姫路駅で入手した龍力の小瓶を抱えて電車で移動。幸いボックス席になっていて、乗客もまばら。これならこっそり飲みながらいけそうだ。車窓を眺めながらチビチビと飲みはじめた。日本の田舎の風景はどこも似ている。トンネルを抜けて、畑、山、また畑と景色がどんどん流れていく。そんな車窓をボーっと眺めながら日本酒をチビチビ。こんな幸せがあっていいのだろうか。青春18きっぷの旅はこれだからやめられない。2度目の休憩は岩国駅でとることになっていた。次の電車まで1時間弱の余裕がある。改札を出て駅前でゆっくり食事くらいはできそうだ。駅前のロータリーの右手に「寿栄広食堂(すえひろしょくどう)」の巨大な看板はすぐに見つかった。駅前にこんな大きな看板はいらんだろうとツッコミたくなるほどの大きさだ。
中華そば550円
ご飯時ではないので店内はガランとして客は1人だけ。空気が妙に乾いていて、油っぽさと埃っぽさを残した若干の清潔感を感じる。そんな昔ながらの食堂だ。寿栄広食堂は昔からの人気店で、一度は食べておきたいと思っていた。在来線を乗り継いで岩国まで来て、この日初めてのまともな食事。それが寿栄広食堂だから余計にテンションが上がる。
入口付近でまずはチケットを購入する。チケットを買うと、マイクで厨房に「ラーメン、おむすび、・・」と注文を通していた。その場で厨房に叫べばいいような気もするが、店内はけっこう縦に長い。お店が混む時間帯だとマイクじゃないと奥まで声が届かないのかもしれない。
よく見ると掲示物が面白い。たぶんそういう楽しみ方をする店じゃないんだろうけど、気になるものがいくつもある。「チケットはその場限りです」との注意書きもあった。当日限りではない。その場限りだ。一旦外に出て戻ってきた頃には無効になっているのか。トラブルが起きるとこういうルールができるものだ。でもチケットを買った後に起こるトラブルってなんだろう?ちょっと気になる。
きつねうどん500円
おむすび1個110円
中華そば550円は細い卵麺にモヤシとネギ、チャーシューがのっている。モヤシとネギを一緒に食べるとシャキシャキとした食感が楽しめる。スープはどことなくチャンポンに似た感じ。背脂が浮いているのが特徴だが、「油のトリプル ダブルは出来ません」との貼紙。背脂は追加もできると聞いていたが、どうやらダメらしい。期待していた背脂ドッサリのビジュアルは残念ながら諦めた。写真的な迫力は今一つだが、ラーメンの味自体はまずまず。なにより550円という安さがいい。ずいぶんと値上げしていないのだろう。もう一つ面白いものを見つけた。チャアーシューメン680円。何度書いても間違えそうになる。この独特のセンスがいい。
姫路駅、岩国駅での途中下車は時間がないので駅前だけで終了。姫路の龍力で味をしめて、今度は岩国の酒「獺祭(だっさい)」を購入。やっぱりこれもうまい。東京には不味い酒ばかりが送られて来てるんではないかと疑いたくなるようなおいしさ。やっぱり酒は地元で飲むに限る。そしてまた電車で隠れてチビチビ。そういえばこの日はまだ平日。みんな働いているところを僕だけチビチビと申し訳ない。
■店名:寿栄広食堂(すえひろしょくどう)
■住所:山口県岩国市麻里布町1-2-3
■電話:0827-22-7878
■営業時間:10:00~22:00
■定休日:第2火曜
大きな地図で見る