温泉街散策 野沢温泉

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バスの中で寝たりおきたりしていると、いつの間にか雪が降り出していた。バスはちょっとした駐車場のような場所で止まった。サービスエリアでもなさそうだし、なんでこんな場所で止まるんだろうか。「ここで降りてください」。運転手さんに言われるまで、ここが目的地だということが理解できなかった。駐車場のような場所は中央ターミナルだったのだ。外に出るとけっこう激しく雪が降っていた。しかもここからホテルまで歩いていくという。外はかなり寒い。セーターの上にフリース、その上にダウンジャケットという万全の態勢で臨んだ。東京とは気候がまるで違うので多少は面食らったが、これだけ着込めば問題はない。ホテルまで10分くらい歩いただろうか。
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大湯
バスは中央ターミナルまでしか来ない。これを不便と思うかどう思うかは各人の見識による。歴史ある温泉地でもダメになってしまったところは多いが、たいていはバブル期に団体さんを抱え込んで自ら魅力を失ってしまった。温泉を守ることを忘れ、温泉文化も途絶えてしまったかに見える。野沢温泉は地元の人たちによって守られてきた。ホテルに大型バスが横付けできないというのも重要なポイントではないか。全員中央ターミナルから歩かせる。それでいいと思う。
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麻釜
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ホテルに着いて一休みした後、全員でホテルの近くの麻釜(おがま)まで歩いて行った。麻釜は90℃以上の熱湯が絶えず噴き出す泉源。昔から麻釜のお湯で野沢菜や山菜、玉子などをゆがくと風味が出るということで地元の人たちに利用されてきた。その光景は信州の風物詩ともいえる。
温泉街には30ほどの源泉があり、無料で利用できる外湯が13ヵ所もある。外湯は江戸時代から続く「湯仲間」という制度により地域住民の手で維持管理されている。地元の人が電気代水道代等を負担し、当番で清掃もしている。大変な労力だが、そのくらいしないと温泉は維持できない。昔からずっと、温泉を維持する努力を続けてきたということだ。
野沢温泉の泉源はすべてが自然湧出。たぶん「掛け流し」の次のキーワードは「自然湧出」か「外湯巡り」になるのではないか。それが自然な流れだし望ましい傾向のような気がする。「自然湧出」も「外湯巡り」も昔から温泉資源を大切に守ってきた土地にしか存在しない。掛け流しの温泉に注目した人たちが、最終的に行き着くのは野沢温泉のような温泉地になるだろうと思う。
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十王堂之湯の茹釜
13ヵ所の外湯はどれも同じではない。かなりいろんなタイプがあるようだ。大湯(おおゆ)は温泉街の中心にあり、野沢温泉のシンボルともいえる温泉。湯屋は江戸時代の趣を思い起こさせる美しい建築だ。河原湯(かわはらゆ)は大湯の少し下にあり、地元の人に大湯以外のオススメを聞いたときにも真っ先に名前が上がった。少し離れたところにある真湯(しんゆ)も捨てがたい。ここの湯花は黒色なのが特徴。この色は成分に含まれるミョウバンによるものだそうだ。
麻釜から河原湯をへて、いくつか外湯を眺めながら十王堂之湯まで来た。十王堂之湯には玉子の茹釜があった。営業用でなければ誰でも利用できる。観光客でも自由にこの中に玉子を入れて温泉玉子を作ることができるのだ。その隣には温泉と洗たく場などもあった。十王堂之湯の前の坂を上がると、道祖神碑が立っていた。長野パラリンピック冬季競技大会では、道祖神の火が聖火、社殿が聖火台となった。
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長野パラリンピック聖火台
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道祖神祭りの社殿の模型(おぼろ月夜の館)
道祖神祭りは各地にあって、それぞれ多彩な内容で祭りが行われている。その中でも野沢温泉の道祖神祭りは特に壮大な規模で知られ、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。毎年厄年の男たちはブナ材で巨大な社殿を築く。1月15日の夕方には、火元の家で「火元貰い」の式があり、この松明の火が祭場に運ばれ、村の男たちが社殿に火をつけようとする。厄年の男たちは火消し役となりこれを防ごうとする。1時間にも及ぶ激しい火の攻防の末、最後には社殿に火が放たれ、巨大な社殿が炎上する。こんな凄い祭りを毎年やっている野沢温泉、ただごとではない。日本各地に祭りは数あれど、これほど雄大な祭りは少ないだろう。さすが日本三大火祭りといわれるだけのことはある。
その奥におぼろ月夜の館があった。おぼろ月夜の館は、「春が来た」「故郷」「朧月夜」などの作詞で有名な国語学者高野辰之博士の業績をたたえた記念館。道祖神祭りの資料やビデオ上映などもされていて休憩場所にもなる。麻釜からここまでのんびり歩いても15分もあれば着いてしまう。外湯散策の初日としてはちょうどいいコースだった。
長野県スキー場情報総合ポータルサイト
NAGANO SNOW LOVE. NET

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