ちかっぱ 新宿 1

新宿 代々木

新宿に先月オープンした九州のお取り寄せキッチン ちかっぱの方から連絡を頂いた。オープンしたての店ということで、ブロガーさんを試食会にご招待して、ご意見を伺いたいと言う。最近こういう問い合わせが多い。何でも受けていると大変なので、大抵は断ってしまう。お店に魅力がなければ、お友達ブロガーを誘うのも気が引ける。やはり自分がグッと来る店でないといけない。ところが、この「ちかっぱ」には久々にグッと来た。醤油、味噌など調味料も含めてほぼ全て九州産の食材しか使わないという。僕が福岡から東京に出てきた時にまず最初に感じたのが、魚の不味さ。冷凍の刺身も、この時生まれてはじめて食べた。北部九州は、五島列島、玄界灘など漁港に恵まれ、四国側は鯛や、関アジ・関サバなどでも有名。「ちかっぱ」では、こういった魚介類も現地から直送している。九州は食い物がうまい。ここに着目するとはなかなかやるなと思う。
野菜
魚
ハイボール
お取り寄せ 前菜
今回の企画では、僕の意見を全て受け入れてくれた。僕もいろんなブロガー企画に参加した経験があるので、素人ながらいくつかアドバイスさせてもらった。メールのやりとりから、お店での打ち合わせ。僕のわがままを全て取り入れてくれて、なんとライトを備えた撮影スペースまで作ってもらった。
そのわがままの一つが、「調理前の野菜と魚を撮影したい」というもの。届いてすぐの食材を運んできてもらった。野菜は珍しいものばかりで、青々としている。鯛は五島灘の3.3kgの真鯛。その下は「ごんあじ」というアジ。五島灘に生息するマアジで、金色に輝いていることから「ごんあじ」と呼ばれているそうだ。一番下は玄海灘のブランド「釣りアジ 玄ちゃん」。鮮度を保つため、手や網では魚に一切触れないなど、細心の注意を払って釣り上げられている。 
まずは、前菜が運ばれてきた。宮崎の千切り大根煮は、九州醤油で煮付けたもの。長崎鰯と飛び魚のカマボコの食べ比べ。このカマボコは店内で購入することができる。ちかっぱは、「お取り寄せ」をコンセプトにした店で、注文もお取り寄せ感覚。メニューに差し込まれたカードを店員さんに渡して注文をする。その場でお取り寄せをしているような感じだ。使用している食材や調味料は、入口近くの食材コーナーで購入することができる。さて、このカマボコを食べながら、何を飲むか。みんなが一斉に注文したのは、角ハイボール。昨年来のハイボールブームから、一気に定着した感がある。これほど人気があるとは正直驚いた。2年前だったら1杯目は全員生ビールだったはず。僕はいつも通り、ハイボール+生ビールを楽しんだ。
刺身盛り合わせ
フンドーキン
すくい豆腐
熊本トニック
刺身盛り合わせは、5種盛り3人前が一皿で出てきた。5種盛りは1人前1,680円。これはものすごく安い。九州近海の荒波でもまれた鮮魚。五島灘の平政、平スズキ、アオリイカ。玄海灘の玄ちゃんアジ、長崎壱岐のヨコワ(メジマグロ)。普通スズキは港湾部に生息するが、平スズキは荒い海にしかいない幻のスズキとよばれる魚。身が締まっていておいしい。
九州では青魚に柚子胡椒をつけて食べる。ちかっぱでは、きんちゃんの柚子胡椒を使用している。きんちゃんは九州のおばあちゃんの名前で、ちかっぱのメニューに写真とともに大きく取り上げられていた。食材担当がいつも九州に3人ほど出張していて、食材を探し回っている。たぶんそんな中でみつけた柚子胡椒なのだろう。醤油は九州ではメジャーなフンドーキン。夏に臼杵に行ったとき、フンドーキンの工場の近くを歩いてみた。子供の頃から馴染みのある醤油だが、ずいぶん長い間目にしなかった。それが今年になって2度も手にするとは、不思議なものだ。
すくい豆腐は、鹿児島から取り寄せた豆乳をベースにアゴダシ、九州醤油で味付けている。もちろんできたてで、温かい。これは特にオススメ。
ちかっぱには、酎ボールという面白いサワーがある。「鹿児島ボール」は富乃宝山、「宮崎ビール」は中々のソーダ割り。「奄美トニック」は、黒糖焼酎「龍宮」のトニック割り。僕は米焼酎「いきいき」をトニックで割った「熊本トニック」にした。その他にも、佐賀県のすだちのお酒「すだっち」や福岡の高級苺「あまおう」をふんだんに使用したお酒「あまおう」など、九州の特産物で作った珍しいカクテルなどがメニューに並ぶ。
馬刺し三種盛
いわし明太
旬菜まるかじり
馬刺三種盛は、熊本阿蘇のうぶやま村直送の新鮮な生肉。赤身、たてがみ、フタエゴの3種類。東京でうまい馬刺を食べようと思ったら、店選びに苦労する。ちかっぱの馬刺は新鮮でうまい。なぜ東京で食べる馬刺はうまくないのだろう。馬刺はやっぱり熊本がいい。阿蘇に行くと野良馬というのか、そこら辺に馬が歩いている。ああいうストレスのない環境で育たないといけないのだろうか。ちかっぱの馬刺は熊本直送。この日は夕方4時に届いた馬刺を夜の7時に食べている。毎日少量ずつ届けられて、その日のうちに出し切るという。鮮度を考えると、こういう配慮が重要だ。産地直送だから何でもいいというわけではない。
博多の新名物として定着した、いわし明太。某老舗と提携しているのでお店で出すことができる。先ほどの野菜、旬菜まるかじりが運ばれてきた。
もろみそ、対馬産の藻塩、クリームチーズと味噌とアゴダシの特製ディップソースの3種類の味で楽しめる。熊本のばってん茄子、佐賀のプッチーナ、フルーツトマト、コリンキー、はつか大根、赤大根、トカドヘチマ、甘とう美人、福岡の四角豆など、九州出身の僕でも食べたことない野菜ばかり。どれも意外な食感や味で面白い。
さつま地鶏の柚子胡椒焼き
大分名物 とり天
黒じょか
さつま地鶏の柚子胡椒焼きは、長崎産さつま地鶏を対馬の藻塩で焼き上げたもの。きんちゃんの柚子胡椒が味の決め手だ。大分名物、とり天は地鶏のムネ肉を使用。さっぱりとした鶏肉だ。特製カボスダレにカラシをつけて食べる、本場大分のスタイル。
そろそろ中盤。酒はいよいよ、黒じょかとガラに移行した。焼酎を前割りして黒じょかで飲むのは、鹿児島の飲み方。ちかっぱでは、熊本うぶやま村のおいしい水で前割りしている。コンロが運ばれてきて、その場で火にかけて飲む。まろやかで飲みやすく、いくらでも飲めてしまう。対するガラは球磨焼酎の飲み方。度数が高いので、ものすごく小さい猪口で飲む。話に夢中になっていて、吹きこぼれて炎が上がってしまった。直火なので気をつけなければいけない。しかし燃えるほど度数が高いとは。
さて、「ちかっぱ」とはどういう意味だろうか?実は僕の地元でも使っていた言葉だ。「ちかっぱ」とは博多弁で、たぶん「ちかっぱい」の略だと思う。「ちかっぱい」というのは、「ちからいっぱい」のことで、「とても」「ものすごく」といった意味合いがある。地元の人間からすると、「ちかっぱ」というだけで、なんとなくやる気は伝わってくる。でも現地の人にも、これだけでは意味不明だ。ちかっぱ何なのか、ちかっぱおいしいのだろう。
試食会も前半が終了。チェーンのオシャレ居酒屋程度の値段で、この質の高さはどうだろう。魚の安さなんかは、お店の人も分かってないのかもしれない。その辺の居酒屋で、これほどこだわった食材を出す店は、まずないだろう。調味料にもこだわっている。こういうところに惹かれてしまう。
九州のお取り寄せキッチン ちかっぱ
【参加ブロガー】
「春は築地で朝ごはん」つきじろうさん
「東京グルメ 居酒屋訪問記」Mさん
「じぶん日記」55aiaiさん
「東京のむのむ」のむのむさん
「ワンコイン的食べ歩き生活。」ぎずもさん
「俺は座らない。ハイボールGOGOGO!」hiball555さん
「天然プチトマ子」トマ子さん
■店名:九州のお取り寄せキッチン ちかっぱ
■住所:東京都新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビル5F
■電話:03-6380-5346
■営業時間:11:30~15:00、17:00~24:00
■定休日:無休

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