2010年02月09日

プレサレの会 大手町 リヨン

フレンチガイドの嶋さんから、「プレサレの会」の案内が来ました。「悶絶するほど旨いプレサレと、それに合うワインを用意しています」とのこと。プレサレも食べてみたいけれども、嶋さんセレクトのワインも楽しみです。

プレサレ
フランスの沿岸では、潮の満ち干きで牧草地が長期間海に沈むところがあります。そこで塩味を含んだ牧草を食べて育った羊肉のことを、プレサレといいます。塩分などのミネラルを含んだ牧草で育った羊は、生前から下味がついたような状態になります。数が少ないので高価ですが、フランスでも最高の羊肉の一つと言われています。preは「草原」、saleは「塩」の意味。 元々は塩気を含んだ草原のことのようです。

この日、プレサレを東京で食べることができるのは、リヨンだけだったそうです。(今年、取り扱う予定の店があるそうです)。生産量が少ないので希少な肉ですが、肉質がよく、羊肉の最高峰と言われています。この日用意されたのは、オーストラリア産のプレサレ。プレサレとは、元々フランスのブルターニュ地方やノルマンディー地方あたりに点在する低湿地帯のことだそうですが、同じような条件で育った羊は他の国にもいます。最近では産地は関係なく、塩味を含んだ牧草を食べ育った子羊をプレサレと呼んでいるようです。

肉質は柔らかく脂身が多い肉でした。その脂身も癖がなく比較的食べやすい。「肉に塩気がある」との感想を持った方もいるようですが、味付けに塩をきかせているので、僕には判別が難しいと思いました。これが子羊の最高峰と言われる肉。次に食べるのはいつになるでしょうか。現在フランスからの肉の輸入は停止されているので、特に本場フランス産のプレサレは食べる機会が非常に少ないと思います。

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その他にもいくつか料理が出されました。アミューズからはじまり、ホタテのグラタン、アイナメのポワレ。デザートは、リンゴの熱々パイにヴァニラアイス。飲み物はシャンパンと赤白、嶋さんオススメのワインが4~5種類ほど出されました。

料理だけで9,000円ということで、ワインを入れると20,000円弱の会費。かなりの高額ですが、プレサレは希少性の高い肉ですから、食べれる時に食べておかないといけません。今後もこういう機会があれば思い切って参加させてもらおうと思います。 ※くにろぐにも書いています。

2009年12月16日

ビストロ ブノワ 青山 新メニュー試食

青山のビストロブノワは、11月にメニューと価格の改定を行った。今回の改定では、パリのブノワ本店と同様のメニューを導入し、よりビストロらしくするという。ブノワは質の高い料理を出すビストロとして人気だが、もっと気軽に利用できる店になるという選択肢もあるとは思う。僕はその方がありがたい。そんな中、ブノワの方から、新メニューを食べにきて欲しいというメールをいただいた。これは願ってもないチャンスだ。ブノワの本店はパリで最も古いビストロ。本場のメニューとは、どんなものなのだろうか。

サバのマリネ

“コルベール”鴨のテリーヌ

野菜と豚バラ肉のココット仕立て
ブノワには何度か足を運んでいるが、最近はフードフランス関係ばかりだった。ブノワの料理は小島景氏がシェフに就任した時の、オープニングレセプション以来だ。その時はまだバタバタとしていて、小島シェフの思い通りの料理が出せていないような気がした。あれから1年、どのように変わったのだろうか。小島シェフといえば、モナコのルイ・キャーンズでスーシェフを努めた人物。あのアラン・デュカスが史上最年少でミシュランの三つ星を獲得した店だ。

新しいメニューは3コース。本日のディナーメニューは、前菜+メイン+コーヒーで、3,600円。プリフィックスメニューは、それにデザートが加わり、更に前菜は5種類、メインは4種類の中から選ぶことができる。プリフィックスは、前菜が1品の5,800円と、2品の6,800円の2種類ある。価格はかなりリーズナブルになったようだ。ワインもグラスで650円~、ボトルワインが2,900円~と安くてお得感のあるラインナップ。よりビストロっぽいメニューにするという意図は十分に感じられる。

前菜が2品選べる6,800円のメニューにした。まずは前菜。僕は“コルベール”鴨のテリーヌと、野菜と豚バラ肉のココット仕立て。同行者はサバのマリネ マスタード風味をチョイス。鴨はシャラン産コルベール鴨(青首鴨)。さっぱりとしておいしい。カリカリのパンが付くのだが、このパンもなかなかうまい。付け合せの焼きリンゴもいい。これはタルトタタンのイメージだそうだ。野菜と豚バラ肉のココット仕立ては、豚肉は少しで野菜がメインの皿だ。鎌倉野菜はブタのソースと絡めて食べると、うまい。

この野菜は小島景シェフが市場で買ってきたものだ。小島シェフは毎朝、鎌倉の市場で野菜を買って、店まで電車で運んでいるという。メインの食材は自分の目で見て、納得のいくものを使いたいということなのだろう。それを毎日続けるのは大変なことだ。そういえばデュカス氏も鎌倉の野菜はいいと以前スピーチで言っていた。カブもセロリもうまいし、ニンジンも甘味が豊富。温かい洋ナシもいい。適度な脂身とソースの甘辛さもいい具合。完成度の高い料理だ。

スズキのソテー

帆立貝のグルノーブル風とクルジュ

洋ナシのコンポート
メインはスズキのソテーとフヌイユのコンフィ ソース ベアルネーズ。これは+500円で注文できる。同行者は、帆立貝のグルノーブル風とクルジュ。スズキのポワレ、アンディーブとアニス(ういきょう)。ベアルネソースは、卵黄を使ったマヨネーズに似たソース。古典料理を代表するソースだ。ちょっと酸味があって、うまい。

帆立貝のグルノーブル風とクルジュも味見させてもらった。クルジュは、クルジェット(ズッキーニ)を摘まずに成長させたもの。そのまま伸ばしていくと、色も味も変わっていくそうだ。これはルイ・キャーンズには欠かせない食材となっている。かぼちゃとズッキーニの間のような味で非常にうまい。小島シェフは鎌倉の農家から仕入れているそうだ。

デザートは7種類から選ぶことができる。洋ナシのコンポート “ベルエレーヌ”にした。半分に切ったガラスのボウルのような器に入れられ、周りに温かいチョコレートソースをかけてもらう。食べ進むと全体が混ざってきて、温かいチョコと、冷たいバニラアイス、生クリームなどが合わさり不思議な感覚になる。チョコは苦めで、甘いのは洋ナシだけ。甘さ控えめのデザートだ。チョコの存在感が抜群でインパクトがある。これはすごく満足感があった。

ビストロ ブノワ
スコットランドに行った時、どの店もメニューは前菜とメインとデザートというシンプルな構成だった。ナイフとフォークを気軽に使う感覚がなんともいい。日本でナイフとフォークを使うのは、かしこまった店ばかり。日本でも力の抜けた感じで食べれるビストロはないだろうか。気軽に使えて、料理の質が高く、でも値段はそこそこという、普段使いできるビストロが欲しかった。ブノワは今回のメニューと価格の改定で、よりビストロらしい店に生まれ変わった。僕のイメージしていたビストロに近い形だ。

品数は少ないがボリュームは十分。さっぱりと食べることができて、しかも満腹になった。食後感は最高だ。最近フレンチを食べると、肉でもたれたり、デザートでだるくなるようなことが多かった。ブノワの料理は、適度な量と控えめな調理で、日本人の口に合っているように思う。

帰ろうとして階段で振り返ると、遅い時間なのにまだお客さんがいっぱい残っていた。ずいぶん会話が盛り上がっているようで、誰も帰ろうとしない。ざわついた店内は居心地がいいし、サービスも気さくでとても楽しい。長居してしまうのも分かる気がした。ブノワはいい店になってきた。価格も下がってリーズナブルになったし、今後は気軽に使えるビストロとして活躍しそうだ。

■店名:ビストロ ブノワ(BENOIT)
■住所:東京都渋谷区神宮前5-51-8 ラ・ポルト青山 10F
■電話:03-6419-4181
■営業時間:11:30~16:30(L.O14:30)、17:30 ~23:30(L.O21:30)
■定休日:無休

東京都渋谷区神宮前5-51-8

2009年11月11日

ガストロノミー ジョエル・ロブション 恵比寿

恵比寿ガーデンプレイスにあるガストロノミー ジョエル・ロブション。20世紀最高の料理人と称されるフレンチの巨匠、ジョエルロブション氏の店だ。ミシュランでは2年連続三つ星を獲得。三ツ星を狙って確実に取れる店、そんな印象を受けた。三ツ星の中でも抜群の安定感と、満足感。当分NO.1の座は揺るぎないと思う。

オシェトラキャビア  根室産毛ガニ

特選生ウニ3変化

卵黄とほうれん草のラヴィオリ
最初に出てきたのは美しい前菜。オシェトラキャビア 根室産毛ガニ。キャビア の下にはカニとブロッコリーのソース。こんなにうまい前菜食べたことないというほどに、うまい。前菜で、なんとなくその日の様子をうかがうのが習慣になっているが、久々にうなってしまうほどのうまさだった。

特選生ウニ3変化。左側はコーヒーの香るロブション風ピュレ、右は桜エビの香るフランとフヌイユのヴルーテ、中央は自家製海藻塩でマリネしたキュウリと大根のロール。キャビアと毛ガニの次は、ウニ。序盤といえどさすがに隙のない品が並ぶ。

卵黄とほうれん草のラヴィオリと茨城県産舞茸。この舞茸はうまい。食材もかなり厳選していることがうかがえる。ラヴィオリをめくると、中から半熟の玉子が流れ出てきた。パセリの泡のソースも爽やかでいい。これもうまい。斬新でありながら、ものすごく安定感のある皿が続く。

活ホタテ貝のポワレ ブロッコリーのスムール仕立てとホタテのトリップ添え

ゴルゴンゾーラ

ゴルゴンゾーラ
活ホタテ貝のポワレ、ロッコリーのスムール仕立てとホタテのトリップ添え。生姜の香る海のヨード。ホタテ、ブロッコリーの葉と茎を別々に調理している。カプチーノは昆布ダシ。日本だからなのか、ロブションではダシのソースを多用している。

また妖しく美しい器が運ばれてきた。ゴルゴンゾーラピカンテのロワイヤル仕立て、セージの香るポワールとトマトコンフィ。洋ナシのコンポート、ゴルゴンゾーラの香りと塩気がいい。

キンメとホウズキのコンディモン

特選和牛

旬の野菜
キンメとホウズキのコンディモンとヴェルヴェーヌオイル添え。キンメはカブの香りをまとわせながら蒸し上げている。3種類のカブのソテーは、カブをダシのソースに絡めて食べる。これは、うまい。厚切りのキンメの焼き加減は完璧。フレンチでこういう焼き魚を食べるとほっとする。フレンチは焼き魚に気をつけないといけないと思う。日本人は焼き魚に結構うるさい。日本には、居酒屋から高級料亭まで、面白い焼き魚を出す店がたくさんある。焼きの技法を誇るだけのフレンチでは、日本人を満足させられないのではないだろうか。このキンメの焼き方を見ると、ロブションが和食を尊重していることがよくわかる。日本の食材、ダシのソースなども見ても同様だ。

特選和牛のグリエ、黒コショウのクリスタリーヌ、本しめじのベニエ、レフォール入りマスタード添え。和食のような一皿。衣揚げは塩気を強くしてバランスをとっているが、この揚げ物は水準以下。マスタードはワサビを模しているのだろうか。肉はたった一切れだが、これ以上は食べ切れそうにない。フランス人の感覚だと肉はもっと大きくなるが、この量は日本人向けだろう。これまで少量ずつ料理が出てきたが、全体的にソースがややコッテリ系なので、この辺でお腹もいい感じになってくる。

旬の野菜、優しくミトネしたモロッコ産アルガンオイルの香るクスクスとともに。缶詰をイメージしたおもしろい器。野菜はあたたかく、おいしい。アルガンオイルをつけて食べると、しっとりとする。この辺でシメなのかなと感じされる一品。

ルビーグレープフルーツ

ココナッツのクーリ

スイーツワゴン

飴
ルビーグレープフルーツ、グラニテを生姜の香りとともに。グレープフルーツでさっぱりとする。食事の最後の旬の野菜、デザート直前のグレープフルーツ。こういうものは、コースのアクセントになるので意外と大切。ロブションはこういうところを外さない。斬新な料理、面白い料理もあるが、常に高いレベルを保って、やり過ぎない。ポテンシャルは高いのに、そのレベルでは出さず、ある範囲内にきちんと収めることを知っている。ロブションは三つ星を狙って取っているんだということがよくわかった。

ココナッツのクーリ、エキゾチックなソルベにフレシュパパイヤとパッションオイル。ココナッツはなめらかクリーミー。甘さは控え目にしている。ワゴンは何種類もあるようだ。今回はチーズワゴンは断って、デザートをいただくことにした。スパイシーチョコ、マンゴーとゆずのチョコ、生キャラメル、ココナッツとパッションフルーツのメレンゲ、オレンジのキャンディ。

最後のコーヒーはうまかった。サービスのデザートプレートもいただいたので、コーヒーは2杯も飲んでしまった。食後のコーヒーは非常に重要。これを軽視している店が多いのが残念だ。最後に煮詰まった不味いコーヒーを飲まされるほど、不幸なことはない。やはり最後はコースに相応しいレベルのうまいコーヒーが飲みたいものだ。金太郎飴にはmerciの文字が入っていてかわいい。

恵比寿ガーデンプレイスの一番奥に位置するシャトーレストラン。1階はラ ターブル ドゥジョエル・ロブション。2階はガストロノミー ジョエル・ロブション。3階は個室になっている。ディナーのコースは、22,500円と36,000円の2種類。36,000円のコースの皿数を減らした26,000円もある。今回は26,000円のコースでお願いした。ワインは料理に合うオススメが赤白3つずつグラスで2,500円、3,800円、4,800円。サービス料は12%、3階の個室は15%だ。この金額だけ見ると、かなりの高額だが、食後の満足感は高い。帰り際にお土産の紙袋を渡された。中身は焼き菓子。料理だけでも大満足なのに、この徹底した心遣いはすごい。ここは記念日に行けば、絶対に間違いのない店だと思う。


■店名:ガストロノミー ジョエル・ロブション (Joel Robuchon)
■住所:東京都目黒区三田1-13-1 恵比寿ガーデンプレイス シャトーレストラン ジョエル・ロブション 2F
■電話:03-5424-1347
■営業時間:11:30~14:00、18:00~21:30
■定休日:不定休(恵比寿ガーデンプレイスの休日)

東京都目黒区三田1-13-1

2009年11月09日

キュイジーヌ[S] ミッシェル トロワグロ 新宿

ここ数年は、今までにないほどフレンチを食べに行った。ミシュランの三つ星は全て、二つ星もいくつか訪問した。その中で僕が一番気に入ったのは、キュイジーヌ[S] ミッシェル トロワグロ。この店がなぜ三つ星ではないのだろうと、理由を探してしまうほどだ。料理はおいしく、美しかった。日本人が好む、素材を活かしたシンプルな調理がいい。今月ミシュランが発売される。新たに三つ星に昇格する店があるとすれば、候補にあがるのはこの店ではないだろうか。

蛤とキャビア りんごとバジルのジュレ

前菜

前菜
少し早めに着いたので、入り口近くのソファで待つことにした。ここからはガラス張りの厨房が丸見えで、中の様子を観察できる。フランス人が二人と、あとはかなり若い日本人が数人。話しながらゆったりと作業を進めている。調理は丁寧で清潔。それでいて和やか。こんな厨房もあるんだなと、好感を持って眺めた。

前菜は2品、細長いプレートとスープ。プレートには小さな料理が3品のっていた。トマトを豚の背脂で覆ったもの、ビーツの入ったレンゲ、もう一つはリンゴのスナック風のもの。味ははっきりとしているが、食後感はさっぱり。コースに期待感を持たせる効果もあり、前菜にぴったりだ。

蛤とキャビア りんごとバジルのジュレは、彩がよく、見た目がかわいい。味付けは非常に繊細で爽やか。少し塩がきいているのもいい。

鯛のポワレ モリーユ茸とアスパラガス コロナータのラルド

ラングスティーヌのポワレ 

・アグー豚のフォンダン 
鯛のポワレ モリーユ茸とアスパラガス コロナータのラルド。イカスミのソースと白ワインとツナソースが添えられている。モリーユ茸は、コロナータ産ラルドの薄いベールで覆われている。ラルドとはラード(豚の背脂)のこと。付け合せに金柑とアスパラガス。金柑の香りがよく、アスパラもおいしい。

ラングスティーヌのポワレ グレープフルーツとセロリ。春のイメージで、サッパリとしておいしい。これは最近のヒットだ。ラングスティーヌはアカザエビのこと。下に、グレープフルーツ、スライスしたセロリ、キイカのソテー、ソロゴンというハーブなどを合わせている。セロリの風味をつけたミルクのソースがうまい。海老が半生で絶妙な火加減。これは完璧な一皿。

アグー豚のフォンダン インドネシアのサテ風味 グリーンマンゴーと白菜。バラ肉を1日真空調理して柔らかく仕上げているという。皮目をカリッと炙っているのがいい。オレンジ色のピューレはインドネシアのサテのイメージ。トロワグロは、スパイスをアクセントに使うのが好きなようだ。コリアンダー、生姜、ココナツミルクと、ピーナッツを細かく刻んで風味付けにしている。付け合せは、グリーンマンゴーと生姜。生姜というよりも、これは完全にガリだ。モノマネではなく、完璧に味付けされたガリ。これには驚いた。別添えで、コンソメ、ライムジュース、マスタードのソース。角煮のようにどろっとして、皮はぱりぱり。結構脂っぽい。これは正直言って、日本人にはギリギリかもしれない。こんな脂っこい食材を良く使ったな、というほど脂っこい。でもおいしい。この食材を、うまくまとめたものだと思う。センスと技量の高さを感じた。

・フロマージュ[エルベ・モンス氏熟成]

・ショコラのビロード パッションフルーツのクリーム ココナツのソルベ

記念プレート

トロワグロ
エルベ・モンス氏熟成のフロマージュ(山羊のチーズ)。エルベ・モンス氏は、フランス最高の熟成士で、フランス国家最優秀職人(M.O.F)。モンス氏が熟成師になるきっかけの一つがトロワグロ氏との出会いだという。チーズは6種類。白カビ、ブリドモー、サンマンフラン、ブリアサワー、フルンンナンベール、サンマルサン。フルムナンベールとブリドモーにした。フルンンナンベールは18ヶ月熟成の青かび。クリーミーで、味わい深い。味と香りは今でも明確に思い出せるほど、はっきりとした個性があった。

この日は、僕の誕生日のお祝いでの訪問。ワインも泡、白、赤とボトルでしっかりと飲ませてもらった。白はローヌ地方のシラーがうまかった。料理だけだと割安感があるのに、やはりワインを飲むとかなり高額になる。僕はワインを飲みたくてレストランに行くわけではないので、ここではワインはそこそこにして、料理を楽しみたい。誕生日ということで、お店からのプレゼントもいただいた。最後は軽めのデザート。ショコラのビロード、パッションフルーツのクリーム、ココナツのソルベ。

三代にわたって、ミシュランの三つ星を40年以上も守り続けているフランスの「メゾン トロワグロ」。キュイジーヌ[S] ミッシェル トロワグロは、三代目ミッシェル・トロワグロ氏監修の店だ。父ピエール氏は銀座の「マキシム・ド・パリ」のシェフとして来日したことがあり、ミッシェル氏も子供の頃、何度も日本を訪れたという。その体験は、「ミッシェル トロワグロ」にも生きているのだろうか。トロワグロの料理は、スパイスや柑橘類をアクセントに、甘みや酸味をうまく生かしたもの。とはいえ、エキゾチックな感じは弱く、洗練された現代フレンチといった印象。ガリやあんこうなど、日本的な食材もさりげなく使用する、幅の広いフレンチだ。しかもきちんとバランスが取れていて、行き過ぎた新しさは感じない。食材を生かすシンプルな味付けと、組合せのセンスのよさが印象に残った。


■店名:キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ (Cuisine[s] Michel TRIISGROS)
■住所:東京都新宿区西新宿2-7-2 ハイアットリージェンシー東京 1F
■電話:03-5321-3915
■営業時間:11:30~14:00、18:00~21:30
■定休日:水曜日

東京都新宿区西新宿2-7-2

2009年10月27日

カンテサンス 白金

ミシュランで二年連続三つ星に輝き、絶賛の止まないカンテサンス。予約は非常に困難で、電話が通じないほどの人気だ。さすがに電話する気にはならないが、ずっと気になってはいた。そんなある日、「カンテサンス予約したんですが、どなたか如何ですか?」というお誘いを受けた。こういう店は常連さんの予約に便乗するのが一番だ。カンテサンスは、若き岸田シェフの才能が脚光を浴びる一方、人によって好みが分かれるという話もよく聞く。火入れのテクニックが素晴らしいとの評判だが、一体どんなものなのか、期待に胸を膨らませて訪問した。

店内は意外と狭く、こじんまりとしている。女性客が多く、中には騒いでいる人もいる。ミシュランの影響か、星の付いた店に行くと、よく目にする光景だ。写真撮影は基本的に不可。フラッシュがダメなのと、携帯で写真撮ると音が鳴るので、それを嫌っているらしい。ただし個室の場合は少し緩くなる。フラッシュはさすがにNGだが、個室であれば料理の撮影は問題ないそうだ。

椎茸

マティーニ風ビーフコンソメ
コースは1,6800円(税込・サービス料10%)のみ。有名な「白紙のメニュー」が渡された。要するに、コースはおまかせのみ。食材がピークの状態の時に食べてもらいたいということで、その時出せる最高の食材でコースを組んでくれる。その日の直感でテーブル毎に違う料理を提供する工夫も面白い。また、同じ客に同じ料理を出さないように徹底されているそうで、予約名で過去に食べた料理を全て把握している。そういう配慮があった上での「白紙のメニュー」。普通の店でも、常連さんが前に食べた料理くらい覚えているものだが、全ての客に対しては、なかなかできるものではない。

まずは見た目のかわいい椎茸のスライスが運ばれてきた。口に入れると、椎茸のいい香りが口内に広がる。説明によると、木を組んで作る昔ながらの製法の椎茸を使用しているという。僕は田舎育ちなので、子供の頃からそんなのは当たり前だと思っていたが、東京ではこの説明を何度も聞いた。木組に菌を植え付けて作る椎茸が、それほど珍しくなっているのだろうか。椎茸のスライスの上にはポルチーニを乾燥させたパウダーを乗せている。まず最初は軽く、センスのいい皿からはじまった。

マティーニ風ビーフコンソメは、カクテル好きな人には楽しめる。独創的というほどのことはいが、これはちょっとしたお遊び。はじめの2品で、シェフはセンスとユーモアのある方なんだということは伝わってきた。レストランでは、こういう皿を通じての会話も楽しいものだ。この日、どういう感じで料理を出していくのか、最初の皿でメッセージを投げかけているような気がする。

グレープとフォアグラ

生ハム

白アスパラ
フォアグラのコンフィには、グレープフルーツが散りばめられている。酸味がフォアグラのしつこさを緩和して、サッパリと食べやすい。自家製の生ハムには紅蓼。ピリッとしてこれも絶妙。ホワイトアスパラにはホタルイカ。肝のソースは酒飲みが好む味だ。とまあ、矢継ぎ早に出てくるのだが、説明は長々と詳しく、食材とその扱いにはかなりこだわっていることが分かる。

スズキ

鳩
スズキのローストは、徳島県鳴門で漁師をしている村公一さんが釣り上げたもの。「村さんのスズキ」として有名で、高級店がこぞって求めるという逸品だ。スズキは、切ってからローストするのではなく、ローストしてから切る。切り身にすると液体がしみ出たり、蒸発したりする。そのうまみを逃さないための工夫だ。サービスの人が「ローストした後に切るのは非常に難しいのですよ」と強調する。こういう説明は食事中のネタとしては面白いが、行き過ぎると洗脳されているような気がしてくる。焼き加減は、半生。魚にも様々な焼き方があるが、このスズキはこの焼き方がベストだったのだろうか。盛り付けも含め、ちょっと寂しい気がした。「好みが分かれる」のはこういうところかもしれない。

鳩のロースト。1分焼いては5分休めるという、低温長時間ロースト。これも高度な技法らしい。

パン

デザート
かなり量が多いと覚悟してきたのだが、この日は13品のうち、4品がデザート。このバランスであれば楽に食べれる。終盤立て続けに出てきたデザートも、サッパリと食べれるものが多く、負担にならない。考えてみると、同席した常連さんは若い女性。その人の好みで、デザートを増やしてくれたのかも知れない。

■店名:レストラン カンテサンス (restaurant Quintessens)
■住所:東京都港区白金台5-4-7 BARBIZON25 1F
■電話:03-5791-3715
■営業時間:12:00~15:00、18:30~23:00
※2ヶ月先まで予約可。受付時間9:30~11:00、15:30~17:00

東京都港区白金台5-4-7

2009年08月25日

ル・コントワール・ド・ブノワ 大阪

青山 ブノワでお会いした、大阪の「ル・コントワール・ド・ブノワ」の方からお誘いを受けていました。といっても、なかなか大阪まで行けずにいたところ、サントリー「京都 料亭 割烹特集」のため、京都に行くことになったので、そのまま大阪 ル・コントワール・ド・ブノワに寄って帰ることにしました。

ル・コントワール・ド・ブノワ
ザ・リッツ・カールトンなど、超高層ビルが立ち並ぶ西梅田。ブリーゼブリーゼのある辺りは、大阪駅周辺でも際立って落ち着いた場所です。僕らのイメージする「大阪らしさ」が見当たらないほどの洗練された地域。その中に位置する「ブリーゼブリーゼ」の最上階に、「ル・コントワール・ド・ブノワ」があります。

ル・コントワール・ド・ブノワ

ル・コントワール・ド・ブノワ
大阪割烹のスタイルに感動したアラン・デュカス氏が、大阪に作ったユニークなビストロ。その面白さはカウンターに現れています。「ル・コントワール・ド・ブノワ」の「コントワール」とはカウンターの意味。円を描くように厨房を取り囲むカウンターは、左右で高さの違う配置。右側は背の高いバーのようなカウンター。左側は低いカウンター席で、厨房の中を全て覗くことができる、まさに大阪割烹のようなスタイルです。

どちらでも好きな方に座っていいという事なので、左側の低いカウンター席に座ります。こちらの方が厨房が目の前に見えます。ディナーは5,700円、6,800円、8,000円とありますが、低い方のカウンター席は10,000円の料理長おまかせコースのみ。その日手に入った食材から着想を得て、素材ありきでシェフが料理を組み立てます。このカウンター席は面白い。厨房が全て見渡せて、何一つ隠すことができない配置になっています。まさに割烹スタイルのビストロ。アラン・デュカス氏の発想には驚かされます。

リゾット
前菜は、真っ白に泡立ったソースとウニの組み合わせ。京都では和食ばかりを食べてきたので、このソースの甘みは疲れをグッと癒してくれる効果があります。続いてフォアグラのリゾット。チーズと添えられた野菜のみずみずしさがたまりません。 ル・コントワール・ド・ブノワの野菜はおいしい。すごく生き生きとしています。

ワイン

穴子
そろそろコッテリ系の料理が出てくるということで、赤ワインにシフト。ピノ・ノワールにします。表面をカリッと焼いた穴子と野菜。これにバルサミコ酢を合わせています。これは見た目通り濃厚な味付け。添えられた野菜のうまさはたまりません。野菜は有機栽培の契約農家から仕入れるのが基本。でもそれだけではなく、産地等にはあまりこだわらず、その日手に入る最も新鮮でいい食材を厳選して使用しているとのことです。

肉
メインは肉です。子牛の背肉の部分で、柔らかく濃厚な味。焼き加減が絶妙で、脂身もおいしく調理されています。ただし、ボリュームがかなりあって、脂っこいので、この後もう何も食べれないほど満腹になります。添えられたのは季節の野菜。ル・コントワール・ド・ブノワは野菜の使い方がうまい。付け合せに同じようなものはなく、種類や調理にも気を使っていることが伺えます。

チーズ
プロバンスのシェーブルチーズ。栗の葉に包んで熟成させています。シェーブルチーズとは、山羊乳のチーズの総称。成熟させると酸味が抜けてコクが出るそうです。ちなみに葉っぱは食べれませんよと、スーシェフがわざわざ冗談を言いにきました。

デザート
デザートは桃のソース。ふんわりとおいしい。もうちょっと食べれたかなという感じですが、新幹線の時間ぎりぎりなので、あわてて退散します。

スーシェフ、ソムリエ、お店の方、ブリーゼブリーゼの方、みなさんに囲まれて、いろいろと解説付きで楽しい食事となりました。文化的な一角にあるブリーゼタワーというものすごいビルの33階。でもここは、大阪らしい気取らないビストロでした。低い方のカウンター席は、目の前で調理が見れて、そのまま料理を持ってきてくれるので面白い。反対側に明るい大きな窓のある席があって、こちらも気持ちがよさそう。夏には花火が目の前に見える個室もあります。そろそろ予約しないと来年の花火には間に合わないかもしれません。

■店名:ル・コントワール・ド・ブノワ
■住所:大阪府大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼブリーゼ33F
■電話:06-6345-4389
■営業時間:11:00~23:00
■定休日:不定休

大阪府大阪市北区梅田2-4-9

2009年05月29日

フードフランス2009-2010開催プログラム発表プティ・アペリティフ

「フードフランス2009-2010」の開催プログラム発表プティ・アペリティフが、青山の「BENOIT(ブノワ)」で開催されました。プレス向けのプティ・アペリティフだったのですが、なぜか僕のところにも招待状が来たので、参加させていただきました。

「フードフランス2009-2010」は、アラン・デュカス氏の発案で、「メディアから見落とされがちな地方で活躍する若き才能あるシェフを後押しし、伝統と風土を基本としたフランス料理の奥深さをアピールする」ための企画。今年で4年目になります。

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アラン・デュカス氏に選ばれた若手シェフの料理を、東京と大阪で食べることができるます。新進気鋭のシェフによる斬新な料理は、これからのフレンチを予感させます。地方で活躍する若手ということで、東京やパリではまだ食べることができない料理を先んじて経験できる貴重な機会です。

「BENOIT(ブノワ)」の下階にある「カフェブノワ」でシャンパンがふるまわれ、懇親会が行われました。シャンパンはバランスがよく飲みやすいローラン・ペリエ。飲むとすぐに注ぎに来てくれるので、グイグイ飲んでしまいます。

スライドを利用して、スタッフの方から各シェフの紹介がありました。地方の映像とシェフの特徴ある料理など、かなり興味深い内容。アラン・デュカス氏に選ばれた若手シェフということで、写真だけを見てもかなり期待できる料理ばかりです。

今年のフードフランスには、東京4人、大阪2人、計6人のシェフが参加します。その中で僕が気になったのは、『ムーラン・ド・カンブロン』のエルヴェ・ビュセ氏と『ラ・メゾン・ダ・コテ』 のリュドヴィック・ローランティ氏です。

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photo by フードフランス事務局

エルヴェ・ビュセ氏は、「フランスの最も美しい村」に登録されているコンクに店を構え、付近の山菜、きのこ、野草、などを料理に取り入れています。 『ムーラン・ド・カンブロン』 は、秘境にあって、自然に溶け込んだ料理が評判を呼び、ミシュラン一ツ星を獲得しています。今回はアラン・デュカス氏にも見出された、将来を期待される才能の一人です。

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photo by フードフランス事務局

リュドヴィック・ローランティ氏もミシュランで一ツ星を獲得しています。興味深いのは、フレンチではぶつ切りにすることの多いうなぎを、きちんとさばいて調理しているところ。この一皿はぜひ食べてみたい。でもローランティ氏は大阪担当なので、僕が食べに行くのは難しいと思います。『ラ・メゾン・ダ・コテ』では、奥様のプロデュースしたハイセンスな内装も印象的でした。

「フードフランス2009-2010」は、東京では、6月から来年の3月までの間、4人のシェフがそれぞれ5日間登場し、「BENOIT(ブノワ)」で開催されます。大阪では、6月から11月までの間、2人のシェフが登場します。会場は「ル・コントワール・ド・ブノワ」です。



その他のシェフの情報や、開催日程など


詳しくは・・


コチラ!


2007年06月20日

Happy Aperitif 2007!@六本木ヒルズアリーナ

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Happy Aperitif 2007に行ってきました。ハッピーアペリティフは毎年6月第1木曜日に行われるイベント。「フランス農水省が世界各国で毎年6月第1木曜日を『アペリティフの日』と提唱している」そうで、「アペリティフ」とは「食卓について食事を始める前に、飲み物とつまみで友人たちとおしゃべりを楽しむ」こと。詳しくはここをご覧下さい。公式サイトはここ

僕はアペリティフについて全然知りませんでしたが、Kisakoさんから教えてもらって、つきじろうさんあなちゃんバンヒメちゃんを誘って4人で行ってきました。元々ヒロキエさん華麗叫子さんも誘ってましたが、お仕事の都合で来れなくなってしまいました。来年は一緒に行きたいです。思った以上に楽しいイベントでしたよ☆

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受付でドリンク&フードのチケットとお皿を受け取ります。フードはほとんどがチケットと交換ですが、ドリンクはチケットがいらないものも多くありました。

人が多いのでみんなバラバラにお店を廻ります。僕はあなちゃんと一緒に行動。いろんなお店を廻って、お皿が埋まったら席に戻ります。あなちゃんのお皿がなかなか埋まらないので変だと思ったら、その場で食べていたんですね。いつも食に対する意気込みが違うなあと感心します(ほんとに)。お皿が埋まったらテーブルを確保。席が決まっているわけじゃないので、4人のうちの誰かが見つけた場所に集まります。

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祭りの賑わい。人ごみをかき分けかき分け進みます。2順目からはどこに無料のワインがあるか、どこのケーキがそろそろ焼きあがるのかなど徐々に把握できてきます。

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ドリンクコーナーには無料のワインが山ほどあります。カクテルは有料。Kisakoさんは別行動でしたが、会いに来てくれてドリンクチケットを頂きました。Kisakoさん、ありがとうございました~!

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ステージではお馴染みの方々がパネルディスカッションしてました。僕は飲み食いに夢中でそれどころじゃありませんでしたが。

【参加者】
「春は築地で朝ごはん」つきじろうさん
「あなさんの美しき日々」あなちゃん
「バンビ&ヒメ」バンヒメちゃん
「ゆる~り、ゆるゆると~」Kisakoさん