飛雁閣(ひがんかく)@銀座 3

銀座

ヒロキエさんからお誘いの電話があった。「飛雁閣の人が上海蟹の家庭的な食べ方を教えてくれるらしいよ。君もぜひ行こう」。上海蟹の食べ方は、上海に行った時にも教えてもらった。でもあれは「正しい食べ方」であって、上海の一般家庭の食べ方ではない。家庭料理としての上海蟹も興味深い。当然「はーい。行きます!」と二つ返事。なかなか面白そうな話だ。しかもロレンスさんパフェ姫かりんさんも来るという。今回は参加者も面白い。
08121801.JPG
銀座・並木通りにあった飛雁閣は、今年新しくできたJEWEL BOX GINZAに移転した。スワロフスキーが入っている、デザインが印象的なビルだ。飛雁閣には前の店舗に一度行ったきりで、今回が二度目。JEWEL BOX GINZAにもはじめて入る。店内の内装は以前にも増して豪華になった。前店舗にもあったピアノが少し奥の方に置かれ、中央には巨大な花がドンと座っている。照明はとても明るくて気持ちがいい。
08121802.JPG
九種前菜盛り合わせ
飛雁閣のFさんの出迎えを受け、話をしていると前菜が運ばれてきた。前菜は大きな皿に少しずつ盛られている。大抵は野菜とセットになっていて、どれも違うソースがかけてある。酸っぱいものや甘辛いものなどソースも様々で、食感や香りのバランスはいい具合だ。感心したのはソースのバリエーションと組み合わせの妙。これは相当にうまい前菜だ。前回よりも格段においしくなっている気がする。前回はランチで今回はディナーという違いはある。しかしこれほどデリケートな味付けだったろうか。厨房が変わったからなのか、それとも人が違うのか。一皿目から「これは前回とは違う」と認識を新たにした。
うまいものを囲むと会話が弾む。ロレンスさんのアメリカでの話や、ヒロキエさんの上海旅行の話、そしてかりんさんが大量にパフェネタを送ってくる話などで盛り上がる。「はじめから紹興酒でいく?一杯目はビールにする?」さすが酒豪ロレンスさんは飲む気まんまんだ。
08121803.JPG
紹興酒 飛雁雅酒
中国では、蟹は身体を冷やす食材と言われている。そのため上海蟹湾食べる時は、生姜湯や紹興酒など身体を温めるものを一緒に飲むことが多い。今回僕が楽しみにしてきたのが、飛雁閣の紹興酒だ。飛雁閣では長年「古越龍山」を出してきた。「古越龍山を超える紹興酒を作りたい」と自社で開発をはじめ、「飛雁雅酒」を開発。これがモンドセレクションで金賞を受賞するまでになった。以前飲んだこの紹興酒は飲み出したら止まらないほどおいしかった。しかも今日は酒豪ロレンスさんと向かいの席。かなり飲んでしまいそうな予感がする。
08121804.JPG
極薄皮ショウロンポウ
08121805.JPG
極薄皮ショウロンポウは「皮の薄さ世界一の小籠包」としてギネス申請中だそうだ。確かに見るからに皮が薄い。箸で摘もうとすると中の水分と薄皮がプルプルと震えて難しい。持ち上げるタイミングがつかめないのだ。「箸の先で薄皮を破らないように気をつけてくださいね」とFさんは言う。うーん、たしかに箸に引っ掛けて皮を破ってしまいそうだ。
ようやく持ち上げて口に運ぶと、皮がプチンと弾けて中の肉汁が口内に大量に流れ込む。ああ、この感覚はすごい。これはうまい。ただちょっと食べるのが難しいので、小さなレンゲか何かに入れて出してくれるとありがたいんだけど。
08121806.JPG
上海陽澄湖蟹の姿蒸し
08121807.JPG
08121808.JPG
ようやく本日のメイン「上海蟹」の登場。上海蟹の中でも陽澄湖産は最高級のブランドだそうだ。ここからはFさんに代わり美人社長の登場。社長さんが昔から食べてきた家庭的な食べ方を教えてくれる。通常、上海蟹の旬は10月がメスで、11月がオス。今回食べた上海蟹はメスだった。見分け方はお腹の部分が丸いのがメスなんだそうだ。食べ方は細かいところはここで説明しないので、気になる方はお店の方に聞いてみてほしい。基本的には道具を使わずに口でガブッっといくのが家庭風といったところか。
※詳しい食べ方はコチラの記事をご覧ください。
08121809.JPG
三陸産アワビのオイスターソース
4皿目はオイスターソース。これはソースがうまい。「無添加飛雁オイスターソース」は、国際優秀味覚コンクールで一ツ星を受賞した。飛雁閣は食材・調味料の専門メーカーが経営する店。それだけに使用する調味料にはこだわりがある。化学調味料を一切使わず、自社の調味料を使用することもそのこだわりの一つだ。基本の調味料から独自に開発しているというのはすごいことだ。そこまでできる店はほとんどないと思う。
08121810.JPG
ローストダックのオレンジソース添え
続いて「ローストダックのオレンジソース添え」。ローストダックがオレンジソースにここまでよく合うとは返って新鮮な驚きがある。ということは北京ダックにもオレンジソースが合うんだろうか。パリパリの皮もなかなかうまい。ソースのおかげでずいぶん食べやすいので、すぐになくなってしまう。もう少し食べたいなというところでおしまい。
08121811.JPG
金華ハムと卵白のチャーハン
この後、コース外の点心と、「伊達鶏と栗の炊き込みご飯」の代わりに「金華ハムと卵白のチャーハン」が出てきた。ジャスミンライスがパラパラになっていてとてもおいしい。中華料理の店に行くと気になるのはやはりチャーハンの出来。どんなすごい食材を使っていても、中華の場合チャーハンがダメだとガッカリしてしまうものだ。飛雁閣のチャーハンはそれぞれの具材が細かく、バランスがとれている。ご飯と一緒にふんわりと仕上げられているので、後半出てきても軽い感じで食べることが出来る。こういうところにも好感が持てる店だ。
08121812.JPG
二種の冷たいデザート
「二種の冷たいデザート」は、タピオカ入りココナッツミルクとマンゴープリン。飛雁閣といえば、ジュースでもプリンでもマンゴーがうまい。マンゴーが丸ごと入っているような独特な感覚が面白い。
【以前の記事】
飛雁閣(ひがんかく)@銀座 2
飛雁閣(ひがんかく)@銀座
■店名:飛雁閣(ひがんかく)
■住所:東京都中央区銀座8-9-15 JEWEL BOX GINZA 9F
■電話:03-3572-7111
■HP:http://www.higankaku.com
■最寄駅:地下鉄 銀座駅 徒歩3分
■営業時間:ランチタイム12:00~14:00、ティータイム14:00~16:30、ディナータイム18:00~22:00
■定休日:無休

大きな地図で見る

タイトルとURLをコピーしました