西新宿のヒルトンで開催された、「ニュージーランド牧草牛試食ディナー」に参加しました。今回はコチラのお誘い。ニュージーランド牧草牛と言われてもあまりピンとこないと思うのですが、そもそも「牧草牛」とは何でしょうか。牧草しか食べてないから「牧草牛」と言うのですが、普通の感覚からすると、牛って牧草を食べて育つものなのでは?という疑問がわきます。じゃあ、そもそも普通の牛は牧草以外に何を食べているのか?調べれば調べるほど、いろいろ気になるのですが、その話は後にします。ニュージーランド牧草牛は、そういう問題とは一切関わりがなく、一言で言うと「健康」な肉。大自然の中で自由に牧草を食べて育った牛です。ストレスがないというのは、肉牛にとっても大切なこと。この滋味豊かな肉を食べて、改めてそう思いました。
調理担当は、ニュージーランドを代表する若手シェフ、ダレン・ライト氏。ヨーロッパの国際コンペなどでも優勝したトップシェフで、2年連続でビーフ&ラムニュージーランドのアンバサダーシェフにも選ばれています。フィレ肉は軽めの味付けで、レアに仕上げます。牧草牛は、肉質がしっかりとして固いのが特徴ですが、このフィレ肉は柔らかく抜群の火加減。この鉄板焼きは旨かった。
さて、最初にわいた疑問の話。普通の牛は何を食べているのでしょうか?ちょっと調べると、いろいろ出てきます。牛はもちろん草食動物ですが、肉牛には、穀物や動物性タンパク質、魚粉なども食べさせているようです。牛も相当ストレスになっているのではないでしょうか。以前問題になった狂牛病(BSE)は、肉骨粉が原因となっていました。草食動物が肉を食べるとか、そういう無理な話が根底にあるのかもしれません。
肉牛には大きく分けて、グラスフェッドとグレインフェッドの2種類があります。グラス フェッドは、牧草だけで育てた牛。グレインフェッドは、さらに出荷前に穀物を与えた牛です。穀物飼育をすると、肉が柔らかくなり、サシも入りやすくなるそうです。スーパーなどで手に入る肉はほとんどがグレインフェッド(穀物飼育)。グラスフェッド(牧草飼育)は、固く肉々しいので、日本ではまだ認知度が低いのかもしれません。
ニュージーランド牧草牛は、和牛のように脂っぽい肉ではありません。部位や調理法によっては、ボソッっとした固めの食感にもなります。でもどこか滋味深い味わいがあります。固いといっても、和牛と比べての話。しっとりとした食感は「肉を食べている」という実感があります。脂身も適度にありますが、どちらかというと肉の旨さを味わうような肉でした。詳しくは、ミート&ウール ニュージーランドのHPをご覧下さい。