今、東京で最も人気のある焼肉屋の一つ、渋谷「ゆうじ」。煙で充満した店内は、極上の焼肉を目当てに集まる客で、いつも満席だ。店主のゆうじさんは、うまい焼肉を提供することに真剣に取り組んでいる。焼肉は単に肉を切って出すだけではない。寝かせたり、包丁を入れたり、お客さんが気づかないところで結構いろいろやっている。その一つ一つをキチンと実践しているのがゆうじの焼肉だ。もちろん肉の仕入れも重要。特にホルモンに関しては、東京№1という呼び声も高い。そのゆうじの焼肉が船上で食べれるという。ゆうじさんが所有する焼肉舟でのオフ会。くにろくOFFで開催することにした。
※この企画は常連客向けのお遊びで、通常の営業ではありません。ゆうじの常連になればお声が掛かるかも?というくらいの企画です。その点はご注意ください。
先日、うちの奥さん達がゆうじで焼肉会をやるというので、僕も一緒にお店まで行ってみた。ゆうじに行くのは久しぶりだ。最近は、仲良くしてもらっている店だけでも、もう回りきれないくらいになっている。ゆうじに行くと、常連向けのおまかせメニューを提供してくれる。焼肉屋とは思えないほど様々な料理が出てきて、しかもどの料理も驚くほどうまい。このセンスは才能だろう。というのも、ゆうじさんのお兄さんは、神宮前「樋口」の店主。ミシュランで星を獲得した新進気鋭の料理人だ。ジャンルは違えど、ご兄弟で東京のトップシェフというのはすごい。ゆうじさんの常連メニューも面白いのだが、焼肉メインで食べに行く機会は減ってしまった。この日も立ち話だけで、焼肉はお預け。
開店準備の忙しい時間、店先でゆうじさんと談笑した。「最近、お店の常連さんたちと、舟で焼肉とかやってるんすよ」。この何気ないひと言に反応してしまった。舟で焼肉!しかも釣りをしたり、夜風を浴びながら、ハンモックで揺られたり、様々な楽しみ方ができるという。こんな面白い企画はない!ということで、仲間を募ってオフ会を開催することにした。
舟のコースは2種類ある。羽田の飛行機が下りてくる真下に行って、飛行機の発着を見るか、川に出てスズキを釣ってハンモックに揺られるか。今回は風が出ていたので、揺れの少ない川のコースにした。料理もいろんなパターンがある。僕が食いついたのは、「鴨を油で焼いて、肉を食べる。そのガラでスープをとって、シメはラーメン」というパターン。しかもゆうじさんの舟で焼肉。これほど魅力的なオフ会がこれまであっただろうか。
「舟だから寒いし、揺れるし、目の前で焼くので油がかかるかもしれない」。そんな企画にも関わらず、参加希望者はあっという間に30人を超えた。でも定員は10人。安全面を考えると、これは厳守しなければならない。そんな中、運よく参加できたのは、ヒロキエさん、月島仮面夫妻といったいつもの方々と、CHEF-1などのグルメ企画にも携わる、放送作家のすずきBさん、「神の舌を持つ男」ラーメン王、石神秀幸さんなど豪華な面々。
舟には干物が大量に吊るされている。一見飾りかと思ってしまうが、これは全部焼いて食べることができる。酒は生ビール、サワー類、マッコリなど。干物を焼きながら出航を待つことにした。まずは鮎の塩焼き。ゆうじさんが食べ方を説明する。頭と尾を外して骨を抜くという、よくあるやり方だが、これが難しい。結局、そのままかぶりついたが、この食べ方が一番うまかったのかもしれない。イカなどの干物を焼いた後、出てきたのが、大きな鯖。ものすごく脂がのったきれいな鯖だ。これも絶品だった。
舟が走り出した。風が直に入ってきて気持ちがいい。ハンモックに揺られ目的地に向かう。橋の下の釣りスポットで、船を止めて、釣りがはじまった。酒を飲んだり、ハンモックに揺られたり、釣りをしたり。みんな自由に時間を過ごしている。楽しいメンバーとの酒宴。あっという間に酔いが回った。料理も次々と運ばれてくる。穴子の白焼き、フジツボ、舞茸の天ぷら、そしてお待ちかねの肉。ゆうじはホルモンのイメージが強いが、正肉も相当なものだ。鴨肉も平らげ、最後はいよいよシメのラーメン。表面がネギと油揚げで埋め尽くされている。鰹ダシと油揚げのあっさりしたラーメン。麺は築地製麺だそうで、薄くて食べやすい。
楽しい仲間との最高のオフ会でした。ゆうじさん、参加者のみなさま、ありがとうございました!第2回もやりたいと思います。またよろしくお願いします!
※時々こういうオフ会をやっています。参加したい方は、kuniroku◆gmail.comまで(◆を@に変えてください)、ご連絡ください。次回から案内メールをお送りします。