2013年02月28日

割烹 千川 千石

>刺身盛り合わせ
刺身盛り合わせ

都営地下鉄三田線の千石駅。静かな住宅地が広がるこの地にも、いくつか注目すべき飲食店がある。繁華街ではないので近くに住む人たち向けにひっそりと営業する店が多い。場所柄客のレベルが高いこともあり、ハンパな料理を出す店は少ないように思う。観光客の多い巣鴨と違ってネットやガイドブックを見てくる客も少ない。というか、ネットにもほとんど情報がない。この近辺でも一番のオススメは、千石駅前にある「千川」だ。この店を居酒屋と言っていいものか。割烹とも違うかもしれないが、とにかく料理の質は高い。

間口が小さく、店内は細長い。外から覗き込むとカウンターしか見えず、セレブっぽい老夫婦とかが食事をしていて、ちょっと入りづらい雰囲気。でも中に入ると、そんな感覚はなくなる。疎外されるわけでもなく、ベタベタされるわけでもなく。ご主人と女将さんがテキパキと働いている。注文もしやすく、一人で飲むにも二人で飲むにもちょうどいい。でも短冊に値段が書いてなかったりするので、初めて来た人は戸惑うかもしれない。値段も安くはない。適当に食べて飲んでだいたい1人7~8千円。居酒屋にしてはやや高めの値段設定だ。

>お通し
お通し

>つくね焼
つくね焼

>煮込み
煮込み

カウンターに座って、まずは生ビールをもらおう。ハートランド600円。いつものように、まずは煮込み800円を注文。この店の煮込みは鳥の煮込み。これがうまい。豆腐と鳥皮が入って、うまみがしっかりとある。つくね焼(合鴨)は600円。これも定番。

酒は大山特別純米700円、三千盛800円あたりをいただく。これには刺身だろう。この日は遅かったので、刺身は残りものでお願いした。楽しみにしていた活皮ハギきも造りも終わっていたので、「なんでもいいです」と告げると、本マグロとろ刺身、天然平目昆布〆(単品は1,000円)、活赤貝刺身(単品は1,300円)、地タコ刺身(久里浜)なんかを2切れずつ切ってくれるという。こういうことをやってくれるのが地元に根差した店のいいところだ。

>ステーキ焼き飯
ステーキ焼き飯

>カニサラダ
カニサラダ

>おにぎり煎餅
おにぎり煎餅

カニサラダ860円と、ステーキ焼き飯。もうこのへんでお腹はいい感じになっている。ステーキ焼き飯は脂身の感じからして霜降りの肉を使っているらしい。その脂の感じが焼き飯にちょうどいい。安い肉だと脂がイヤな感じになるんだろうけど、これは後半に食べてももたれることがない。

最後にいつもおにぎり煎餅800円を食べる。これはアイデア商品。おにぎりをつぶして焼いたもの。シソとゴマと醤油の味がいい。

こうしてみると値段やはり高めだ。でもまあ、この辺に住んでいる人たちは、いつもこういう店で軽く飲んで帰っている。他所に行かなくても、千川のようなレベルの高い店があるというのは羨ましいことだ。それにしても千川のクチコミの少なさには驚く。この近辺で間違いなくトップクラスの店なのに。でもまあ他所の人がこないというのは店にとっていいことなのかもしれない。

最後にちょっと歴史のお話。千川という店名は、JR大塚駅から地下鉄の春日駅にかけて通る千川通りに関係する。千川通りは暗渠になっていて、その下には千川(小石川)という川が今も流れている。その川の名前。

千石駅から不忍通りを下ると、千川通りにぶつかる。江戸時代、氷川たんぼと呼ばれた『江戸名所図会』にも載っている有名な場所だ。景色もよかったんだろうけど、猫貍(ねこまた)が出ると言われたのが有名になったきっかけかもしれない。歌川国貞の「江戸の花名勝会」にも猫又橋が描かれている。昔はホタルもいたというから、隔世の感がある。

ちなみに千石という地名は、千川と小石川から1文字づつ取って千石と名付けた。こんな歴史のある土地になんという安直な地名をつけたものだろう。この辺は元は小石川区○○町(その前は小石川村)なので、今でも地元の人たちは、何丁目に住んでいるかよりも何町に住んでいるかを意識している。○○町という呼び名はもうないんだけど、元はお屋敷街だからか地名に誇りをもっているようだ。


■店名:千川
■住所:東京都文京区千石4-39-20
■電話:03-3945-9105
■営業時間:17:30~22:00(L.O.)
■定休日:日曜日

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