牧草育ちの美味しさを味わう「ニュージーランド牧草牛」ディナーに参加した。参加者はプレス関係者50人。会場は麻布十番のニュージーランド料理レストラン「WAKANUI(ワカヌイ)」。近代ニュージーランド料理を代表する人気シェフ、ダレン・ライト氏がニュージーランド牧草牛をおいしく食べるための調理実演と当日の料理を担当した。
ダレン・ライト氏による実演
会場に少し遅れて到着。席に着くとすぐにアントレ「牧草牛ラビオリスモークトマトとチャイブのサラダ」が運ばれてきた。スモーキーなトマトとラビオリの相性がたまらない。ダレン・ライト氏の料理は以前ニュージーランド牧草牛 試食ディナーでも食べたことがあるが、あの時はビュッフェで今回は着席。料理の完成度はかなり違うはずだ。ようやく本物のダレン・ライト氏の料理を味わうことができる。
アントレを堪能していると、調理実演がはじまるというアナウンスがあった。参加者全員が厨房のカウンターを取り囲むように集合した。ニュージーランド牧草牛の特徴、焼き方の説明などのあと、実際に肉を焼いて見せてくれる。肉の焼き加減は、見た目、香り、音、肉を指で触った感触など、五感を研ぎ澄まして判断する。実際に焼いて見せたり、試食させたり、一つ一つ具体的に見せながら説明してくれるので、とても分かりやすい。
牧草牛ラビオリスモークトマトとチャイブのサラダ
焼きあがった肉塊。表面は硬いものの中の柔らかな肉質は外観からもはっきりと分かる。
牧草牛フィレのグリルステーキ
席に戻るとメインの「牧草牛フィレのグリルステーキ キャロットピュレ、グリーンアスパラガス、エシャレットのコンフィ 緑野菜のスチームサラダ」が運ばれてきた。この肉塊の迫力はすごい。表面はカリカリだが中の柔らかさは外観からも分かるほど弾力に富んでいる。切ってみると予想以上に柔らかくスルスルとナイフが入る。赤肉だが柔らかくジューシーでコクがある。これがニュージーランド牧草牛の特徴だろうか。
ここでニュージーランド牧草牛について紹介しておこう。ニュージーランドは牛肉の輸出で世界5位。ニュージーランドの肉牛は99%が放牧によって飼育され、牧草だけで育つ。抗生物質や成長ホルモンなどの投与は必要ないので、BSEや口蹄疫など深刻な病疫は一例も発生したことがない。世界5位の規模で一例も発症がないとは驚きだが、これは考えてみると当たり前のことだ。
BSEや口蹄疫などの病疫は、もともと牛が食べるべきものだけを食べていれば発生しない。もっと低コストに、もっと肉質を柔らかく、もっと霜降りの高く売れる肉をと、人間の考えで餌や飼育環境を変えていった結果、奇妙な病気が生まれてきた。ニュージーランド牧草牛のように自然のままに生きていれば、こんな病気にはならない。
牛が食べ残した草を羊が食べ、羊が食べ残した草をヤギが食べる。糞が栄養となり再び牧草が成長する。こういった自然のサイクルの中で育つ健康な牛がうまくないわけはない。除草剤すら必要ない自然そのままの飼育。それがニュージーランド牧草牛だ。
日本では霜降り肉は絶大な人気があるが、最近では赤肉のよさも見直されている。近年話題になった短角牛も脂の少ない赤肉。霜降りが大好きな日本人が短角牛に注目するとは、僕としては意外だった。もし更なる赤肉のブームがくるとすれば、ニュージーランド牧草牛に対する評価はもっと上がっていくだろう。
ホーキーポーキーアイスクリームパブロバ
WAKANUI(ワカヌイ)の肉
デザートは「ホーキーポーキーアイスクリームパブロバ」。ホーキーポーキーアイスクリームとはニュージーランド定番のキャラメルアイス。パブロバはニュージーランド伝統の焼き菓子だ。
会場となった麻布十番のニュージーランド料理レストラン「WAKANUI(ワカヌイ)」では、ニュージーランド牧草牛をはじめ、ホーキーポーキーアイスクリーム、ニュージーランドワインなどもレギュラーメニューとして用意されている。東京でニュージーランド牧草牛を食べようと思ったら、まずはこの店に来るのが無難だろう。
■店名:WAKANUI GRILL DINING
■住所:東京都港区東麻布2-23-14 トワ・イグレッグB1F
■電話:03-3568-3466
■営業時間:ランチ:11:30~15:00(LO 14:00)、ディナー:18:00~23:00(LO 22:00)
■定休日:月曜日
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