新型コロナの影響でしばらくは過去記事です。閑静な住宅街に佇む居酒屋「ながほり」。料理は何を頼んでも質が高く、日本酒との相性が良い。割烹と違うのは、ほとんどの料理がお酒を中心に考えられているところだ。ながほりはミシュランガイドで一ツ星を獲得している。
ご主人の酒に対する知識、見識は大変なものとお見受けした。サービスに対しても同様で、ご主人の厳しい目は店全体に行き渡っている。料理、酒、サービスのどれもが素晴らしく、バランスが取れた居酒屋という印象だ。
常に高みを目指す姿勢と、それを実現しようとする厳しさがある。ただ、我々お客さんから見れば、普通の気さくなおじさんのような感じで、緊張感は伝わってこない。このバランス感覚がこの店を大阪を代表する居酒屋にまで高めているように思う。
「菊菜しら和え」(450円)
「自家製ツナリンゴサラダ」(1,680円)
「かに味噌コロッケ」(450円)
日本酒はいろいろあるが、ほとんどが750円か800円。質の高い酒ばかりなので、かなりの割安感がある。
「定番つくね焼」(1,080円)
「而今にごり酒生」を「燗をつけても美味しいですか?」と店員さんに聞いてみた。店員さんが答えようとした時、隣にいたご主人がすかさず「めちゃくちゃ美味しいですよ」と言う。この反応の素早さ。ご主人の対応には、酒に対する愛情がこもっていた。僕はぬる燗くらいがいいのかなと思っていたのだが、ご主人のおすすめは熱燗。これが本当に、むちゃくちゃ美味しかった。
店はカウンター席主体で奥にテーブル席がある。カウンターの背面の板壁は、酒蔵で使われていた樽材を使用している。建物自体も酒蔵をイメージした外観だ。素材を活かした創作料理と日本酒のペアリングは素晴らしかった。中でも「活毛がにのジュレ添え」は必ず注文するべき逸品。少し高いと感じるかも知れないが、他のものは頼まなくてもこれだけは注文しておくべきだ。ちなみに、「活わたり蟹ジュレ添え(岡山・特上・特大)」(6,980円、7,980円、9,980円)、「活毛がにジュレ添え(北海道・特上)」(8,800円)と4種類ほどあったが、やはり毛がににしておいた。
■店名:ながほり
■住所:大阪府大阪市中央区上町1-3-9
■電話:06-6768-0515