昨年のクリスマスは地元のレストランに行こうということで、いくつか検討した結果、駒込駅から近いフレンチ「ル・リュタン」に行くことにした。本郷通り沿いにあって隣は六義園だ。この辺りは時々散歩をするのだが、なかなかいい感じのフレンチやイタリアンが多くて、いくつか気になっている店もある。ル・リュタンもそんな店の一つだった。
ランチコースは、2,500円、3,500円、ディナーコースは、5,000円、7,000円、8,000円~とあるようだが、クリスマス期間は10,000円のコースのみ。サービスは男性で、シェフは女性。オーナーであるマダムが時々テーブルを回って話しかけてくれる。地元のフランス料理店らしく、こじんまりとしたアットホームな雰囲気の店だ。
ル・リュタンは、既製品とか化学調味料を使わない店ということで、自然で素朴な美味しさが魅力の店だ。これはオーナーの考え方なのだと思う。シェフが女性ということで、料理はどれも繊細。特にデセールの美味しさや見た目の美しさには目を見張るものがある。家の近くにこんなレベルの高い店があるなんて。今年は家の近くの店になるべく行こうと思っているけど、それはこの店の影響でもあります。
アミューズ フォアグラのクレームブリュレ
前菜 人参のムースと北海道産生ウニ・コンソメジュレ
自家製ミルクパン
クレームブリュレは実はものすごく小さい。ほんの少ししかないのだが、この日の期待感がグッと上がるほどのおいしさ。
自家製のミルクパンが美味しくて、何度も追加でいただいた。こういう自然派の店というのはいいものですね。何でも安心して食べることができる。実に素朴で自然な美味しさにホッとする気がする。
温前菜 オマール海老とホタテのフリカッセ カリフラワーとハーブの香り キャビアを添えて
魚料理 金目鯛とお魚のムースのクルスティヤン ちりめんキャベツのブレゼとアメリケーヌソース
肉料理 和牛ヒレ肉のロッシーニ パイ包み焼き ソーストリュフ
メインの魚料理や肉料理は実に手が込んでいる。一つ一つの印象がものすごく強くて、いまだに味をハッキリと思い出せるほどだ。いい店というのは何年経っても味を覚えているものだけど、この店もたぶんそうなると思う。
アバンデセール 温州みかんのシャーベットとコンポート 紅茶のジュレ
グランデセール ホワイトチョコとブラウニー・苺のムースのオモニエール 苺とベリーのソース
デセールが秀逸。見た目も美しくて味もいい。たぶんセンスがいいんだと思う。いろいろな工夫があったりして、小さな店とは思えないほどに料理やデセールにこだわりがある。
クリスマス期間ということで特別にワインが用意されていた。また、お手製のディスプレイは先日オーナーがフランスで買ってきたお菓子や、もう作り手がいないというフランスの玩具など。マダムのお話を聞くと、フランスやアルザスに対する思い入れの強さがうかがえて、とても面白い。
料理が美味しくて気取らない雰囲気の店だ。しかも歩いて帰れるほど家から近いのがありがたい。また伺おうと思う。
※ル・リュタン 駒込(くにろく 居酒屋探訪記)
■店名:ル・リュタン
■住所:東京都文京区本駒込6-15-19
■電話:03-3944-0299