福岡出身の僕が、なぜか福岡のホテルに泊まりに行くことになりました。今回のメンバーは全部で5人。まずは相部屋のコチラの方と、食べ歩きをしてからホテルに向かいます。食べ歩き1軒目は、博多うどんの人気店「うどん 平(たいら)」。はじめにこの店の話を聞いた時、正直言って「何も博多でうどんを食べることはないのでは?」と思いました。
というのも、僕が知っている博多うどんは、ちょっと変わってはいるものの、東京の人におすすめしたいほどのものではありません。一般的に博多うどんは、コシが弱めで柔らかい。汁は薄口醤油のサッパリ味。具は「丸天」や「ごぼ天」などです。「丸天」というのは、福岡にはよくある、魚のすり身を揚げたもの。博多はうどん発祥の地という説もあるそうですが、このような個性が本来のうどんに近いかというと、たぶん違うだろうと思います。
えびごぼう
昼前に「うどん 平」に到着。既に行列ができていました。店内にも5~6人並んでいて、全部で10人くらいの行列。この場所で、土曜の昼にこれだけの行列ができるとは、さすがに人気店です。「えびごぼう(480円)」と「かしわ(160円)」を注文。「かしわ」とは、鳥の炊き込みご飯のことで、福岡のうどん屋には大抵置いてあります。「えびごぼう」のビジュアルは印象的。えびは丸ごと揚げていて、カリカリの状態。うどんは思ったよりもコシがあります。コシというか、粘り強い感じ。汁は薄めのサッパリした汁。普通の博多うどんの汁なので、僕には違和感ありませんが、他県の人には珍しい味かもしれません。
かしわ
この店は、うどんよりも店員さんの動きの方が面白い。接客の女性は、ランニングシューズを履いて、フットワーク軽く店内を移動します。ジョギングするように、店内をぐるっと回って注文をとりにきます。更に面白いのは厨房です。カウンターに座ったので、ご主人がうどんを打つ姿を目の前で見ることができました。うどんを何度も機械に通した後、切り出して、すぐに茹で始めます。常に打ち立てのうどんを提供しているようです。こんなに繁盛している店で、ここまでやるとは。味に対するこだわりを感じます。
うどんを打ちが終わると、次は茹で加減の確認です。棒でうどんをすくって、指で1本1本見ていきます。これが非常に丁寧で、かなりの時間を掛けてチェックしています。中のうどんは、その間も茹で続けているので、この時差をどう計算しているのでしょうか。これはちょっと疑問に思いました。
厨房をよく見ると、疑問は次々と生まれてきます。茹でたうどんを、流しに持っていって水でシメる。それを、1杯分だけ、また鍋に戻します。それをすくって、デポで水を切って器に入れています。なぜ一度水でシメたものをまた鍋に戻すのか、理由が気になります。しかも鍋に戻すときに、1杯目は必ずご主人がやって、2杯目からはおばちゃんに交代します。細かいことですが、このルールは常に守られているようです。「うどん 平」は、まだまだ謎の多い店です。独特のやり方や、よく分からない動き。全て納得がいくまで通ってしまうかもしれません。
※築地王さんの記事はこちら↓
http://www.tsukijioo.com/blog/2009/06/-n.html
■店名:うどん 平
■住所:福岡市博多区博多駅前3-17-10
■電話:092-431-9703
■営業時間:11:30~19:00、土11:30~15:00
■定休日:日曜・祝日
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