京都 肉料理 いっしん

焼肉

肉懐石 いっしん
京洛肉料理 いっしんの暖簾
京都の名店「いっしん」。昔、渋谷のホルモン「ゆうじ」さんから教えてもらって、ずっと行きたかった店だ。但馬牛のミスジ肉などを多用した肉割烹。肉料理という言葉の一般的なイメージからはかけ離れた、非常に繊細な火入れや味付けをする店だ。


いっしんは最近、料理の撮影が禁止になった。いろいろ事情があってのことだが、僕としては残念でならない。元々、料理の写真を撮られるのを嫌っているわけでもないので、以前は誰でも撮影ができた。ミシュランで二ツ星を取り、以前に増して知名度が上がっているが、僕がゆうじさんに教えてもらったのは何年も前のこと。それを考えると、最優先で行くべきだったなと思う。でもまあ、今となってはどうしようもないので、また撮影再開になったら撮らせてもらうことにしよう。
カウンターに座ってまず驚いたのは、厨房の美しさ。ステンレスシルバーの厨房だが、買ったときよりも綺麗なんじゃないかと思えるほど、ピカピカに磨き込まれている。料理が出てくるまでの間、ビールを飲みながらしばしこの厨房に見入ってしまった。この店の料理が美味しくないわけがない、という確信とともに、ものすごい期待感が沸いてきた。これはすごい店に来てしまった。この厨房だけで酒が飲めてしまうほど見事だ。そんな店今まで何軒あっただろうか。
最初の皿は、肉ソーメン。もう感動的にうまい。続いて3種盛り。これは真空調理のローストビーフがよかった。椀ものはタンの塩漬けが入っている。このダシは京都の割烹と比べても遜色のないもの。かなりのハイレベルだ。薄めのダシに、塩漬けされたタンの塩分が加わってほどよくなる、という離れ技。これはすごいわ。
ミスジ肉の湯引きシトラスドレッシング、ミスジの握り、ミスジ肉海苔巻きなど、ミスジ肉のうまさを、いろんな角度から味わせてくれる。加茂茄子とタンを白味噌で食べさせるのも技を感じた。デザートは、桃のシャーベットとほうじ茶のブリュレ。ご主人はホテルなどでフレンチの修行もしたという。その経験がこういうところに出ているのだろう。
昼は一部但馬牛、夜は全て但馬牛を使うという。昼は食材のランクが少し下がるものの、5~6千円で楽しめるコスパの高さは魅力的だ。味だけでいっても、これ以上の肉料理店はめったにないと思う。焼いた肉も出されるが、基本は湯がいた肉。ミスジ肉をおいしく食べさせるには、湯がいた方がバリエーションが増えるということじゃないかな。
食べてみて驚いたのは、食後、肉を食べたことを忘れるほどサッパリとしていること。胃にもたれることがない。デザート以外は全て肉なのに、これはすごいことだ。味付けは季節ごとに微妙にを変えているらしい。また違う季節に味付けの違いを確かめに行こうと思う。

■店名:京洛肉料理 いっしん
■住所:京都市東山区祇園新橋元吉町51
■電話:075-531-5311
■営業時間:12:00~13:15(L.O.)、17:30~22:00(L.O.)
■定休日:月曜日

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