それではまず最初に向かった蒸留所、グレンギリー蒸留所の紹介です。グレンギリー蒸留所はハイランド地方で最も古い蒸留所の一つ。創業は1797年と言われていますが、1785年には蒸留が行われていたことを示す資料が残っているそうです。グレンギリーの名前の由来となっているギリーの谷は、広大な大麦畑の広がるアバディーン地方有数の穀倉地帯です。ちなみに「GLEN GARIOCH」は、スコットランドの蒸留所の中で最も発音が難しい蒸留所の一つとのこと。確かにこれではちょっと「ギリー」とは読めませんね。
とうとう本場スコットランドの蒸留所にやってきました。この外観、いい味出してますね。
まずはこちらのビジターセンターに入ります。
中でお土産なんかも買うことが出来るちょっとした休憩所です。最初にここでビデオを見てから見学に向かいます。
ちょうど大麦が運ばれてきたところでした。麦のいい香りが立ち込めています。この蒸留所ではスコットランド産の大麦だけを使用しているんだそうです。
ここはフロアモルティングをするところ。フロアモルティングとは大麦の麦芽を作る作業で、発芽をコントロールするために大麦をかき混ぜます。以前はこの7階建ての建物の全フロアでフロアモルティングをしていましたが、今ではやめてしまったんだそうです。
グレンギリー蒸留所はなんと5人で作業をしています。この風景を見ただけでも心が和む、手作り感のあふれる蒸留所です。日本ではグレンギリーをほとんど飲んだことはありませんでしたが、ここに来ると今後はなるべく飲もうという気になります。
フランクさんの説明を聞いてメモを取るウドさん。ウドさんはスコットランドの蒸留所に行けば大抵の人とお友達のようです。こうしてメモを取って著書を手直ししても、蒸留所は毎年何かを変えているので情報はすぐに古くなってしまうそうです。
これは発酵槽。ここで酵母を加えて発酵が行われます。白壁に木製の梁が通る内装は昔ながらの雰囲気と質感がとてもいい。気取ったところのない素朴さに好感が持てます。
ポットスチル。ウイスキーの蒸留に使う蒸留器です。ポットスチルの大きさと形はウイスキーの味に大きく影響します。製造工程の中では最も味を左右する器具なので、各蒸留所で形や大きさが全然違っています。
これはビジターセンターで売られているポットスチルそっくりのお土産品。
グレンギリーに行く途中の風景です。スコットランドは空が低く曇りが多い。反対側は晴れているので日が当たっていますが、こちら側は真っ黒です。これがスコットランドっぽい風景なのですが、こういう写真はなかなか撮れないそうです。アバディーンは有名な穀倉地帯で、こういう風に大麦を丸めて転がしているのをよく目にします。
反対側はカラッと晴れていてウソみたいな風景です。スコットランドの天候は変わりやすいと言うけれど、右と左がこうもハッキリと違っているとは。さすがにこれほどまでとは思いませんでした。