アイラ島に来た最大の目的の一つ、ボウモア蒸留所です!!僕がシングルモルトにハマルきっかけとなったボウモアの製造工程が見れるということで興奮は最高潮に達しています。ウドさんの話では、サントリー関係の蒸留所となって以降のボウモアは様々な面で飛躍的な進歩が見られるそうです。昔から守り続けた味と製法にサントリーの技術が加わったウイスキー。ボウモア12年の質の高さも頷けます。
美しい夕日に照らされたボウモア蒸留所。この写真は絶対に撮るぞ!と出発前から決めていました。
海の見えるウェイティングスペースでしばし待ちます。「お好きなものをどうぞ」というので一人1杯ずつボウモアを頂きました。ポートワインカスク16年、BOWMORE MARINER (ボウモア マリナー)15年、シェリーカスク13年の3種類をオーダー。美しい海を見ながら男3人でグラスを傾けます。。
蒸留所長のエディさん自ら案内してくれます。なんとボウモアに勤めて42年間連続勤務なんだそうです。すごいですね。ボウモア蒸留所は現在12人で稼働中です。
麦芽を作る工程は現在機械化している蒸留所が大半ですが、ボウモア蒸留所では昔ながらのフロアモルティングをやっています。温度や発芽速度をコントロールするため、時々大麦をかき混ぜます。
我々も一人ずつ挑戦してみます。スコップをひねる様にして均等にばらまかないといけません。けっこう難しい。
ある程度大麦が発芽したら乾燥させて発芽をとめます。この中で乾燥させています。かなり煙い。
「中に入っていいぞ」と言うので遠慮なく中へ。煙がすご過ぎてほとんど前が見えません。足元は大麦がフカフカの状態。体中に匂いが付くほど麦のいい香りがしています。
機器は木製が主になっています。機械化やステンレスなどの機器の使用が一般的になっていますが、ボウモアでは昔からの製法を守っている部分が多く好感が持てます。僕がシングルモルトにハマルきっかけとなったボウモア。じっくりとピートを効かせた味わい深いウイスキーはこういう風に作られている。見学中、アイラ島に来てよかったという実感が込み上げてきました。
こじんまりとしたポットスティル。ラインアームの角度はほぼ90度です。
こちらは水面下にある珍しい貯蔵庫です。蒸留所の目の前が海なので、地下に降りれば隣は海なんですね。貯蔵庫の壁には見事なカビが生えていました。ここもウドさんの「いい貯蔵庫にはいいカビが生えている」という説を裏付けています。
ここの名物おじさん。日本好きが高じて自分の腕にカタカナで名前を入れ墨したんだそうです。
ニューメイクと、バーボンカスク9年、シェリーカスク13年。ニューメイクとは樽に入れる出来立てのウイスキーのことです。ご覧の通り無色透明。これがそれぞれの樽で熟成され様々に変化していきます。樽の材料や入っていた酒、年数などによって色も味も香りも違ってきます。
ここで大変珍しいものを発見しました!なんとサントリーの佐治会長の樽です。もうお亡くなりになっていますが、この樽はいったいどうするのだろう・・。
ボウモア蒸留所ではじっくりとピートを焚くのが特徴の一つになっています。18時間もピートを焚くんだそうです。そこで気になるのがそのピート。前に説明したようにヒースという植物が堆積して半炭化したものです。日本の泥炭に似ていますがあんなにドロドロではありません。石炭ほど硬くもない。スコットランドでは家の暖炉の燃料として昔から使われているそうです。
ここがピート畑。単なる草むらに見えますが、この下にはずっとピートが埋まっています。少しずつ切り取って乾燥させ、燃料として使用します。今回ピートカッティングはできませんでしたが、やるとしたら事前に予約が必要。ここに入るには長靴がないとズブズブと埋まっていってしまうので、それなりの服装でないと難しいと思います。
シングルモルトへの道を開いてくれたボウモア!僕にとってこれほど感慨深い場所はありませんでした。これでアイラ島に来た目的の半分は達したと言って過言ではないでしょう。もう半分は・・もう一つ思い入れの強い蒸留所があります。それはまた後日!
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