2009年02月18日

分とく山 広尾

昨年最も感動した店の一つが南麻布の「分とく山」です。分とく山は、様々なメディアに登場する野崎洋光氏の店。メニューはおまかせ(15,750円、10皿)のみという、独特のスタイルを貫いています。この店はとにかく圧倒的に楽しい。カウンター越しに次々と供される品々は、どれもおいしく、見た目も美しい。そういう料理がカウンター越しに次々と出されるので、僕みたいな食いしん坊にはたまらなく楽しい時間になります。お店の人とのやりとりも楽しく、1回の訪問ですっかりファンになってしまいました。

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サザエと新じゅんさいの寿司、もづく、鳥のレバーのソース蒸し、アロエの網揚げ
先付けは「茄子とウニと水ダコの梅肉あえ」。梅肉の主張が強く、水ダコのプリプリした歯ごたえがいい。前菜は「サザエと新じゅんさいの寿司、もづく、鳥のレバーのソース蒸し、アロエの網揚げ」。レバーはかなりうまかった。おにぎりの様な寿司は、口の中でフワッっと香りが広がる、バランスをよく考えられたものでした。

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穴子とそら豆のしんじょう

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初カツオとカレイのお造りと湯葉
お造りは「初カツオとカレイのお造りと湯葉」。とろけるようなカツオと歯ごたえのあるカレイの組み合わせがいい。断面がきめ細かいのも印象的でした。カウンターなので調理を目の前で見ることができます。刺身は刀のような長い包丁を使っていました。見るからに切れ味のよさそうな美しい包丁。この包丁だからこそ、このような断面になるのでしょうか。

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イサキの新茶焼き、稚鮎(ちあゆ)の茶の葉揚げ
「イサキの新茶焼き、稚鮎(ちあゆ)の茶の葉揚げ」は香りがものすごくいい。カウンターに出された時、いい香りが広がってきて期待感が高まります。揚げ物の温度も絶妙でした。

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鮑の磯焼き
「鮑の磯焼き」は分とく山の名物料理になっています。鮑の肝とダシ汁を焼き上げる、肝の旨味と磯の香りが印象的なメニューです。

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組み肴
ここで「組み肴」が出てきました。グリンピースの豆腐、水ダコのゴマダレあえ、ばい貝、あん肝のこはく、サユリのフキ巻きなど。水ダコは柔らかくて、先付けで出てきたものとはまた違った印象。この組み肴は中休み的な位置づけなのでしょうか。

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蟹の酢ゼリーがけ
「蟹の酢ゼリーがけ」は蟹の甲羅でダシをとったゼリーが上にかかっています。蟹とゼリーと蟹みそを一緒に食べると、渾然としてものすごくうまい。ソースもゼリーも全て蟹だけで完結した組合わせは素晴らしい。ダシは酢ゼリーにしたからサッパリしてしつこくなく、全体のバランスがうまく取れたようです。これはこの日最高の一品で、昨年食べた全ての料理の中でも、最も印象に残った一皿でした。

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駿河めし

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お食事は「駿河めし」。新茶と桜海老で炊き上げています。2人分でこの量なので食べきれないほどで、おかわりをしてもまだまだあります。残りはお持ち帰りにしてくれました。元々2人分にしては大量なので、たぶん残りはお土産にするのが前提なのでしょう。この量だと大抵は持ち帰ることになると思います。

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日向夏(ひゅうがなつ)のフルーツゼリー
甘味は「日向夏(ひゅうがなつ)のフルーツゼリー」。見た目が綺麗で楽しめるだけでなく、サッパリとして食後にちょうどいい。甘味と酸味のバランスのよさも印象的でした。

分とく山は「何を食べてもおいしい」と聞いていたので、相当期待して行きました。今回訪問して、この店については「料理がおいしい」ではなく、「食事が楽しい」と表現するのが適切だと感じました。食事をしていてとにかく圧倒的に楽しい。これは他の店にはない分とく山の特徴です。

何が楽しいかというと、カウンター越しのやり取りが楽しい。僕は食べるのがかなり早い方ですが、そのスピードに合わせて料理が出てきます。これだけ質の高い料理がカウンター越しにバンバンと出てくると、なんとも心地がいい。料理人は接客にもなれていて、気持ちよく会話が交わせる。食事自体がエンターテイメントになっているところが、分とく山の特徴だと感じました。

コースの10品はどれもおいしくてボリューム満点。しかも最後に出てくる釜飯はおかわり自由で、食べきれないと残りをお土産にしてくれます。これだけでも満足度がかなり高いのに、最後に驚きのサービスがあります。帰り際に多くの店員さんが手を止めて、外まで見送りに出て来てくれます。野崎さんはじめ多くのスタッフが店先に並び、頭を下げる。これほど気持ちよく帰れる店も少ないのではないでしょうか。

飲食店の良し悪しは料理だけではありません。いかに楽しめて気持ちよく帰ることができるかも重要です。分とく山は店員の教育も素晴らしく徹底されていて、見ていて気持ちがいい。料理は安い値段でおいしいものを腹いっぱい食べさせる。そして最後に気持ちよく送り出す。このスタイルには感激しました。今年も必ず伺いたいお店です。


■住所:東京都港区南麻布5-1-5
■電話:03-5789-3838
■営業時間:17:00~21:00
■定休日:日曜日
2008.05.15

東京都港区南麻布5-1-5


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コメント

分とく山
素晴らしい割烹
お料理おしゃれで素敵です

くにろくさんの「感動した店」というコメントが忘れられず、先週行ってきました。
一品一品宝石箱のように綺麗で美味しく、
野崎さん始め、板前さんの相手に合わせた控えめな接客も嬉しかった。

くにろくさんと同じ、ファンになってしまいました。

◆Booさん
ここはファンになってしまいますよね。接客も気持ちがいいし、料理はおいしいし。カウンターで次々料理が出てくる楽しさはたまりません。割烹にもはまってしまいますね。

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