2014年03月18日

アポロ バー 銀座 2

メーカーズマーク
メーカーズマーク
アポロでまた新たな発見があった。カウンターに座るとすぐ目の前に置かれたボトルが目に入った。メーカーズマークだ。言わずとしれた歴史あるバーボンだが、特別に目立つようにディスプレイされている。今日の1杯目はこれにしよう。今までも何度となく飲んできたが、さてどのようにするか。カクテルに詳しい同行者のオススメはミントジュレップだった。

この日の2軒目はアポロと決めていた。僕は頻繁にリピートするタイプではないが、なんとなく気になる店というのがある。アポロの小松さんは素晴らしい実力と感性の持ち主だ。そういう人がはじめたバーがどのような歴史をたどっていくのか、それが気になって仕方がない。この日も「小松さんに会いに行こう」というのが我々の合言葉だった。

コリドー街には様々な店が立ち並んでいる。ちょうど入れ替えの時間帯なのか、歩道には無秩序に人があふれていた。1次会を終え店を出て歩道にたむろする人たちや、店を探している人たちに声をかける呼び込みの店員さんたちだ。その間をかき分けて駐車場の前に出た。コリドー街の向かい側はぎっしりとビルが並んでいるが、ここだけ広く開けている。ビルを壊した後、建替えずに駐車場になっているからだ。駐車場からは隣のビルの側面が丸見えになっている。そこにアポロの入口がある。今は入口が分かりやすいが、ここに新しいビルが建つとどうなるのだろう。たぶん今以上に隠れ家的な店になるんだろうと思う。

ミントジュレップ
ミントジュレップ

アポロ

店に入ると先客が2名、手前のカウンターに座っていた。かなりお酒に詳しそうな男性2人組だ。我々はカウンターの一番奥の席に座った。一言二言会話をして、渡されたタオルで手を拭いていると、目の前にメーカーズマークが置かれているのに気付いた。トレードマークの封蝋(ふうろう)を使ったディスプレイだ。

メーカーズマークは、ボトルに封蝋が施されているのが特徴で、赤い蝋が垂れるビジュアルは印象的だ。封蝋はヨーロッパの習慣で、大切な手紙を封印するときにロウを溶かして刻印を押す。それと同じ意味合いでメーカーズマークのボトルも封蝋によって閉じられている。封蝋は全て手作業で行われているため、ボトルによって微妙に形が違う。こういうのもメーカーズマークならではの味になっている。メーカーズマークが誕生したのは1959年のこと。この蒸留所がウイスキーづくりをはじめたのは1780年というから非常に古いメーカーなのだ。

ミントジュレップはバーボンをベースにしたカクテルで、18世紀頃から存在していた古い飲み方だ。ケンタッキーダービー公式ドリンクにもなっていて、レース当日競馬場内でも販売される。ケンタッキーの人々が最も愛するカクテルだ。

こんなウンチクがある酒を今までそれほど飲まずにきたのはどうしたことだろう。今日はこれを上手く飲んでやろうと、小松さんに相談しながら作ってもらった。メーカーズマークにはまだまだウンチクがある。ラベルに記されたメッセージやロゴにも由来があるし、今でも蒸留所にある古い印刷機で印刷されている。そんなことを語りだしたらきりがないが、ボトルやラベルを眺めながら、それをつまみに飲める酒なんて珍しいものだ。

白州
白州シェリーカスク

続いて白州のシェリーカスクをロックでいただいた。これは発売されたばかりの新製品で数量限定のレアな商品だ。この日は発売からまだ1週間くらいだったが、バックバーに置かれているのを見つけたので早速飲んでみることにした。白州は様々な原酒をブレンドして作っている。白州シェリーカスクはその中でも、シェリーの貯蔵・熟成に使用したスパニッシュオーク樽で熟成させた原酒のみを使っている。

小松さんの笑顔を見ながらのんびり飲むつもりで来たのだが、この日はそんな状況ではなかった。まだ火曜日だというのに、いつの間にか満席になっていたのだ。5~6人のグループが入ってきて、僕の真後ろのテーブル席を占めた。そのあと入ってきたカップルは僕の隣に座った。これで店内は満席になった。

小松さんが手早くグラスを並べて一気に6杯もカクテルを作っている。それも一つ一つ手を抜かずにキッチリと作るから、いつも通りの時間が掛かっている。絶対に手を抜かない小松さんだけに、一度にこれだけの注文が入るとスムーズには流れていかない。我々はその様子を見ながら「これだけ注文が入って、ひとつも手を抜かないのはすごいね」などと軽口をたたきながらグラスを傾ける。小松さんはいつもの倍速で動いているようだ。カクテル一つ作るのにこれだけの手間を掛けているということを普段は気にもしなかった。この状況になって改めて丁寧に作っているんだなあと感じた。

そうこうしていると、この日何本目かの電話がかかってきた。そしてまた小松さんが恐縮している。満席だからと断りを入れているのだろう。それにしてもいつの間にこんな人気店になったのだろうか。これほど目立たない店を、みんなどうやって見つけて来ているのか。どこにあろうといい店を素早く見つける人はいるものだ。これだけの店を、「誰にも知られずにいるのが一番だ」などと思うのは虫がよすぎるというものだろうか。

前回の記事⇒アポロ バー 銀座

アポロ 銀座(くにろく 居酒屋探訪記)



■店名:アポロ(APOLLO)
■住所:東京都中央区銀座8-2-15 明興ビル B1F
■電話:03-6280-6282
■営業時間:18:00~翌4:00、土曜日18:00~24:00
■定休日:日曜・祝日

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