サントリー 登美の丘ワイナリーツアー

山梨

サントリー 登美の丘ワイナリーツアー
サントリー「登美の丘ワイナリーツアー」に参加してきた。以前、一度参加させてもらったことがあるのだが、いつ頃かなあと思ったら、なんと2008年。もう7年にもなるのか。あの時飲んだ「登美」の美味しさは僕の中にずっと残っている。今回は、今年日本ワインコンクールで金賞を受賞したワインを4種類飲ませてもらう。
日本ワインコンクール(Japan Wine Competition) 2015において、「登美の丘ワイナリー メルロ&カベルネ・ソーヴィニヨン ロゼ 2013」がロゼワイン部門最高賞と金賞をダブル受賞。サントリージャパンプレミアム「津軽シャルドネ 2013」、「塩尻メルロ 2011」、「岩垂原メルロ 2012」が金賞を受賞。この4本の受賞ワインが今回のメインになる。サントリーワインは、その他にも銀賞6品、銅賞14品を受賞している。
登美の丘ワイナリーの渡辺所長自らが案内役となって付きっ切りで説明をしてくれた。まずは広大なブドウ畑へ。畑に下りて収穫前のブドウを直に触らせてもらった。食べてもいいというので遠慮なく食べさせてもらう。品種はメルロー。甘く美味しいブドウだ。種をかじってみると中身が渋い。ということは、まだ収穫には早いということなんだそうだ。
この木は今年8年目の木。10年以上が標準的というから、まだ若い方だ。登美の丘では鹿や猪がブドウを食べにくる。鹿は出たばかりの実を食べ、猪はちょうど収穫の頃に食べるのだという。登美の丘もそろそろ収穫の時期。これから人間と猪の知恵比べがはじまるのだろう。
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サントリー 日本ワインコンクール受賞ワイン特集


サントリー 登美の丘ワイナリーツアー
中央4本が今回のメイン。左から「メルロ&カベルネ・ソーヴィニヨン ロゼ 2013」、「津軽シャルドネ 2013」、「塩尻メルロ 2011」、「岩垂原メルロ 2012」
サントリー 登美の丘ワイナリーツアー
ビデオで登美の丘ワイナリーの概要を学ぶ
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ブドウ畑の頂部より。降った雨は谷の方に流れていく
サントリー 登美の丘ワイナリーツアー
ブドウの周りに草を生やす「カバークロッピング」
サントリー 登美の丘ワイナリーツアー
登美の丘に着くと、あいにく雨が降っていた。傘をたたんでセミナーハウスのような建物の中に入る。ここでビデオを見ながら登美の丘ワイナリーについて概略を学ぶのだ。渡辺所長の説明とよくできた短めのビデオ。だんだんイメージが膨らんできたところで、今度はブドウ畑へ移動した。
渡辺所長曰く、ブドウ作りで大事なのは、日照、温度、降水量。登美の丘は、日照が長く、盆地なので夜の気温が下がる。そのおかげでブドウが甘みを蓄えることができるのだという。また、降水量が少ない地域ということで、日本の中でもブドウ栽培に向いた好条件がそろった土地だそうだ。
それでも雨には気を遣っている。収穫期である秋頃に雨が多いと良いブドウ作りはできないので、ブドウの周りに草を生やすカバークロッピングをすることで、ブドウだけが水を使わないようにしている。
雨は丘の上の方から下の方に流れる。水の影響を受けにくい尾根の上の方に赤系の品種、影響を受けやすい下の方に白系の品種を植えるなど工夫をしているそうだ。
サントリー 登美の丘ワイナリーツアー
サントリー 登美の丘ワイナリーツアー
サントリー 登美の丘ワイナリーツアー
資料館で説明をする渡辺所長
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前回はなかった新しいタンク
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絞る時の空気をほぐす袋
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発酵槽
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発酵槽の中
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ボトリングをする瓶詰機
サントリー 登美の丘ワイナリーツアー
ラベリングをするシール機
資料館に移動して、サントリーワインの歴史の勉強。登美の丘ワイナリーの前身「登美農園」は明治42年(1909年)にできたというから、かなりの歴史がある。サントリーの「赤玉ポートワイン」も明治40年の発売。昭和9年(1934年)には、「日本のワイン葡萄の父」と呼ばれる川上善兵衛氏とサントリーの鳥井信治郎氏が出会い、株式会社「寿葡萄園」を設立。その後、登美農園を買い取って善兵衛氏の指導の元、葡萄栽培がはじまった。サントリーといえば、ウイスキーやビールのイメージが強いが、ワインに関しても昔から力を入れていたことが分かる。
そのまま工場の中を見学。清潔なタンクが並ぶ空間があった。これは前回以降にできた新しい設備だ。
破砕・圧搾施設でも、新しい設備が導入されていた。いかにブドウにストレスを掛けないようにつぶすか、空気に触れないフレッシュな状態をどのように保つか。新しい設備による細やかな工夫が施されていた。
白ワインはジュースを作るのが重要、赤ワインは発酵中に細かく味を見ながら管理するのが重要だそうで、種類によってポイントとなる工程が違うというようなお話もあった。緻密に管理されているのだ。
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セラーの入口
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樽熟庫
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瓶熟庫
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年代別にワインが並ぶ
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1984年の登美
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続いて樽熟庫・瓶熟庫へ移動。古いワインも多く眠っている、社内研究のための図書館のような場所だ。その中で1984年の登美を見つけた。登美は1982年がファーストビンテージ。1984年は3ビンテージ目ということになる。
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4種類のテイスティング
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津軽シャルドネ 2013
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メルロ&カベルネ・ソーヴィニヨン ロゼ 2013
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塩尻メルロ 2011
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岩垂原メルロ 2012
最後にまたセミナーハウス戻ってセミナーが始まった。金賞を受賞した、サントリージャパンプレミアム「津軽シャルドネ 2013」、「塩尻メルロ 2011」、「岩垂原メルロ 2012」。それからロゼワイン部門最高賞と金賞をダブル受賞した、「メルロ&カベルネ・ソーヴィニヨン ロゼ 2013」。この4種類を飲み比べる。
津軽シャルドネ2013は、フレッシュで引き締まった味わい。津軽シャルドネ自体は柔らかさがあるのが特徴だが、2013は引き締まっている。2013年は降雨を避けながらの収穫となり簡単な年ではなかったとのこと。この年から、ブドウを房ごと圧搾する「ホル・バンチ・プレス」を新開発のプレス機で行うことで酸化を徹底的に防ぎ、前ビンテージよりもさらに香り豊かなワインに仕上げることができたそうだ。
メルロ&カベルネ・ソーヴィニヨン ロゼ 2013は、樽の中で低温にしてじっくり発酵させている。新しい樽は使わないのだそうだ。2013年の山梨は暑くて赤ワインは熟していいワインができた。イチゴやチェリーのような香り。フレッシュでありながら柔らかさ伸びやかさがある、甘みと酸味が広がる辛口のロゼだ。
フランスでは、赤ワインの次は、白よりもロゼワインが飲まれている。幅広い料理によく合い、夏場にもよく飲まれる。メルロ&カベルネ・ソーヴィニヨン ロゼ 2013は、9月から全国で発売するそうだ。
塩尻メルロ 2011は、香りがよくて華やかなワイン。口当たりは上品で、なめらかなタンニン、果実の旨味をが余韻となって長く続く。
岩垂原メルロ 2012は、グレートビンテージである2012年のワイン。ものすごく熟した年だそうだ。渡辺所長曰く、糖度が26度近くまでいったらしい。甘さやボリューム感のあとに渋みを感じる。複雑で凝縮感のある味わいだ。
岩垂原メルロといえば、今年、フランスの国際ワインコンクール「レ シタデル デュ ヴァン」で、「岩垂原メルロ 2010」が日本ワインの中で最高得点を獲得し、日本ワイン特別賞と金賞をダブル受賞した。
サントリー 登美の丘ワイナリーツアー
サントリーは登美の丘で8,000ヘクタール以上の森を管理している。前回聞いた話では、ホタルが出る場所があるということだったが、今でもホタルはよく出ると聞いてちょっと安心した。人間の手が入ったところでも毎年ホタルを見ることができる。登美の丘ワイナリーの姿勢が現れた話だと思う。
【以前の記事)
サントリー登美の丘ワイナリー@山梨 1
サントリー登美の丘ワイナリー@山梨 2

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