お誘いをいただいて、「世界の山ちゃん 所沢店」に行ってきた。山ちゃんといえば、胡椒のきいた手羽先唐揚げ「幻の手羽先」が人気の居酒屋チェーン。ところが所沢店には、所沢店にしかない面白いメニューなどもあるということだ。サントリーの山ちゃん担当の方も来るので、生ビールやハイボールをはじめとしたサントリーのお酒と、山ちゃんの人気メニューを合わせつつ、山ちゃんのマニアックな裏話も聞けるという面白そうな企画。「幻の手羽先」に生ビールは間違いなく合う。しかも、「世界の山ちゃん 所沢店」は「樽生達人の店」。生ビールのクオリティはサントリーお墨付きということだ。
世界の山ちゃんは、東京都内には17店あるが、埼玉県には3店舗しかない(神奈川県も3店舗)。その貴重な1店が所沢にある。所沢駅西口からはじまる「プロペ通り」。日本の航空発祥の地が所沢ということで、プロペラにちなんで命名されたという。プロペ通りは全長300mあって、100以上の店舗が軒を連ねる所沢市内で最も賑わっている商店街だ。
「世界の山ちゃん 所沢店」は、そのプロペ通りの中頃を過ぎたあたりにある。お店が地下にあるということもあって、山ちゃんのどでかい看板を表に出せず、あまり目立っていない。立地は難しいが、そこは世界の山ちゃん。店内に入ると結構賑わっていた。
ご一緒したのは、フードジャーナリストのはんつ遠藤さん、「ワイン界の妖精」瀬川あずささん、世界の山ちゃんの山本会長とも親しいサントリーの山ちゃん担当Tさん。Tさんのマニアックな山ちゃんネタを聞きながら、食事が始まった。
世界の山ちゃんといえば、言わずと知れた「幻の手羽先」だ。胡椒が効いた独特の味わいが癖になる。山ちゃんに行った次の週も、また山ちゃんに行きたくなるほどの魅惑の逸品だ。ここでTさんのマニアックな話が始まった。「幻の」って、何が幻かという話である。そもそも「世界の山ちゃん」の何が「世界の」なのかというのも昔からの疑問だった。
Tさんが言うには、世界の山ちゃんは、創業時の店名は普通に「やまちゃん」だったそうだ。それが店員さんがふざけて「はい、世界の山ちゃんです」とか「~の山ちゃんです」と電話に出ていたら、山本会長が「それいいね!」ということで、改名をしたそうだ。「幻の手羽先」も似たようなもので、ふざけて言っているうちに山本会長の耳に入り、「幻の手羽先」という名前になった。そういうノリというか、聞いてすぐに店名を変えるほどの直観ってすごいと思う。
山ちゃんの箸袋の裏に上手な手羽先の食べ方が載っていた。やってみれば簡単なのだが、知らないと意外と苦戦しそうだ。こういう風に分かりやすく書いてくれるとありがたい。くの字に曲がった部分を先に折ってしまって、別々に食べると簡単にきれいに食べることができるのだ。山ちゃんの手羽先はグラム数にも厳しい規定があるし、形状はもちろん一緒。慣れるとものすごく簡単にキレイに食べることができるのだ。
世界の山ちゃんの地元、名古屋のご当地ラーメンと言えば「台湾ラーメン」。ニラ、ネギ、モヤシ、豚の挽き肉を唐辛子でピリ辛に炒めたものを乗せる独特のラーメンだ。今では名古屋を代表するご当地グルメの一つになっている。この日の最初の一品は、「台湾ラーメンの具!!」。台湾ラーメンの上に乗っている具だけという、ピリ辛の炒め物。これにも当然、サントリー「ザ・モルツ」の生ビールだろう。
「所沢店限定メニュー」から、「松阪豚の豚しゃぶサラダ」。松阪豚は松阪牛で有名な松阪市で飼育されている三元豚。さっぱりとしてなかなか美味しい豚だった。
「みそ串カツ」は、名古屋の赤味噌を使った山ちゃん屈指の人気メニュー
「酢玉ねぎ」は、名前の通り玉ねぎの酢漬けだ。山本会長の奥様が編集長をされている「てばさ記」という山ちゃんのかわら版が店内に貼られていた。なんとこれはほとんどが手書き。この中にも、酢玉ねぎの記事が出ていた。『酢タマネギでやせる! 病気が治る! 』という本が出ているほど、身体にいいものらしい。コッテリしたメニューが多い中、さっぱりスッキリとした貴重な存在だ。
「台湾もつ鍋」。スープは塩味と味噌味を選ぶことができる。出汁はホタテ出汁で、山本会長が研究に研究を重ねたスープとのことだ。上にはピリ辛の台湾ミンチが載せてある。シメはちゃんぽんめん、きしめん、雑炊セットなどがあるらしい。
サントリーが最近押している「知多ハイボール」。そういえば知多も愛知県。そういうのも関係があるのだろうか。
「梅酒」は紀州の最高級「南高梅」を漬けこんだもの。
「名古屋コーチン入り 鶏つくね」は、塩と醤油ダレの2種類。ふんわり&コリッとした食感だ。
埼玉ならではの「狭山茶ビール」。
それにしても山ちゃんは面白い。所沢店限定の企画とかメニューとかやたらあるのだが、普通チェーン店だったらほとんどの店が共通でやるところを、所沢店だけがやっていたりする。各店舗でかなり自由に工夫できるようだ。
所沢店限定の「山ちゃんポイントカード」というのを始めたらしい。毎週月曜日と火曜日はポイント2倍。100ポイントたまると500円割引になるらしい。100円で1ポイントだから5%の割引ということですね。
それから「単品飲み放題」というのも所沢店限定の特別企画。一人1,000円(税込)で2時間飲み放題。ただし料理は2品注文しないといけない。まあ、普通2品くらいは頼むと思う。それにしても激安だ。
所沢店限定「所沢人気コース」はさらに安い。食べ物は、季節のお通し、幻の手羽先(一人前)、グリーンサラダ、刺身2点盛(中トロ入り)、出し巻玉子、シャカシャカポテト、どて煮、土鍋ごはん。これに180分の飲み放題がついて、一人3,180円。会社の近くにあれば、ちょっとした飲み会は山ちゃんでやると思う。
サントリーのTさんは山本会長とメールのやりとりをいていて、幻の手羽先の写真を送ったら「コショウが少なそうに見える」ということで、「指摘しておいて下さい」というお願いをされたりしていた。さすが山本会長、仕事の鬼ですね。ちなみに有名な山ちゃんのイラストは山本会長ご本人ですが、写真の方がかなりイケメンでした。
■店名:世界の山ちゃん 所沢店
■住所:埼玉県所沢市日吉町9-20 第80東京ビルB1F
■電話:04-2929-3371