「南房総の皿までなめろうプロジェクト」 なめろう試食会

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高家神社の隣にある「千倉町者社会福祉センター」に移動し、「なめろう」と「さんが焼き」の試食&座談会に向かった。会場に入ると、既に料理の準備が着々と進んでいた。「南房総の食文化体験ツアーご一行さま」という横断幕まで用意されていて、地元の方々の期待の高さをひしひしと感じる。今回の南房総ツアーのメインは「なめろう」と「さんが焼き」。この2つを如何に観光と結びつけるか、まずは料理を食べてみて、本場のなめろうがどんなものか体験してみる。
なめろう
調理を担当するのは、地元の料理店の方々。房総の山海の幸を活かした料理や寿司を楽しめる「寿し・割烹 ちどり」(南房総市千倉町北朝夷2865/0470-44-0604)、新鮮な魚介類を使用するため、食事を予約制にしているというこだわりの宿「政右ヱ門」(南房総市千倉町忽戸497/0470-44-4071)、鯛しゃぶ料理の元祖で、漁師メシも供する宿「曳船」(南房総市富浦町豊岡952/0470-33-3760)、「泊まれるお鮨屋さん」として地元でも親しまれている「銀鱗荘ことぶき」(南房総市千倉町平舘684/0470-44-2527)の4店。南房総の郷土料理「なめろう」を次代に伝えるのは、まさにこの人たちだ。
なめろうとタコ
さんが焼き
さんが焼き
なめろうとは、アジなどの魚を、味噌、生姜、ネギ、大葉などと共に包丁で叩いたもの。包丁で叩くことで粘りが出るという。皿をなめるほどおいしいので、「なめろう」と名づけられたそうだ。ちなみに「なめろう」は魚を叩くが、「たたき」は叩かずに魚を刻む。では何故「たたき」というのだろう。そんな疑問も生じるが、ややこしいので今は考えないことにしよう。
さんが焼きは、なめろうを焼いたものだ。ホタテの殻になめろうを詰めて、漁師さんたちが焼いたのがはじまりという。アワビだけでなく、ホタテの殻や大葉やフキの葉などで代用することもある。
アワビのなめろう
なめろう
まずは、アワビのなめろう。はじめに出てきたこれが一番うまかった。コリコリとした食感と磯の香り、味噌の風味がたまらない。これは珍味だ。続いてアジのなめろう。これこそまさに酒の肴なのだが、まだ昼なので酒はない。
なめろう
水なます
カツオのなめろう
なめろうの食べ方にもいろんなバリエーションがある。氷水に味噌をまぜたものに漬けて食べる「水なます」もその一つ。氷水に浸したアジは身が引き締まり、食感がいい。涼しげな感じが真夏にはよさそうだ。カツオのなめろうは驚くほどにうまい。座談会で「カツオはそのまま食べた方がおいしいんじゃないですか?」という意見が出たほど、とにかくカツオそのものがうまい。なめろうがこれほどうまいなら、刺身も期待できる。これはカツオに限らず、アジやアワビについても言えること。素材がこれだけいいということは、刺身も相当うまいに違いない。刺身と食べ比べることで、なめろう独自のおいしさが発見できるかも知れない。これはぜひ試しておきたかった。
すりながし
すりながし
汁物で最もうまかったのが、「カツオのすりながし」だ。政右ヱ門さんが説明しながら作り方を実演してくれた。見た目が素朴なので、それほどうまそうには見えないのだが、これは食べてビックリ。めちゃくちゃうまい。これも東京で出せば、かなりウケるのではないだろうか。なめろうやさんが焼きだけではない、南房総の食は奥深い。
意見交換会
意見交換会
大量の料理が並び、テーブルが皿でいっぱいになった。それを一つ一つ、味をみながら食べ進める。最後に意見交換会として、ブロガーが気付いた点などを述べ、その後お店の方々のお話を伺った。僕が指摘させてもらったのは、この日のイベントについて、酒なしでなめろうを食べるのは、本来の食べ方ではないのではないかということ。それから、なめろうをメインにするには、何らかの工夫が必要で、従来のなめろうだけではちょっと弱いということ。
やはりなめろうはメインではなく、酒の肴だ。それもツマミの隅っこにあるパーツの一つ。ただ、隅っこにあるといっても、存在感は抜群。酒飲みが好む重要なパーツであることは間違いない。なめろうについて考えるとき、この認識がないと見誤ってしまう。特に地酒との相性が気になる。地酒と合わせることで、なめろう本来のおいしさが、更に引き立つような気がするからだ。僕としては、まず地酒の紹介があって、どの銘柄にはどのなめろうが合うかというマリアージュをぜひやって欲しかった。
ただ、なめろうを観光の目玉として考えると、たぶん酒の肴という位置づけではダメだろう。酒と切り離した、新しい何かを考えなければいけない。僕のオススメは、「丼もの」。海鮮丼の真ん中になめろうを置いて、上からタレをぶっかける。このタレに、地元の味噌や醤油などを生かした独自の調味料を使う。これは南房総に来なければ食べることができない。お茶漬けもいいかもしれない。ご飯の上になめろうを乗せて、熱々のお茶を注ぐ。これもうまそうだ。個人的にはそういうものが食べてみたいのだが、こんなの誰でも思いつくことだ。本物のご当地グルメを作り出すには、もっと奥深い洞察が必要になる。単純なアイデアだけではダメで、地域の特徴や伝統を踏まえ、今後の方向性をしっかりと見定めなければならない。
今回出た意見などを踏まえ、今後更に検討を進めるという。来年には、何らかの発信があるらしい。どういったものが提案されるのか、今から楽しみだ。

新鮮な魚介と漁師料理が魅力の南房総市!

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