酒房 いそむら 新橋

居酒屋

新橋の目立たない場所に、久々にいい居酒屋を見つけた。店名は「酒房 いそむら」。各地の地酒を揃える、こじんまりとした居酒屋だ。珍しい日本酒も多いが、どれも驚くほど安い。料理も多彩で気が利いている。実はこの店、以前から名前だけはよく聞いていた。
mixiのいそむらコミュというのがあって、何人ものマイミクさんが参加している。この中で貸切オフ会を頻繁にやっているそうで、僕も何度かお誘いを受けていた。そのうち一度はと思いつつ、未だに参加できずにいる。とにかく常連の多い店で、みんなで楽しくやっているらしい。
いそむら 新橋
いそむら 新橋
ママとは既にマイミクになっている。以前一度、店に寄ったことがあるからだ。お互いその時の覚えはイマイチで、今回がほとんど初対面に近い。奥でママの携帯が鳴った。「くにさん?まだ来てないわよ。え?もう来てるの??」。マイミクさんからの電話で、さっきから2人で飲んでいるのが僕だと気づいたらしい。「くにさんごめんね~、気づかなかったわ~」。なんとまあ、この緩い感じがいい。
まずは大定番「新じゃが揚げ煮(650円)」。「酒房 いそむら」は、季節の素材を生かした手作り料理が得意。その時々の旬の素材を使うので、オススメは時期によって変わる。いつも置いてある定番メニューもいくつかあるが、その中でも人気なのがこの「新じゃが揚げ煮」だ。それから旬のものを一つ、「かつをさしみ(750円)」もいただこう。これはまた、この時期ならではの味わい。魚はかなり新鮮だ。
いそむら 新橋
いそむら 新橋
日本酒は600円台のものが多い。山形の上喜元 純米(650円)、秋田六郷町の春露 純米(650円)などを飲んでみる。ママとずっと話をしながら、酒を飲み進める。好みを伝えると、その時期にしかない酒も出してくれるから酒飲みには楽しい店だ。料理も「~食べる?」という感じで勝手に出してくれるが、これがお会計に入っているのかどうかはよく分からない。最後の会計が「大丈夫?」と聞きたくなるような金額なので、たぶん入ってなかったりもするのだろう。
マスターとママの経歴は、居酒屋としては異色だ。マスターは元出版社勤務。句会も主催している多才な人だ。ご自身も俳句を詠まれていて、作品は店内で見ることができる。この日も、奥のテーブルでずっと俳句の選定作業をしていた。料理はほとんどマスターが担当。脱サラするまでは料理経験がなかったというから、その腕前には驚かされる。
ママは元ミッション系の英語の先生。お兄様はあの小玉武氏だ。小玉武といえば、芥川賞作家の開高健や直木賞作家の山口瞳が編集していたサントリーPR誌「洋酒天国」の編集部にいた方で、「『洋酒天国』とその時代」という大変面白い本も出されている。まさにサントリー宣伝部の黄金時代を築いた人だ。だから、いそむらの生ビールはサントリープレミアムモルツ。僕の1杯目は必ずこれだ。
常連さんが3人お店に入ってきた。まだマイミクになっていないが、お名前は目にしたことがある人たち。まだまだ話したいことはあるが、今日はこの辺で帰るとしよう。うちの奥さんはまだ、ママに料理のコツを聞いている。なんだかみんながこの店の常連になるのが分かる気がした。
■店名:酒房 いそむら
■住所:東京都港区新橋4-18-4 十合ビル2階
■電話:03-3433-3892
■営業時間:17:00~23:00
■定休日:日曜・祝日

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