アイバンラーメンの噂を聞いたのは、たぶん開店直後のことで、まだマスコミ等で取り上げられる前でした。「アメリカ人が作るラーメン」という珍しさよりも、純粋に「うまいラーメン屋」として評判になりはじめていたようです。アイバンラーメンは、テレビや雑誌でたくさん取り上げられ、もうかなりの人気店になっています。この日も店の外には10人ほどの行列ができていました。
醤油全部のせラーメン
醤油全部のせラーメン1,100円を注文。きれいなスープの表面に細かな背脂が浮かんでいます。これを見ただけで、スープに対する期待が高まります。
ラーメンに関しては、見た目と香りだけで大体の味のイメージができてしまいます。これは鶏と魚介のスープで、相当に手間と時間が掛かっているんだろうな、という印象。上に載った白髪ネギとバラ肉のチャーシューもいい感じです。
麺は細麺ですが、コリコリとした食感が面白い。材料は小麦だけではなさそうです。なんと製麺機で5回延ばして、2日間寝かせた熟成麺なんだそうです。ここまでこだわった自家製麺も珍しいのではないでしょうか。
食べ進むと、大ぶりのメンマが麺の下から出てきました。これには驚きました。メンマが出てきたことにではなく、メンマを沈めておいたことにです。このラオタ心をくすぐる配慮がたまりません。
店主のアイバンさんは、元フレンチのシェフだそうですが、映画「タンポポ」を見てラーメン好きになったといいます。そして日本にラーメンを食べに通うようになり、ついにお店まで出してしまいました。こういうキャラクターの面白さがよく取り上げられるわけですが、そもそもラーメンがうまくないと話題だけで終わってしまいます。
アイバンラーメンがすごいのは、麺、スープ、具材の全てにこだわり、無化調で作り上げていることです。アイバンさんが元々ラオタだったということもあり、その凝りようは異常なほどです。しかもそのこだわりをラーメンにに盛り込み、キレイにまとめあげています。
アイバンさんは、「食材は地元で調達する」という信念があるそうで、あるテレビでは、地元の商店街で食材を買い求める姿も放送されていました。食材や製法ににこだわる姿勢、地元を大切にする姿勢、どちらも飲食業に求められることだと思います。そのどちらも手を抜かないアイバンラーメン、アイバンさんの人柄がうかがえるおいしいラーメンでした。
■店名:アイバンラーメン
■住所:東京都世田谷区南烏山3-24-7
■電話:03-6750-5540
■営業時間:17:30~22:30、土・日11:30~17:30
■定休日:水曜日・第4火曜
2009.04.11