琵琶湖の夕焼け
ようやく夏の旅行最後の記事。大阪から電車に乗って、青春18きっぷで東京に帰る。少し時間があるので、途中で温泉に寄って帰ることにした。時間的にいける場所は限られているが、のっぺいうどんで有名な長浜は寄りやすい。「長浜太閤温泉」もあるので一石二鳥だ。
長浜太閤温泉は、秀吉が長浜城に移って男子が生まれたことから、「子宝の湯」と呼ばれている。誕生を喜んだ秀吉はお祝いとして町民に砂金を振る舞ったという。このお湯は婦人病や不妊症などに効能があるので、そのおかげもあったのかもしれない。
温泉施設は公園内の国民宿舎と、琵琶湖が望めるホテルがあった。どちらにするか迷ったがホテルの方にした。温泉は露天というか、外のバルコニーのようなところに卵型の一人用の湯船がいくつか並んでいる。お湯にしばらくつかっていると、身体がぽかぽかと温まってきた。こんなに身体が温まる温泉も珍しい。何度か出たり入ったりししていたが、ついに入っていられないほどになった。
誰もいなかったので、湯船から出て少し涼むことにした。バルコニーから外を眺めると、目の前には壮大な琵琶湖が広がっている。ガラス手摺は(たぶん)マジックミラーになっていて、こちらの姿は見えなくなっている(はず)。これほど開放感があって気持ちのいい温泉は久々だ。
帰りに琵琶湖の夕焼けを見に行った。どこまでも広く雄大な景色に、しばらく見とれてしまった。琵琶湖にははじめて来たが、こんな美しい景色だったとは知らなかった。とても日本とは思えないほどだ。
のっぺいうどん880円
さて、温泉にも入ったし、綺麗な景色も見たし、あとはご飯を食べて帰るだけだ。長浜といえば、のっぺいうどん。まずはお店に電話してみることにした。
のっぺいうどんの元祖「吉野」、人気の「茂美志屋(もみじや)」などいくつか電話してみたが、すべてダメだった。理由は、「お盆なので今日はもう閉めました」。どんだけやる気ないんだと、ガックリしたが、考えてみればうちの田舎も似たようなものだ。商売よりもまずは自分たちの生活がある。
でもやっぱり、ここまで来て、のっぺいうどんが食べられないというのは、僕としては大した事件だ。こんなことなら温泉や琵琶湖よりも、のっぺいうどんを目指して行動すべきだった。ガックリと肩を落として公園沿いの道を歩いていると、「そば処 善光」という看板が見えてきた。
ハンパな時間ということもあり、店内は僕らだけ。おばさんが一人でテキパキと働いている。おばさんにのっぺうどんとか地酒の話を聞いたりして、楽しく話ができた。たまたま入った店だが、かなりいい店だ。料理の味も、落ち着く雰囲気もいい。
のっぺいうどん880円は、大きな椎茸、生姜、とろみのあるあんかけダシが特徴。のっぺいうどん元祖の「吉野」が考案した。あんが絡んで、うどんが重くて持ち上がらない。すごい個性のあるうどんだ。
焼き鯖そうめん840円も長浜名物。名物がちゃんと揃っているのが嬉しい。実はすっかり存在を忘れていたので、ラッキーだった。定食にすると1,260円で、手作り焼きサバ寿司、赤こんにゃく、一品小鉢、漬物、冷奴などがつく。
酒はおばさんに相談して、地酒六瓢箪630円にした。六瓢箪は「むびょうたん」で、無病に通じるので昔から縁起のいいものとされている。長浜城主だった秀吉の旗印も瓢箪だったことから、地元の酒にこの名をつけたのだろう。
焼き鯖そうめん
手作り焼きサバ寿司
さて、この街で夏の旅行もおしまい。あとは電車を乗り継いで帰るだけだ。朝から歩き回って、温泉にもつかり、お腹いっぱい食べたし酒も飲んだ。そのおかげで電車の中ではしっかりと寝ることができた。青春18きっぷの旅はやっぱり面白い。途中でいろんな街に寄ることができるので、その土地の食べ物を知ることができる。普段は通り過ぎてしまうような駅で下りて歩いてみると、いろいろな発見がある。また来年も青春18きっぷで旅行がしたいと思う。
※長浜を訪れたブロガーさんたちの記事⇒長浜観光協会
■店名:手打ちうどん・そば 善光
■住所:滋賀県長浜市公園町8-54
■電話:0749-63-8323
■営業時間:11:00~20:00
■定休日:月曜日
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