神田近辺は戦災を免れた古い建物が多く、「かんだやぶそば」や鳥すきの「ぼたん」、あんこう鍋の「いせ源」など、老舗も軒を連ねています。とんかつの「勝漫」もこのあたりにありますが、そのすぐそばに、「勝漫」出身の「やまいち」があります。
店内に入ると、入り口付近のイスに数人座って順番待ちしています。小さなカウンターに大テーブル。その脇に2人掛けのテーブルがあるだけの小さな店ですが、清潔で落ち着いた雰囲気です。正面の厨房では、カツを揚げるパチパチという音と、サクサクの衣と包丁が触れ合う金属音が聞こえます。
しばらく待つと、2人掛けのテーブルを勧められました。卓上にはラッキョウと梅干。これはサービス。ソース、おろしポン酢、塩、ゆず胡椒などが置いてあります。この種類の多さを見れば、とんかつをおいしく食べて欲しいというお店の気持ちや、こだわりがよく分かります。
定食は、「特ヒレ」2,100円、「特ロース」2,000円、「車えびフライ」二本・1,400円、三本1,900円、「合わせかつ(ヒレ小・ロース小)1,500円などがあります。「特ロース」にしました。一口目は、何もつけずにいただきます。衣はカリカリで香ばしい。ごま油の香りが食欲をそそります。脂身は多いものの、甘味があって食べやすい。さっぱりとしているので、これならいくらでも食べれる気がします。
次に塩をかけてみます。ややピンクがかった平たい結晶の塩。これをパラパラとカツにのせます。塩は肉の味を楽しむには一番いい。でもこのカツは塩ではもの足りなかった。塩よりも、ゆず胡椒の方が合っているようです。僕が気に入ったのは、カラシとソースを肉に少しつける食べ方。ソースを衣につけるとサクサクの衣が台無しになってしまいます。必ず肉に、少量つけるのがおいしく食べるポイントです。
単品の揚げ物もあります。「車えびフライ(1本)」500円、「串かつ(1本)」450円、車メンチ300円、貝柱コロッケ250円、海老しんじょう揚げ250円、ヒレ一口かつ250円、かきフライ(十月~三月)250円などがあり、自分の好みで選んで、400円プラスで定食にすることもできます。平日の夜は20:20までで、ちょっと早いですが、お酒も置いてあります。ツマミにはかなり期待ができる店なので、一度夜に飲みに行くのもよさそうです。
■店名:とんかつ やまいち
■住所:東京都千代田区神田須田町1-8-4 玉井ビル1F
■電話:03-3253-3335
■営業時間:11:00~14:20、17:00~20:20
■定休日:日曜・祝日
2009.5.23