サントリーさんのお誘いで、とんかつまい泉 青山本店のイベントに参加させてもらった。青山本店は7/26にリニューアルオープンしたので、そのお披露目ということだ。元々銭湯だった建物を使っていて、脱衣所だった格天井のホールは有名。天井が高くて気持ちのいいホールだ。そのホールの隣にある新しい部屋が会場だった。わずか10坪の店舗からスタートした、とんかつまい泉。創業は1965年というから、今年で54年になる。
とんかつ まい泉 青山本店では、6種類の豚を食べることができる。黒豚、紅豚、東京X、沖田黒豚、茶美豚、それから、まい泉オリジナルブランド豚の「甘い誘惑」だ。この日は黒豚と甘い誘惑の食べ比べをすることになった。
まい泉はパン粉にこだわっている。まい泉が指定したレシピでパンを焼き、大きさや形状を指定してパン粉を挽いているそうだ。そのパン粉を付ける技術を継承するために「パン粉付けマイスター制度」という社内制度がある。パン粉付けマイスターを取得した人の中でも特に技術に秀でた人は「グランドマイスター」になることができる。これはかなりの狭き門で、グランドマイスターはまだ4人しかいないそうだ。
カニと胡瓜のサラダ。まい泉創業時からの名物メニュー。
ザ・プレミアム・モルツ!
まい泉オリジナルブランド豚「甘い誘惑」は、まい泉がとんかつに適した豚肉を追及する中で生まれた。まい泉のヒレかつサンドのパンの耳とサツマイモを混合した資料で育てた豚だ。肉質はきめ細かく、柔らかく、ジューシーで、甘くとろける脂身が特徴だ。
黒豚には黒豚専用ソースをつけて食べる。卓上には、甘ロソース、辛ロソース、黒豚専用ソースの3種類が用意されていた。気分を変えたい時にはスパイスソルトもおすすめだ。
パン粉は花が咲いたようにきれいに衣が開くように揚げる。まい泉ではこれを「剣立ち」と言っている。これが美味しいとんかつの理想形だ。
その他にも「松岡塾」というセミナーがあるそうで、創業者の右腕だった松岡氏がパン粉の付け方、揚げ方、豚肉の仕込みなどの技術継承を行っている。
僕がこの店を好きになったのは、サントリーが買収する時の話にすごく感心させられたからだった。新聞などでは、サントリーが中食事業に初めて参入するということが強調されていた。それを読むと、サントリーの戦略として重要な第一歩なのかなという印象だった。
でも実際は少し違っていた。主婦だった小出千代子氏がはじめた「まい泉」は順調に大きくなっていって、高齢になった時に後継者不足に悩んでいた。それでサントリーに事業継承を打診したということだった。その頃のまい泉の業績は堅調で、毎年黒字を維持していたので、業績悪化でサントリーに泣きついたわけでもない。
その時、小出氏に請われて社長に就任したのが、当時サントリーの外食事業部長だった岡本氏。この話はサントリーと取引先との関係の良さが知れるエピソードとして強く印象に残った。それ以来、まい泉のファンになった。今でも新幹線に乗る時には、まい泉のヒレかつサンドを購入するのが恒例になっている。
格天井のホール
ヒレかつサンド
■店名:とんかつまい泉 青山本店
■住所:東京都渋谷区神宮前4-8-5
■電話:0120-428-485