僕はどちらかというと和食が好きな方ですが、2008年はなぜかフレンチやイタリアンによく行きました。ソース疲れとでも言うんでしょうか、年末には「当分フレンチはいいかな」という感じになっていました。この時期は毎年、クリスマスのお店選びを楽しみにしています。久々に和食を食べたいけれども、さすがにクリスマスはフレンチの方がいいでしょうね。今年はこじんまりとした店がいいなと思い、白金のフレンチ「シェ・トモ」に行くことにしました。シェ・トモは夜のコースが5千円台と安く設定されているので、気軽に食べに行けるフレンチということで人気があります。クリスマスコースは1万円なので普段よりは高いですが、他の店と比べるとずいぶん割安な設定です。馴染みの客を大切にする店なのではないかなと思ってここに決めました。
あまり下調べせずに行ったんですがお店に着いてみると、なんとロンフウフォンの並びにありました。以前ロンフウロフォンに来て迷った時、シェ・トモの前にいたお店の人らしき人にロンフウフォンの場所を聞いたことがあります。当時その店がシェ・トモだとは全然知らなかったので、当日は「ああ~、ここかぁ~」という不思議な感覚で入店しました。
席は一つだけ外れた位置にある席で、狭い間隔で並ぶ他の席と比べればゆったり使えていいですね。予約した時最後の客だったのでおまけの席なのか、キャンセルが出た一番いい席なのかは判別が難しいですが、僕としてはいい感じでした。
まずはイチゴのシャンパンカクテル(1,700円)、グラスシャンパーニュ(1,700円)などで喉を潤します。みんなが揃うまで料理を始めないようで、少し待たされます。当然シャンパンはすぐ飲んでしまってワインリストを頼みました。店員さんがワインに詳しいのでいろいろ聞いてブルゴーニュの赤、ボルネー(Volnay)2002にしました。しっかりとした渋味と酸味もちゃんとあるワインでなかなかいい。ワインの価格帯も安いものから高いものまでいろいろでこのへんは安心して選べます。
シェフ スペシャリテ 雲丹(ウニ)の貴婦人風
「シェフ スペシャリテ 雲丹(ウニ)の貴婦人風」はウニと生クリームの組み合わせが絶妙でおいしい。これを食べるとサッパリとして、この後の料理を受け入れる準備ができるような軽い一皿です。
黒トリュフ・フォワグラと椎茸、里芋のテリーヌ 大理石模様
次の料理「黒トリュフ・フォワグラと椎茸、里芋のテリーヌ 大理石模様」はすぐに出てきました。シイタケの濃い味がいいですね。これは日本酒のぬる燗で食べてみたい気がするほど、のん兵衛好みです。フォアグラなど構成要素1つ1つの個性が強く、特に香りが強い輪郭がはっきりした料理でした。酒飲みはこういうのが好きなんですよね。
オマール海老のロースト ソースマリニエール
「オマール海老のロースト ソースマリニエール」が運ばれてきました。そのビジュアルや漂う香りからして、これはうまいに違いない。期待が高まります。サフランと野菜のソースは香りも爽やかでいいですね。
フランス産 鴨のロースト 生姜の香り 季節の有機野菜添え
「フランス産 鴨のロースト 生姜の香り 季節の有機野菜添え」は春菊、カブのピクルス、ニンジン、アスパラ、ブロッコリー、ヤマイモ、ビーツ、タプナード(南フランスでポピュラーな野菜)などなど並べられた野菜がどれもおいしくて楽しくなります。シェ・トモは野菜にこだわった店だそうで、毎日山梨の農家から泥がついたまま送られてくる野菜を使用しているそうです。
鴨のローストは皮がカリカリでほんのり甘い。はちみつと生姜を塗ってカリカリにしてあるそうですがこの皮は気に入りました。
栗のスフレ
デザートは「栗のスフレ」です。ワゴンが運ばれてきて僕の真後ろで炎があがったのでびっくりしましたが、薄暗い店内での炎のパフォーマンスには歓声があがっていました。出来立てのスフレはあったかふわふわで、とてもおいしい。これを機にスフレの食べ歩きをしてみようかと思ったほどです。
最後にエチケットを封筒に入れてそっと渡してくれます。特に何も聞かれなかったので、これはボトルで飲んだ人全員に渡しているのでしょう。シェ・トモはイタリアンみたいな強めの味付けというか、豪快さもあって面白いフレンチでした。普段のディナーもリーズナブルなので、もう一度普通の日に行ってみたいと思います。
■店名:シェ・トモ (Tchez tomo)
■住所:東京都港区白金5-15-5 1F
■電話:03-5789-7731
■営業時間:ランチタイム11:30~15:00、ディナータイム18:00~23:00
■定休日:月曜日(月曜が祭日の場合は翌火曜日)