銀座アスター新宿賓館のオープニングセレモニーに参加させてもらった。銀座アスター新宿賓館は、ビルの建て替えの影響で数年間休業していたが、ようやく工事が終了し、11/20リニューアルオープンとなった。新宿賓館は、僕にとっては特別な店だ。母が常連だったせいで、昔はよく連れられて食べに行った。ここ数年はビルの建て替え中で行けなかったが、両親が上京しても他の銀座アスターに行く話にはならない。やはり我が家で銀座アスターといえば新宿賓館になってしまう。
昔の新宿賓館は、ビルの1階と2階にあった。ふかふかの赤いジュウタンが印象的な高級感のある内装だったが、1階にあるせいか、意外と入りやすい店舗だった。料理も当時にしてはかなりおいしかったと思う。客を見て味付けを微妙に変えたりするので、その緻密な調理にはいつも驚かされた。
新宿賓館はサービスもよかった。行くと必ずなにかお土産をくれたし、オーダミスした皿を「ごめん、食べて」と、こっそりテーブルに置いていったりした。まるで近所の中華屋のようだ。そういう親身なサービスと高級店のイメージとのギャップも面白かった。
まずは「銀座アスター83年の歩み」をスライドを使って説明。はじめはシュウマイが売りの店で、「アスターのシューマイ」と書かれた車で配達していたという。それから徐々に本場の中国料理を取り入れていって、現在のような高級店になっていった。そしてまた、ターニングポイントを迎えようとしている。銀座アスターは、よりリーズナブルな店への転換を図るそうで、新宿賓館はその最初の店という位置づけになる。今回のオープニングセレモニーはそういう意味でも重要なセレモニーだった。
料理長の挨拶と料理説明の後、食前酒、醸造酒3種のテイスティングセットが運ばれてきた。純米酒の洞窟内熟成10年、紹興酒の10年、紫もち米の黒杜酒。なんと紹興酒と純米酒の飲み比べだ。これがまた、系統が似ていて面白い。こういう飲み比べをやると、日本酒とか紹興酒とか、そういう区分も意味をなさないのではないかと思えてくる。
彩り豊かな前菜が運ばれてきた。前菜は、料理長のおまかせ前菜の盛り合わせ。シンプルで軽めの味付けで、なかなかうまい。銀座アスター日本橋賓館でも似たようなものが出てくるが、新宿賓館も悪くない。今日の料理はかなり期待できそうだ。
大菜は、広東明菜、子豚の丸焼き。会場に丸焼きを持ってきて、各テーブルに見せて回るあたりはさすがのサービス精神。プレス発表ということで、もちろんカメラマンさんはいるが、テーブルでも写真を撮る人がチラホラいた。以前は食事会でも、ブロガーは写真ばかり撮っているイメージがあったが、今時ブロガーじゃない人もかなり料理写真を撮っている。あれはどこにUPするのだろうか。mixiとか食べログとかに何か書いているのだろうか。
子豚の丸焼きは、皮がパリパリとして、うまい。北京ダックのように包んで食べるのも面白い。銀座アスターは、伝統的な中国料理だけでなく、多くの勉強会を開いたり研究を重ね、新たな料理を創造している。値段もリーズナブルになり、昔のアスターとは全く違った店に変貌しようとしている。
■店名:銀座アスター新宿賓館
■住所:東京都新宿区新宿3-5-4レインボービレッジ5F
■電話:03-3351-4351
■営業時間:11:30~22:00
■定休日:年始
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