八百善 ラーメン 常滑

ラーメン

昨年、名古屋に1泊旅行に行ってきました。名古屋といえば、ひつまぶし、モーニングなど独自の食文化があるところ。ラーメンに関しても、面白い店がいくつかあります。その中でも以前から一度は訪問したいと思っていたのが、愛知県常滑市にある「八百善(やおぜん)」。ラーメンのビジュアルも強烈ですが、それよりも、あるラーメン関係の本で見掛けたご主人の笑顔が印象に残りました。「この人のラーメンを食べてみたい」と思わせる、いい顔です。常滑は名古屋からも遠いので、かなり時間の余裕がないと訪問するのは難しい。今回は時間がたっぷりあったので、念願の八百善まで足を伸ばすことができました。
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名古屋から特急で約35分、常滑駅から更に歩きます。歩道の狭い道を車を避けながら歩いていくと、「中華そば 八百善」という看板が見えてきました。想像通りの古めかしい建物。暖簾が掛かっていなければ、営業しているか分からないほどひっそりとしています。引き戸を引いて中に入ると、狭い店内にぎっしりと人が入っていて活気に満ちています。ほぼ満席ですが、入れ替わりですぐに座ることができました。
八百善のウリは、巨大なチャーシュー。2時間半かけて煮込むというチャーシューは、箸で簡単に切れるほど柔らかい。中華そば630円を注文します。これ以外のメニューは、ごはんとおにぎりくらい。「八百善食堂」という店名は実態を表しているとは言えないようです。スープは見た目が真っ黒ですがそれほど塩気は強くなく、鶏ガラや野菜類などの旨味がよく出ています。麺は中太の縮れ麺。これはかなりレベルが高い。チャーシューを一口食べて、スープを飲んだ時、同行者と顔を見合わせました。インパクト強さ、完成度の高さ、そして驚きのおいしさ。これほどまでとは想像していませんでした。
東京では、様々なタイプのラーメンを食べることができます。目新しいものは多くても、強い印象を与えるものは少ないものです。八百善の個性と完成度は、今の東京のラーメンと比べても際立っています。チャーシューは残りを持ち帰れるようにビニール袋が渡されます。この袋を受け取った時、あの巨大なチャーシューはサービス精神の表れであることを理解しました。これだけ大きなチャーシューを2本入れても、丼全体の調和がとれているというのも驚きです。インパクトの強さだけでなく、それを支えるバランス感覚。純粋においしいラーメンだと思いました。
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愛知県常滑市は、窯業がさかんな土地柄。常滑焼は瀬戸、越前、信楽、丹波、備前と並び日本六古窯の一つとされています。INAXの出身地としても有名です。明治以降、陶製の土管やタイルの生産で栄えた街だけあって、様々な焼き物を見て回れる企画も行われています。ウォークラリーの途中で見つけた招き猫「とこにゃん」。高さ3.8m、幅6.3mという巨大さです。招き猫生産量日本一を誇る常滑市のシンボルとなっています。その先には、テレビでよく紹介される有名なカキ氷のお店もあります。最後は旧回船問屋の屋敷を見学して、焼き物で埋め尽くされた坂道を駅へと向かいました。

■店名:八百善食堂
■住所:愛知県常滑市大和町1-115
■電話:0569-35-4481
■営業時間:10:30~14:00
■定休日:月曜日・火曜日


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