ミシュラン京都 大阪 2010の掲載店が発表された。サプライズもなく、無難なセレクトのように見える。京都の和食のレベルの高さからすると、三つ星30店くらい選ばれたり・・、そういうサプライズも期待したが、ふたを開けてみると落ち着くところに落ち着いた感じで、ちょっとガッカリ。それでも京都の三ツ星6店、全てが和食というのは思い切ったなと思う。
それでは、僕がこれまで記事にした、ミシュラン京都 大阪 2010版の訪問店。少ないけれども、東京のブロガーにしては、まあまあ頑張っていると思う。というか、京都の料亭や割烹にこれほど行けているのは、サントリーさんの企画のおかげ。素晴らしい店ばかり取材に行かせてもらったんだなと、改めて思う。
三つ星★★★
■ 瓢亭 朝がゆ
■ 瓢亭 朝がゆ2
絶対に三つ星と確信していた店、瓢亭。完璧に調理された一つ一つのパーツが、皿の上に集合し、微妙なバランスを保っている。しかもどの皿も同じクオリティ。京都の和食のレベルの高さに驚愕した。世代交代の時に三つ星を保てるだろうか。今から注目してしまう。
記事は瓢亭本店ではなく、隣の別館の方。朝がゆなので、瓢亭を語るに足りないかもしれない。僕が京料理にハマルきっかけになった店だ。
二つ星★★
■ 桜田
中でも一押しは桜田。いかにもミシュランが好きそうな店なので、必ず二つ星以上だと確信していた。記事中にも「はっきり言って東京の三つ星より上だと思います」と書いた。桜田は料理の質の高さの割りにコスパがいい。でも、もう少しいい素材を使わないと、もう一つ上にはいけないかもしれない。工夫してコスパを高めているのは好感が持てるが、今後どうするのだろうか。ご主人をはじめ、店員さんの印象がとてもいい店。ファンとしてはこのままでいて欲しい。
一つ星★
■ 梅の井
■ たん熊北店
■ 割烹 なか川
■ 祇園櫻川
梅の井は二つ星かも?と思ったが、無難に一つ星。やはりまだ安定感がないのだろうか。ご主人は若いし、人柄もいい。長く通うとしたら梅の井だろう。
割烹 なか川は僕の大好きな店。おやじが○○ながらやってるにしては、高評価(笑)。調査員もカウンターで食べたのだろうか。想像するとニヤッっとしてしまう。
ミシュラン東京版では、正直「これが三つ星かぁ」という店もあって、僕の感覚とミシュランの評価の違いに戸惑う部分もある。京都・大阪版は、逆の意味で驚かされた。僕の予想通りの部分も多かったし、三つ星に関しては「納まる所に納まった」というような、ちょっと気持ち悪いくらい大人しい印象がある。
今年の4月に出た 「ミシュランさん、一見さんはお断りどす」という週刊文春の記事は、京都の老舗料亭がミシュランに反発しているというような内容だった。これに対して、わぐりさんの記事では、京都嵐山吉兆の徳岡さんや菊乃井店主の村田さんがこれを否定している。で、このお二人は今回三つ星シェフの仲間入りをした。瓢亭の高橋さんはミシュラン掲載を断ったというが、意に反して掲載された。でもちゃんと出版記念パーティーには出席している。これは大人の対応だとは思うけれども、京都の三つ星のラインナップを見ると、なんか腑に落ちない気がするのは僕だけだろうか。というか、この3店はやはり抜けているのだろう。
ミシュランで星を取りそうな店には、発表前に行っておきたかった。候補に挙げていたものの、結局行けなかった店も多い。その中でも、いくつかの店が星を獲得した。菊乃井 本店は三つ星、祇園 さゝき、たん熊 本家は二つ星、上賀茂 秋山は一つ星。それからこっそり狙っていた店、前回の京都訪問で振られた店も星を取った。いっしん、和久傳、京星など。やはり先に行っておきたかった。大阪のハジメは評判通り三つ星。こういう店は、今後予約が取りづらくなりそうだ。
でもよくよく考えると、狙っていた店は他にもたくさんあった。旅館が星を獲得したと聞いて、真っ先に浮かんだのは俵屋だった。イル・ギオットーネも星取る前に行こうと思って、未だ行けてないのだが、今回の選からは漏れた。ミシュランが出る前から何度も振られている祇園 さゝき。これ以上予約取れなくなったら、東京から行くのは大変だ。
東京版もそうだが、京都・大阪版も、僕が知らない店がたくさん掲載されている。次回の京都はミシュラン片手に行こうと思う。京都は観光都市なので、ミシュランとの親和性は高い。来年は外国からの旅行者も更に増えて、予約が取れない店が続出するのではないかと今から心配だ。