フードフランス “ビストロ”2012-2013 ブノワ 青山

フレンチ
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今年で7年目になるアラン・デュカス氏のインベント「フードフランス」。この時期になると毎年プレス発表会に呼んでいただいている。レセプションに参加するのは今年で4回目。フードフランスは、アラン・デュカス氏の発案で2003年に企画された。メディアから見落とされがちな地方で活躍する若く才能あるシェフを応援し、フランス料理の奥深さをアピールすることを目的としている。2010年からはフードフランス “ビストロ”と題し様々なスタイルのビストロを紹介している。
メニュー
会場の様子
両シェフのスピーチ
「ブノワ」野口シェフと大阪「ル・コントワール・ド・ブノワ」上野シェフ
乾杯
様々なテクニックを使っておいしい料理を「作り上げる」のがフレンチだとしたら、ビストロ料理は素材をそのまま生かした伝統的な家庭料理がベースにあるように思う。もちろんどちらにも魅力はあるし、明確な区分もないとは思うが、地方の食材を生かしたフランスの伝統料理が楽しめるという意味でビストロには特別な魅力がある。
席はテーブルだけが決まっていて、座る場所は自由になっていた。僕らのテーブルはどういう区分なのか、特にプレス関係が集まっているわけでもなさそうだ。隣のテーブルはスポンサー関係者の席。かなり早めに来てしまったので、シャンパンを飲みながらグジェールをつまむことにした。グジェールは砂糖のかわりにチーズを練り込んだ小さなシュー。ブルゴーニュの名物だ。席に着くとすぐにシャンパンとグジェールを持ってきてくれる。これはブノワのスタイルで、待ち時間を飽きさせない工夫だろう。
フードフランス “ビストロ”協賛企業の挨拶や、この日の料理を担当する「ブノワ」の野口シェフと大阪「ル・コントワール・ド・ブノワ」の上野シェフのスピーチ。そしてシャンパンで乾杯をして会食がスタートした。
今回のフードフランス “ビストロ”が面白いのは、日本の食材の中からアラン・デュカス氏が選んだ「厳選食材」を各シェフが一つずつ使用するところ。テーマとなる厳選食材は長万部の帆立貝、岡山のザリガニ、丹波の黒鶏、沖縄のあぐー豚、明石の真鯛、熊本の赤毛和牛など面白いものが揃っている。フランスのシェフたちが日本の食材と出会って、どのように「料理」するのか興味深い。このレセプションで出される料理にも沖縄のあぐー豚が登場する。野口シェフと上野シェフはこれをどう扱うのだろうか。
テリーヌ・ド・カンパーニュ
テリーヌ・ド・カンパーニュ
真鯛のオーブン焼き グリーンアスパラガス
真鯛のオーブン焼き グリーンアスパラガス
あぐー豚のロースト ジャガイモのフォンダン
あぐー豚のロースト ジャガイモのフォンダン
ババ アルマニャックとバニラ風味の生クリーム
ババ アルマニャックとバニラ風味の生クリーム
まずはビストロの定番、テリーヌ・ド・カンパーニュ。訳すと「田舎風テリーヌ」くらいの意味になる。これはなんとなくサクサクっと食べてしまった。さっきからワインのお相手が欲しかったのだが、このテリーヌがその要求にものすごくハマった。
真鯛のオーブン焼き グリーンアスパラガス。真鯛はソースとよく合っていて、アスパラガスはゴロンと3本並んでいる。この無骨さがビストロっぽい。こういうシンプルな料理は見た目は単純だが、味付けは洗練されている。クオリティはやはりブノワだなあと感じる。
あぐー豚のロースト ジャガイモのフォンダン。沖縄の在来豚「あぐー」は一時絶滅寸前のところまで数を減らしていたが、多くの人々の努力によって頭数が600頭以上にまで戻ってきた。とはいえ飼育期間が普通の豚よりも長く大量生産ができないため、希少価値の高い豚には違いない。肉質は柔らかく霜降りで、特に脂身がうまい。今回は大阪「ル・コントワール・ド・ブノワ」で「カフェ・ブリュネ」の二つ星シェフ、ローラン・プティ氏が厳選食材として沖縄のあぐー豚を使用する。柔らかい肉と甘味のある脂をどのように調理するのか興味深い。
ババ アルマニャックとバニラ風味の生クリーム。これは昨年も出された定番で、僕の大好きなデセール。ヨーロッパ各地で作られている伝統的な焼き菓子だ。ババにアルマニャックを染み込ませ、濃厚なクリームと一緒に食べる。これまで食べた料理の重みがふわっと消えるような効果がある。
今年もフードフランス “ビストロ”には、フランス各地で話題のビストロ6軒が参加する。既にミシュランの一つ星、二つ星を獲得した店、今後注目の店など、日本ではあまり知られていない実力店の料理を食すことができる。海外旅行しても、地方にある店にまではなかなか足が向かないものだ。フードフランス “ビストロ”では、日本にいながらにして本場のフレンチを堪能できる。日本人の好みに合わせない本場そのままの料理を食べる機会は案外少ないものだ。
フードフランス “ビストロ”は、東京では2012年7月19日(木)~2013年3月12日(火)、大阪では2012年5月24日(木)~2013年1月29日(火)まで開催される。
【以前の記事】
フードフランス “ビストロ”2011-2012 ブノワ 青山
フードフランス “ビストロ”2010-2011 ブノワ 青山
フードフランス2009-2010 ブノワ 青山
【参加店・シェフ】
東京:2012年7月19日(木)~24日(火)
シリル・リニャック「ル・シャルドゥヌー」(パリ11区)
厳選食材:岡山のザリガニ
「ル・シャルドゥヌー」は、1908年からシャルドゥヌー一家により引き継がれてきたビストロ。この店に新しい息吹を吹き込んだシリル・リニャックは、テレビ出演、レシピ本出版など多分野で活躍し、技術、人柄、甘いマスクでフランスで最も人気のあるシェフの一人。
東京:2012年11月15日(木)~20日(火)
フランソワ・アダムスキー「ビストロ・ガブリエル」(アキテーヌ地方ボルドー)
厳選食材:長万部の帆立貝
フランソワ・アダムスキーは、フランス最高職人賞とボキューズ・ドールというシェフにとって非常に名誉なタイトルを2つ獲得した実力のあるシェフ。
東京:2013年3月7日(木)~12日(火)
エリック・ラルモン「シェ・フロット」(パリ1区)
厳選食材:丹波の黒鶏
「シェ・フロット」は、2005年にパリの最優秀ブラッスリーにも選ばれた言わずと知れた名店。食にうるさいパリの人々にも一目置かれる存在。
大阪:2012年5月24日(木)~29日(火)
ローラン・プティ「カフェ・ブリュネ」(ローヌ・アルプ地方アヌシー)
厳選食材:沖縄のあぐー豚
ローラン・プティは、フードフランス初年度に参加し、その後「ル・クロ・デ・サンス」でミシュランの2ツ星を獲得。「カフェ・ブリュネ」は14世紀に建てられた古い建物をビストロとしてオープン。
大阪:2012年9月13日(木)~18日(火)
フランシス・トゥサンディエ「シェ・フランシス」(リムーザン地方ブリーヴ)
厳選食材:明石の真鯛
「シェ・フランシス」は、有名な作家や詩人、俳優やデザイナーなど多くのセレブリティに愛されている店としても知られる名店。
大阪:2013年1月24日(木)~29日(火)
ティエリー・シュワルツ「オ・ビストロ・デ・サヴール」(アルザス地方オベルネ)
厳選食材:熊本の赤毛和牛
ティエリー・シュワルツは、オープン1年半でミシュランの1つ星を獲得。95%は地元の食材を使うというほどアルザス地方をこよなく愛する。重たい印象のアルザス料理を洗練されたビストロ料理に作り上げる。
【会場】
【東京】ビストロ『ブノワ(BENOIT)』
東京都渋谷区神宮前5-51-8ラ・ポルト青山10階
http://www.benoit-tokyo.com/
【ご予約】 Tel:03-6419-4181
【料金】
ランチプリフィックスメニュー
3,600円 / 4,800円 / 6,000円 (税・サービス料込み)
ディナープリフィックスメニュー
6,000円 / 7,200円 / 8,400円 (税・サービス料込み)
*食後のコーヒーまたは紅茶が含まれます。
<木曜日はスペシャルディナーデー>
初日 木曜日のディナーに限り、厳選食材を使ったメニューにはない一皿を追加でサービスいたします。
<日曜日は”ボルドー:ペッサク・レオニャン、 グラーヴ”デー>
ディナータイムに限り、”ボルドー:ペサック・レオニャン、グラーヴ”のボトルワインを半額にて提供いたします。
【大阪】『ル・コントワール・ド・ブノワ』
大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼブリーゼ33階
http://www.comptoirbenoit-osaka.com/
ランチ   11:00~14:30 (L.O.)
ディナー 17:00~21:30 (L.O.)
【ご予約】 Tel:06-6345-4388
【料金】
ランチプリフィックスメニュー
3,600円 / 4,800円 / 6,000円 (税・サービス料込み)
ディナープリフィックスメニュー
6,000円 / 7,200円 / 8,400円 (税・サービス料込み)
*食後のコーヒーまたは紅茶が含まれます。
<木曜日はスペシャルディナーデー>
初日 木曜日のディナーに限り、厳選食材を使ったメニューにはない一皿を追加でサービスいたします。
<日曜日は”ボルドー:ペッサク・レオニャン、 グラーヴ”デー>
ディナータイムに限り、”ボルドー:ペサック・レオニャン、グラーヴ”のボトルワインを半額にて提供いたします。
【公式HP】
フードフランス”ビストロ”HP
【関連情報】
・フードフランス “ビストロ”参加シェフによるクッキングレッスン(フードフランス特別協賛企業プジョー(Peugeot)主催)
http://content.peugeot.co.jp/foodfrance/
・ビストロ「ブノワ」100周年記念特別メニュー
1912年にパリにオープンした「ブノワ」は、今年100周年を迎えるにあたり、パリ、東京、大阪、ニューヨーク共通の100周年記念特別企画を行う。5月1日~11月30日まで、東京のビストロ「ブノワ」と大阪の「ル・コントワール・ド・ブノワ」でパリと共通の100周年記念特別メニューの提供、100名にプレゼントが当たるキャンペーンを開催。
【フードフランス “ビストロ”協賛企業】
特別協賛(PEUGEOT、CITI、Diners Club)
協賛(evian、PIPER-HEIDSIECK、ARMAGNAC、PESSAC-LEOGNAN、ハースト婦人画報社、AIRFRANCE)。

■店名:ビストロ『ブノワ(BENOIT)』
■住所:東京都渋谷区神宮前5-51-8 ラ・ポルト青山10階
■電話:03-6419-4181

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■店名:『ル・コントワール・ド・ブノワ』
■住所:大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼブリーゼ33階
■電話:06-6345-4388

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