「生きることは、おいしく食べること。だから、食べ物は安全でなくてはならない」。これは「青山えさき」のHPに記された言葉だ。ミシュランで4年連続三ツ星を獲得している店だが、美味しいだけではなく、安全であることも重視している。夜のコースは10,500円と13,650円、ランチは5,250円。このクラスの店にしては破格の安さだ。
北海道ホタテ貝とフルーツトマト カダイフ包み揚げ
捕れたばかりの魚 お造り
鮎のスープ仕立て 緑の雫
ガソリンスタンド脇の狭い道を入ると、建物の地下に「青山 えさき」がある。キラー通りは昔からよく歩いていたが、こんなところに三ツ星店があるとは意外な感じがする。店内は白を基調にした明るい雰囲気。さっぱりとして気持ちのいい空間だ。
冒頭の言葉の全文は、「潮を知る魚の旨みと、土を知る野菜の味わい。日本料理の伝統、オーガニックな食材。生きることは、おいしく食べること。だから、食べ物は安全でなくてはならない」となっている。こういうのを見ると、なんかめんどくさそうな店だなと思ってしまう。言っていることには賛成だが、なにも理屈を食べるわけではない。そういう頭でっかちな店も多いが、えさきに関してはちょっと印象が違う。ここに書いてあることは、えさきの料理の核になっている大事な部分で、特に誇張したり気取ったりしているわけではない。この理想のまま素直に料理を作っているように思う。
ヤリイカとミス貝のルバーブ和え
山菜と桜海老のかき揚げ
北海道きんきの煮付け
料理は正統派の日本料理ではなく、自由な発想を取り入れている。魚介を中心にアイデアをいかしたシンプルな皿が多い。ヤリイカとミス貝のルバーブ和えや、カダイフ包み揚げなど流行りも取り入れながらいろんなことを試している。日本料理の深みを追い求めているというよりは、すそ野を広げたいのかもしれない。
蕗と油あげの炊き込みご飯
味噌汁
甘いもん
酒はワイン日本酒焼酎などが揃っている。日本酒は店主の好みなのか純米、純米吟醸などを中心に他の店にあまり置いてないものも置いている。一合で1,300~1,400円とかなので、やや高めの値段設定だ。高級店のわりに料理が安いから、大酒を飲まなければコスパはまずまずだと思う。
日本の野草ハーブティ
有機栽培コーヒー
サービスは温かく感じがいい。トイレに飼っている犬の写真などが貼ってあるのも親近感がわく。実際、食後にこの写真を見て、この日の料理の印象が少し変わった気がする。また来ようかなと思わせてくれる。次回は昼に5,250円のランチを食べてみたい。
■店名:青山えさき
■住所:東京都渋谷区神宮前3-39-9
■電話:03-3408-5056
■営業時間:12:00~13:30LO(昼の営業は土曜のみ)、18:00~23:00(21:30LO)
■定休日:日曜・祝祭日
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