「ロンフウフォンで忘年会やるんですけど、くにさんも来ませんか?」月島仮面さんからお誘いがきました。月島仮面さんたちは毎年ロンフウフォンを貸し切って忘年会をしています。「今年誘いますよ」と言ってくれていたので楽しみにしてました。でもこの会は月島仮面さんのお友達がご家族で参加する会なので、僕が行くと場違いじゃないだろうか。「いやいや、飯尾さんも来るし平気ですよ」。富士酢の飯尾醸造の5代目がわざわざこの日に上京するらしい。邪魔かもしれないが大半が知っている人なので、とりあえず参加させてもらおう。
ロンフウフォンは予約の取れない店として有名で、最近では電話すら通じません。そんな超人気店を貸切るなんてすごい人たちですね。飲み物はワインや紹興酒がメインの飲み放題。他にも頼めばいろいろ出てきます。しかも料理はこの日だけの特別コースというからたまりません。この会はほとんどが家族連れで、小さなお子さんや赤ちゃんも参加しています。こういう時には貸切が安心ですね。
ピータン豆腐
まず1品目は定番になっている「ピータン豆腐」。よくあるピータン豆腐はみじん切りのピータンが載ってますが、これはピータンがペースト状になってます。サッパリして食べやすく、突き出しとしてうれしい一品。飯尾さんが「丼で持ってきて欲しいですよね」とおどける。Mikasaさんと僕も「うんうん、これは丼でもいけそうですね」と3人の意見は一致した。この3人がL字になった席のちょうど角のテーブル。その隣には1席分空いていて、いつの間にか赤ちゃんをあやす席になってます。
らんしょう菜のスクランブルエッグ
続いて「らんしょう菜のスクランブルエッグ」というのが出てきます。ロンフウフォンといえば野菜。毎回必ず珍しい野菜を用意してくれていて、面白い料理にして出してくれます。この店の野菜へのこだわりは相当なもの。しかも野菜自体の味が濃く、野菜の存在感というか、自然の力がすごく伝わってくるものばかり。毎回どんな野菜が出てくるか楽しみです。
この「らんしょう菜」もこの日のために探してきてくれた野菜。そもそも「らんしょう菜」というのがよく分かりません。もう少し詳しく聞いておけばよかった。沖縄産ということは分かってますが、ネットで検索しても何も出てこない。よくこんなものを見つけてきますね。これがまたすごく味が濃くて炒めても全くヘタってない。シンプルな料理だけに野菜の個性がよく出ています。
安納芋と柿の炒めもの
「安納芋と柿の炒めもの」も面白い。安納芋はさつまいもの中でも甘みが強い芋です。人気があるのに、栽培するのが難しく生産量が少ないそうで、最近は入手困難になっているんだとか。
鴨のハンバーグ
千葉のごぼうと長野のニンジン、くさやのソース
豆がたくさん入った「鴨のハンバーグ」、「千葉のごぼうと長野のニンジン、くさやのソース」などが出てきます。くさやのソースとは珍しい。キツイ匂いがするわけでもないので、「くさや液」そのものではなさそうですね。これはワインよりも紹興酒に合いそうです。赤ワインを飲みはじめていましたが、あわてて酒をもとに戻します。
ネギと栗とアワビの醤油とオイスターソース炒め
そろそろお楽しみのメインです。「ネギと栗とアワビの醤油とオイスターソース炒め」は記念すべきメニュー。なんとこの日、ロンフウフォンがはじめてアワビを使ったんだそうです。ロンフウフォンでは野菜はよく出てきますが、肉や魚はそれほど登場しません。特にアワビのような高級食材をこれ見よがしに使うような店ではありませんが、はじめて使ったというのはさすがに意外でしたね。
アワビは細かく包丁が入れられていて、身はとても柔らかい。丁寧に調理されたのがよく分かる出来栄えです。これも紹興酒によく合う。間違いなく今年最もおいしかった料理の一つですね。年末の最後の最後にこういう料理に出会えて嬉しい限りです。ロンフウフォンは適正な値段でおいしい料理をたくさん出してくれる。なんて良心的でいい店なんだろう。ただ予約は半年以上全く取れないし、電話も通じない。その点が改善されるといいのになと思います。
酢豚
続いて名物の酢豚。黒酢を使用した酢豚はロンフウフォンの名物料理になっています。
この後ご飯や中国茶など料理はまだまだ出てきますが、飲み放題なのでかなりお酒も飲んで、いい感じになってきた。赤ちゃんが泣いたり、笑ったり、寝たり、起きたりと貸切ならではのほのぼのとした雰囲気のいい忘年会でした。
■店名:龍虎鳳(ロンフウフォン)
■住所:東京都港区白金5-12-17 2F
■電話:03-3449-5969
■営業時間:18:00~21:00
■定休日:日曜日