ボンシュマン 学芸大学 フランスレストランウィーク

フレンチ

ボンシュマン
フランスレストランウイークの最終日、まだ予約をしていなかったので、あわてていくつかの店に連絡をしてみた。フランスレストランウイークは、全国544店舗のフレンチレストランで、ランチ2,012円、ディナー5,000円という低価格の特別コースを提供する。普段フレンチを食べない人にも気軽に楽しんでもらおうという企画だ。レストランウイーク用に席を確保している店もあるので、直前であってもキャンセルが埋まっていない可能性がある。まずはベージュアランデュカスに電話してみた。昼は空いていたが、夜は満席。おしい。昼は僕も予定があるので、夜じゃないとダメだ。いくつかの店に電話して、唯一席が取れたのが、ずっと気になっていた店「ボンシュマン」だった。レストランウイークのHPでは募集締め切りになっていたが、たぶん直前でキャンセルが出たのだろう。いいタイミングで2席だけ空いていた。


鴨の生ハム
鴨の生ハム
フォアグラのブリュレ
フォアグラのブリュレ
自家製パンと豚肉のリエット
自家製パンと豚肉のリエット
ボンシュマンは、通常でもかなり安い店だ。一番高いシェフのおまかせが8,700円、その他に6,500円と4,900円のコースがある。レストランウイークは全店同価格なので、高級店に行くのが上手な使い方なのかもしれない。でもレストランウイークの「気軽にフレンチを楽しむ」というコンセプトを考えると、ボンシュマンのような地元の人が普段使いしている店こそ、この機会に行っておきたいと思った。
東横線の祐天寺駅で下りて、住宅街をしばらく歩いていく。居酒屋などが並ぶ、やや大きめの道路の信号の先に、煌々と明るい光を放つ店がある。ここがボンシュマンだった。入口のドアは壊れているそうで、「右側のドアには触らないで下さい」というようなことが書かれていた。張り紙の感じからすると、昨日今日のことではなさそうだ。入店時にそんなものを見ても、不思議と悪い気はしない。この店は、正直に書くけど、皿が欠けていたりとかそういうところもある。でも店も客もあまり気にしてないようだ。この緩い雰囲気がいいんだろうなあ。店内は近所に住んでいると思しき客ばかりだった。ご年配の夫婦や、若い夫婦もいる。特別な日に来る店というよりも、近くの人が時々使うような店なのだろう。安くておいしい料理を食べることができる店として、地域で愛されているように感じた。
店内は非常に明るく、南欧風の白壁塗りの内装がかわいい感じ。鏡やガラスをうまく使って、空間に広がりを持たせている。席の間隔もゆったりとしていて、小さな店ではあるが、狭さを感じさせない工夫がなされている。
そもそもレストランウイークでなくても安い店なので、今回のメニューのどこがお得なのか、サービスの方に聞いてみた。レストランウイークのディナーが5,000円で、ボンシュマンの通常メニューが6,500円と4,900円なんだから、どういう位置付けなのか確認しとかないと。「使用している食材からすると1,000円程度は割安の値段設定だと思います」とのこと。そうすると、6,500円のコースとほぼ同等と考えていいのだろうか。
鯖のマリネ
鯖のマリネ
カマスのポワレ
カマスのポワレ
川俣シャモ ビネガーのソース
川俣シャモ ビネガーのソース
ハウスワインの白はグラスで800円。とりあえずこのへんから始めることにした。乾杯をしていると、ご主人が鴨の生ハムを持ってきてくれた。特に名乗りもせずに皿をもってきただけなので、挨拶をしに来たというよりも、どういうお客さんなのか様子を見に来ただけらしい。
これはすごく大事なことだと思う。個人の好みまでは分かるはずもないが、少なくとも年齢や性別である程度、味付けの設定はできる。もちろん、夫婦なのか恋人同士なのかは見れば大体分かるし、こういう情報はサービスにも影響する。厨房に入ったきりのオーナーシェフとしては、一皿持っていくついでにこういう感覚を得るのは大切なことなのだろう。
アミューズは、フォアグラのブリュレ。パンは自家製で、豚肉のリエットをつけて食べる。このパンは丸く小さなパンで、素朴な味なのでけっこう食べてしまう。パン自体が主張しないので、どの料理にもよく合うのがいい。
神戸の鯖のマリネ。香草のソース、なすのソース、赤かぶなどがのっている。フレンチで生の鯖がメインの皿というのは、記憶にない。確か、いろんな魚介が入ったサラダの中に小さな鯖が入っていたことがあったが、それも皮目を炙っていたような気がする。鯖は鮮度に問題があるので、なかなか使いづらい食材だ。この鯖は新鮮で肉厚があり、脂がのっておいしかった。
このへんで2杯目のワイン。この後も魚ということなので、もう1杯白ワインにした。先ほどとは違うグラスで1,000円のものだ。この店は料理もワインも安い。近所の人が使いやすい店だというのがよく分かる。
カマスのポワレ、地鶏の川俣シャモ、ビネガーソース。コッテリソースの2品が続く。地鶏は骨付きがあるということで、フィンガーボールが用意されていたのだが、骨付き肉は入っていなかった。入れ忘れたのかどうなのか、よく分からない。
抹茶のグラマンジェ
抹茶のグラマンジェ
ババロア
ババロア
塩キャラメルのマカロン
塩キャラメルのマカロン
デザートは、抹茶のグラマンジェか、ババロアを選ぶことができる。僕はババロアにしたが、これはなかなかの美味。食後はコーヒーや紅茶などを選ぶことができる。最後に塩キャラメルのマカロン。更に、レストランウイークのお客さんにということで、帰りにビスケットをいただいた。
ボンシュマンのように、普段とあまり変わらない内容で、レストランウイークが設定したコースが組める店は少ないかもしれない。このくらいの値段であれば、時々は利用できる。こういう店が近くにあると、ぼくも通うんだろうなあ。

■店名:ボンシュマン
■住所:東京都目黒区五本木2-40-5 Beat101
■電話:03-3791-3900
■営業時間:11:30-14:00(L.O) 18:00-21:30(L.O)
■定休日:水曜日

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