魚三酒場 門前仲町 2

居酒屋

門仲の人気店、魚三酒場。魚三といえば行列で有名ですが、なぜかこの日は並びはなし。遅めの時間はねらい目かもしれません。魚三のビルは、1,2階はカウンター席、3,4階は座敷になっています。同じカウンター席でも、1階と2階では雰囲気が全然違います。1階はおばちゃんとお兄さんが非常に忙しく切り盛りしていて、お客さんもどんどん入ってきます。緊張感があって、殺伐とした空気すら漂っています。2階はサバサバとした客さばきで有名なお姉さんが仕切っています。前回は1階だったので、この日は2階にしました。前回も書きましたが、「入店したらまずは酒だけ頼む。注文はなるべくまとめる。汁物は最後」というのが魚三の暗黙のルール。この掟を破るとすぐに「まずお酒ね」「汁物は最後」などと指摘されます。2階は特に気をつけないと、お姉さんにテキパキと怒られてしまいます。
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大とろさし750円、たこぶつ330円、鯛刺天然550円などを注文。どれも安い。たこは冬が旬なので(と思い込んでいたのですが、種類にもよるそうです)注文しておく。天然の鯛刺も安いですね。ちなみに天然じゃない普通の鯛は450円。大とろはまずまずでした。
大衆酒場では、品質や店内の清潔さなどをあまり気にし過ぎないのが、上手に楽しむコツかもしれません。魚三酒場の魚は質のいいものと、そうでもないものが混在しています。まぐろなんかその最たるもので、同じ皿にまだ凍っているものと、凍ってないものが並んでいたりします。そんなこと気にしないのがいいところなので、気になる人には向かない店かもしれません。というかそういう人には大衆酒場は無理ですね。魚三酒場は全ての品がかなり安い。普通の居酒屋では考えられない金額でたくさん食べることができます。しかも結構うまいというのもいいところです。店内は大衆酒場にしてはかなり清潔な方です。安居酒屋の有名店は不潔な店が多い。いくら有名でも埃っぽかったり、臭う店にはあまり行きたくないものです。魚三に関してはそういうことはなく、そこそこきれいにしています。
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この日は2人で訪問しました。いつも通りビールの後は、お酒の熱燗。なんとお酒は180円です。お姉さんの動きを見つつ、邪魔にならないタイミングで「お酒、あったかいの」と注文。それと同時に食べ物もお願いします。かきフライ380円と、「本日サービス」の2品、海老やき480円、あんきも250円にしました。注文の品が揃うと、カウンターが手狭になってきました。酒もかなり進んでいます。醤油を持って注ごうとした時、なんと連れのカバンに醤油をこぼしてしまいました。お姉さんは忙しく動き回っています。注文する機会は意外と少ない。醤油をこぼした瞬間、たまたまお姉さんが通りかかったので、「お酒ください」と声を掛けました。ところがお姉さんは醤油をこぼしたのに気づいて、「それどころじゃないでしょ!いま布巾持ってくるから」と布巾を取りに行ってくれました。
カウンターを拭きながら、「カバンって高いよね~、ただの布なのにね」とお姉さん。何を言ってるのかというと、実はそのカバン、高級ブランドのものでした。見た目はそうは見えない布の小さなカバンです。ブランドのロゴも目立たない。でもお姉さんには一目で分かったようです。だからとっさに「それどころじゃない」という言葉が出たのでしょう。意外とブランドにも詳しいようですが、それでいて、どこか冷ややかに見ているようにも感じました。忙しいのに、こういう場面では急がずゆっくりと対応してくれます。僕らは忙しいお店に行くと、お店に協力しようという意識が強く働きます。でも本当は、いくらお店が忙しくても接客が半端ではいけません。戦場のように忙しい魚三酒場が、肝心なところで丁寧に対応してくれたのは意外なことでした。
最後のシメは、スペシャル530円。前回のシメはぶりつゆでしたが、ツイッターで魚三常連のpochiさんに「いやあ、スペシャルでしょ」と言われたので、今回はスペシャルにしました。はまぐりやブリが入って、なかなかボリュームがあります。やはり魚三酒場のシメはスペシャルですね。ラストオーダーの時間になると、みんな一斉にスペシャルを注文していました。はじめて見る人には不思議な光景だと思います。オーダーミスや最後の余りは必ず誰かが引き受けます。行列するほどの人気店になっても、こういう文化が引き継がれているのは見ていて気持ちのいいものだと思いました。
■店名:魚三酒場
■住所:東京都江東区富岡1-5-4 1F・2F・3F・4F
■電話:03-3641-8071
■営業時間:16:00~22:00
■定休日:日曜・祝日


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