様ですね。お待ちしておりました」と言って、店まで案内してくれた。店内は白木のカウンター。店員さんはとても丁寧でサービスがいい。この日のカウンターは僕らだけだった。途中で外国の家族が来て2階に通された。このくらいの店になると、世界中から食べに来ても違和感がないものだ。

撮影の許可をもらってカメラは膝の上に。これはいつものことだが、白木の立派なカウンターの上にカメラは置けない。するとすぐに、四角い布を、「カメラ置きです」と言って持ってきてくれた。さすがに写真を撮るお客さんが多いのか、対応がきまっている。

明石のタコとオクラのソース
明石のタコとオクラのソース

イカとトウモロコシのかき揚げ
イカとトウモロコシのかき揚げ

生湯葉のしんじょう、ジュンサイ
生湯葉のしんじょう、ジュンサイ

前半の料理がいくつか出た頃、ご主人と少しお話しをした。「実家の福岡から東京に向かう途中、京都に寄ったんです」とかそんな簡単な話。職業について聞かれたので、「普通の会社員です」と答えておいた。ブログの話をしたってしょうがないし、これが取材の下見だったらちゃんと言わなきゃいけないんだろうけど。どのみち僕はほとんど名乗らないので、いつもこんな感じだ。

飲み物は前半はお茶にした。なんとなく、最初からビールを飲んだりするのには抵抗がある。先にしっかりと味わった方が、その店のことを理解できる。酒はその後でも遅くはない。タイミングとしては椀物の後ぐらいがいいかな。と思っていたら、刺身が出てきた。これは日本酒に合わせておきたい。そこからは日本酒とかビールとか、いくつか酒を飲んだ。

お造り
お造り

鱧寿司
鱧寿司

酒肴(銀杏、生湯葉、ピーナッツ茸あえ、くるみとインゲン、岩科の唐辛子とジャコ、ハモの白子)
酒肴(銀杏、生湯葉、ピーナッツ茸あえ、くるみとインゲン、岩科の唐辛子とジャコ、ハモの白子)

千花

板前割烹は花板である店主がずっとカウンターにいることが多い。刺身に包丁を入れたり、盛り付けをしたり。その姿を見せるのも大切な仕事だ。千花の場合はご主人は途中から奥に行って、出てこないことが多かった。

でもこれは大切なことだと思う。どの料理もシェフは味を見るべきだ。ご主人がずっとカウンターに立っている割烹は、煮物でも焼き物でも裏でできたものをそのまま客に出すことが多い。僕はそれが不思議で、なぜ味見をしないのか、いつも気になっていた。割烹は主人が接客しないといけないというのも分かる。スタッフも任せておけるレベルになっているんだろう。でもやっぱり主人は味をチェックするべきじゃないだろうか。

時々ご主人が戻ってきて話しかけてくれる。「どうですか?大丈夫ですか?気になることとか、何かありますか?」というので、マグロの産地について聞いてみた。お弟子さんに仕入れについて確認して、「串本のマグロです。冷凍ものです。でも解凍の技術が普通の店とは違うので、品質には問題はないんですよ」とのこと。

この時期、京都の店でマグロの刺身を出すのは難しいようだ。マグロは諦めてメジマグロを出す店も多い。昨年伺った「千ひろ」は湯がいたマグロだったが、それも工夫だったのだと思う。千花は刺身で勝負。冷凍ものだけど普通のやり方とは違う。これも自信の表れだろうか。

焼き茄子
焼き茄子

きゅうりとモズク、じゃがいも、クキワカメの酢の物
きゅうりとモズク、じゃがいも、クキワカメの酢の物

飯蒸し
飯蒸し。きゅうりの芝漬けとシソの下にもち米が隠れている

りんごとオレンジと梨のフレッシュジュース
りんごとオレンジと梨のフレッシュジュース

刺身を昆布で食べさせたり、焼き茄子とか〆のジュースとか、千ひろが踏襲している部分は、微妙な違いがあって面白かった。千ひろは豪快で小細工はせず、素材のおいしさを活かす料理をするという印象。千花は細かい工夫を施して、バランスを大切にするという印象だった。

例えば、両方で出た明石のタコ。千ひろはシンプルな煮物でタコのうまさをそのまま際立たせていた。千花はオクラのソースが掛かっていたりする。けっしてそのままでは出さない。僕にも兄がいるけれども、兄弟の性格の違いって、こういうところに出るような気がして面白かった。


■店名:千花 ちはな
■住所:京都府京都市東山区祇園町南側584
■電話:075-561-741
■営業時間:12:00~14:00、17:00~22:00
■定休日:火曜日(祝日を除く)


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