新型コロナの影響でしばらくは過去記事です。博多の「御料理 古川」。福岡県出身のご主人は大阪の「味吉兆」で13年修行し、「味吉兆 ぶんぶ庵」では板長を務めた。福岡に帰ってきて、御料理 古川をオープンしたのが2018年7月。次の年の「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎 2019 特別版」で2ツ星を獲得している。
前半で出される美しい八寸は、この店の名物。これが出てきた時の高揚感と期待感はこの上ない。その後も、カウンターの上で鮎を焼いたり、すき焼きが出たりと、あの手この手で楽しませてくれる。
ご夫婦が卒業した料理専門学校の生徒さんを現場実習で受け入れていたり、博多織、大川組子、久留米籃胎漆器、博多曲げ物など地元福岡の「ものづくり」を積極的に取り入れ、同世代の作家の方の作品も使用している。福岡でこそ表現できる日本料理の可能性を追求しているそうだ。
この日は帰省途中に立ち寄ったので、大きな荷物を持っていた。博多駅から歩くと15分くらいかかるので、タクシーで来ればよかったと後悔したものだ。それだけに入り口のところで奥様に心のこもった対応をしてもらったのはとても嬉しく、これだけでファンになってしまうほどだった。夫婦で店を営んでいて、料理もサービスも素晴らしいという店は珍しい。ここ数年で最も印象に残った店のひとつだ。
「夜のおまかせ」は、10,000円と15,000円。「昼のおまかせ」は6,000円。今回は夜の15,000円にした。
満月だったので、満月のイメージ。毛蟹とほうれん草。
はもと松茸の土瓶蒸し
お造り。鯛は玄界灘、天草のサワラ、アオリイカは3日寝かせている。醤油と塩麹を使う。器は信楽焼の作家さんで、ご主人と同い年の澤克典氏作。
旬の食材を美しく盛り付けた八寸は特に印象的
焼き物は落ち鮎(子持ち鮎)。蓼酢でなくでキュウリと大根の緑酢。
宮崎牛のすき焼き。
柿なます。ごまペーストの酢の物
松茸の炊き込みご飯。出汁をかけて食べる。松茸を追加してくれた。
潮汁
梨(幸水)とメロンのゼリー。安納芋。
■店名:御料理 古川
■住所:福岡市博多区住吉3-9-2
■電話:092-409-6113