Wakiya 一笑美茶樓 ジュルネ・デュ・ヴァン 2013

中国料理

里芋と鶏手羽肉の春雨入りピリ辛ソース
里芋と鶏手羽肉の春雨入りピリ辛ソース
ジュルネ・デュ・ヴァンは、ハイクラスのフランスワインを特別価格で提供することで、ワインをより身近な存在として楽しんでもらおうというイベント。期間中、和洋中のジャンルを超えたレストランで、フランスワインを特別価格で楽しむことができる。8月、11月、来年2月の全3回にわたり、「フランスワインを料理と楽しむ”otoku”な2週間」と題して2週間ずつ開催されている。何が”otoku”なのかと言うと、
1.グラスワイン2杯または、シャンパン1杯がついたスペシャルなコース料理が6,500円
2. ハイクラスのワインがグラス700円または1,000円、カラフ2,000円または3,000円
この2点が主な内容で、今は第2回のシュッド・ウエストの期間。 11月20日(水)~ 12月3日(火)で開催している。ということは、申し訳ないが本日が最終日だ。気になる方はジュルネ・デュ・ヴァン2013/2014で今すぐ参加店を確認して欲しい。まだ本日の予約がまだ取れる店がある。店によってはランチでも大丈夫なはずだ。


ジュルネ・デュ・ヴァンでは、和洋中のレストランがジャンルの垣根を越えて参加している。それぞれの店にとって、料理のあり方やフランスワインとの関わり方などは一様ではないだろう。僕にとって興味深いのは中国料理だ。東西の飲食の中心である中国料理とフランスワインがどのような融合を見せるのか。そんな期待を胸に「Wakiya 一笑美茶樓」(わきや いちえみちゃろう)を訪問した。
「Wakiya 一笑美茶樓」は、各メディアでも活躍する脇屋友詞シェフが手掛ける店。最近ではテレビ番組で「アイアンシェフ」として出演していた。上海料理をベースとした独自のヌーベルシノワを確立した、日本の中国料理をリードするスターシェフだ。
グラスワイン2杯がついた特別コースをどうやって6,500円で出すのか。これは興味深い問題だ。普通に考えるとかなり無茶な設定なのだが、ジュルネ・デュ・ヴァンの趣旨に賛同したいくつかの店舗ではこの特別コースを提供している。
今が旬の五つの香り 盛り合わせ前菜
今が旬の五つの香り 盛り合わせ前菜
ホクホク百合根の熱々銀杏ソース
ホクホク百合根の熱々銀杏ソース
豚ひざ肉のトロトロ煮込み黒胡椒風味
豚ひざ肉のトロトロ煮込み黒胡椒風味
ジュルネ・デュ・ヴァンでは、シャブリ、シュッド・ウエスト、ボルドーと、毎回異なる産地をテーマとして、より多彩なワインの楽しみ方を提案している。
この日のワインはシュッド・ウエストのLapeyre Jurancon Sec 2011(ラペール ジュランソン・セック2011)だった。華やかな香りのフルーティーなワインだが、よく冷えていてきりっとしたドライな感じだ。繊細さよりも力強さを感じる、やや骨太な印象を受ける白ワインだった。
シュッド・ウエストはフランス南西部でピレネー山脈寄りの地域。土壌やぶどう品種が多様で多くの個性的なワインが造られている。いろんな土壌や品種のワインを飲み比べれば、シュッド・ウエストのイメージがなんとなくつかめるのかもしれない。これは今後の宿題にしたい。
シュッド・ウエストのLapeyre Jurancon Sec 2011(ラペール ジュランソン・セック2011
シュッド・ウエストのLapeyre Jurancon Sec 2011(ラペール ジュランソン・セック2011)
ものすごく辛い坦々麺
本日のお食事(ものすごく辛い坦々麺)
カレーライス
本日のお食事(カレーライス)
豆乳と生姜のつゆそば
本日のお食事(豆乳と生姜のつゆそば)
「今が旬の五つの香り 盛り合わせ前菜」はいろいろな食感や香りの食材が皿内に散りばめられた前菜。「ホクホク百合根の熱々銀杏ソース」は、シンプルでおいしい。こういうものが最初に出てくると、なんだか安心してしまう。家庭料理のような、しかし技の活きた一皿だ。
「里芋と鶏手羽肉の春雨入りピリ辛ソース」はこの日のメインだ。ワイン2杯付6,500円のコースでこれほどしっかりしたメインが食べれるとは。ちょっとした驚きがある。「豚ひざ肉のトロトロ煮込み黒胡椒風味」は、あっさりとした一皿。全体的に中国料理ではないのではと思えるような、さっぱりと食べやすい料理が多かった。
「本日のお食事」は3種類から選ぶことができる。おかわりもできるということなので、2人で3種類しっかりいただいた。名物の「ものすごく辛い坦々麺」は、山椒とにんにくが効いていてまさに旨辛。「カレーライス」は一口サイズだが鳥のダシと八角が効いていて、さらに卵で閉じてある。中華風のカレーライスという趣だ。「豆乳と生姜のつゆそば」はこの中では一番あっさりとして食べやすい。辛い2品を食べた後で、ほっとするようなおいしさだ。
「一笑美茶樓特製デザート」は、マンゴープリンと杏仁豆腐。「脇屋が選んだ銘茶、極上烏龍の甘い香り」は凍頂烏龍。これはかなり気に入った。香りがよくておいしい烏龍茶だった。
脇屋が選んだ銘茶、極上烏龍の甘い香り
脇屋が選んだ銘茶、極上烏龍の甘い香り
一笑美茶樓特製デザート(マンゴープリンと杏仁豆腐)
一笑美茶樓特製デザート(マンゴープリンと杏仁豆腐)
この料理にワインが2杯ついて6,500円というのは破格だ。お店もこの値段に合わせるために、ずいぶんと苦労したことだろう。なるべく高級な食材は控えめにしたとしても、普段と変わらないクオリティにまで押し上げるには相当な工夫が必要だったのではないかと思う。
ちなみに次回は、第3回:2014年 2月20日(木)~ 3月5日(水)の期間で開催される。ワインはお待ちかねの「ボルドー」。僕としては、シュッド・ウエストがかなり面白かったので、行ける方は今日、どこかのお店に頑張って行ってみることをお勧めしたい。

■店名:Wakiya 一笑美茶樓」(わきや いちえみちゃろう)
■住所:東京都港区赤坂6-11-10
■電話:03-5574-8861
■営業時間:11:30~14:30(L.O.)、17:30~22:00(L.O.) (土日祝日 ~21:00) 
■定休日:無休

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