サントリーさんから、クラフトバーボンを楽しむ会のお誘いをいただいた。クラフトバーボンというのは、最高の材料を使用し、仕込みや蒸溜、貯蔵までこだわり抜いて作られたバーボン。禁酒法以前の力強いバーボンを復活させたいとの思いから生み出されたものだ。
会場は西麻布のシガーバー「COHIBA」。雨だったからか、僕が着いた時にはまだほとんど人がいなかった。店内は赤を基調とした内装で、家具などの調度品はかなり凝っていて雰囲気がある。キューバ葉巻の最高級ブランド「COHIBA」の公式ライセンスショップというだけあって落ち着きのある店だ。
テーブルには人数分のテイスティンググラスが用意されていた。クラフトバーボンの会は、まずはセミナーからはじまった。
テーブルの上に並ぶクラフトバーボンのグラス。それとは別に角瓶、ジムビーム、ワイルドターキーの3つのグラスが用意され、それぞれ飲み比べることになった。
再発見したのは、角の飲みやすさだった。それぞれ同じように飲んでいるつもりでも、いつの間にか角だけが減っている。ジムビームは角よりも強く、ワイルドターキーはさらに飲みごたえがある。それぞれの旨さがあるが、家飲みにするならやはり角かもしれない。
続いてハイボールが運ばれてきた。一つは角瓶でもう一つはジムビームで作ったもの。ジムビームはオレンジがよく合う。ストレートと比べると、かなり飲みやすくなった印象だ。最近はいろんなウイスキーを使ったハイボールがあるが、ジムビームもそのバリエーションに加えるべきだと思う。
お待ちかねのクラフトバーボン。まずはビーム家の歴史を学びながら一つずつ飲んでいく。「ジムビーム」で有名なビーム家は、代々バーボンを造ってきた。200年以上にも及ぶ長い間、アメリカンウイスキーを牽引してきた名門だ。
ビーム家はクラフトバーボンの製法を門外不出にしているが、最高品質のコーン、天然水、創業時から200年以上にわたり自家培養してきた酵母を使う、ということは分かっている。ちなみにバーボンウイスキーというのは、トウモロコシを主原料にしたウイスキーのことだ。
6代目ブッカー・ノーは、禁酒法以前の力強いバーボンを復活させたいとの思いから、受け継いだ技術を更に進化させ技術革新に取り組んだ。クラフトバーボンというカテゴリーはブッカー・ノーから始まったものだ。
この日用意されたクラフトバーボンは、KNOB CREEK(ノブクリーク)、KNOB CREEK SINGLE BARREL(ノブクリーク シングルバレル)、BOOKER’S(ブッカーズ)、BAKER’S(ベイカーズ)、BASIL HAYDENS(ベイゼル ヘイデン)の5種類。
「BOOKER’S(ブッカーズ)」は、ブッカー・ノーの最高傑作であり、プレミアムバーボンの頂点に立つ逸品。7代目のフレッドによると、「父がビーム家主催のバーベキュー・パーティーで賓客だけに振る舞いつづけるうち、あまりにも評価が高いので製品化した」ものらしい。確かにこのバーボンは味わいがある。味に深みがありながら重くはなく、フルーティーな中に独特のほろ苦さがある。ブッカーズはかなり気に入って何杯飲んだか分からないほど飲んだ。
もう一つ、僕が気に入ったのは、「KNOB CREEK SINGLE BARREL(ノブクリーク シングルバレル)」だ。シリーズの中でも最も長い9年を超える熟成。ブッカー・ノーが、禁酒法以前の「本来あったバーボンの姿」を目指して復刻したもの。ラベルの新聞紙は、禁酒法時代にボトルを新聞紙に包んで隠し持っていたことにちなむ。平たいフラスクボトルもブーツに隠しやすい形なんだそうだ。このシングルバレルもたぶん4杯くらい飲んだと思う。これは家でも飲もうかなと思うほどのお気に入りだ。
それからもう一つよかったのは、「BAKER’S(ベイカーズ)」。これは一番パンチが効いていて、ストレートで飲むのに最適。バーなんかで最後にクッっと飲んで帰るのにいいかもしれない。
5種類とも個性があって、ウイスキーが好きな人なら、いくつか気にいるのが必ずあると思う。僕が個人的に気に入ったのはこの3つで、特にブッカーズとシングルバレルは常に家に置いておきたいほどのお気に入りだ。
ウイスキーはハイボールブームなんかもあって、かなりファンが増えている。そこから本格ウイスキーに移る人もたくさんいて、そんな中で人気が出てきているのがバーボン・ウイスキーだ。中でもクラフトバーボンは生産数が少ないプレミアムなバーボンということもあり、これから人気が出るのは間違いないと思う。
※この日の料理は近くの飲食店が作ったものでした。
■COHIBA(西麻布)
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