ラーメン二郎はどの支店も行列しているが、行列の長さは支店によってまちまちだ。関内や神保町のようにいつも40人以上並ぶ店もあれば、全く行列がない店もある。神保町にはよく行くが、他の二郎と比べて一見さんが多いようだ。常連が多いと回転が速い。二郎の待ち時間は単純に行列の長さだけで計ることはできない。そういう意味では、三田本店は穴場だった。いつも30人くらいは並ぶけれども、回転は異常に早い。他の店舗と比べて、常連の比率が高いのがその理由だろう。ところが最近、三田本店も回転が悪くなった。しかも行列も少し長くなった気がする。この日の行列は50人を超えていた。いつものように常連さんが多く並んでいるように見受けられる。団体客がいるわけでもない。それなのに回転は遅い。何か他にも要因があるのだろうか。
ぶた入り大ラーメン750円を注文。通称、大豚。ぶた入りラーメン700円との差額はたったの50円。三田二郎は小でもかなりの量がある。小の量が多すぎて、大との差がほとんどなくなっているようだ。これはおやじさんのサービス精神だろう。感謝の気持ちを込めて、僕はいつも大を注文するようにしている。カラメ・ニンニク・アブラ。上から大量の脂を乗せてくれた。野菜はキャベツの分量が多く、2層になっている。野菜の上に豚を乗せてトッピングを聞く。野菜コールはしなかったが、豚の上に少し追加してくれた。野菜少な目の場合はそのまま出せばいい。こうやってトッピングに対応するのが二郎流だ。
しかしこの日は量が多かった。麺の量がハンパじゃない。豚はものすごい塊がゴロゴロしている。麺よりも豚の方がお腹にはくる。おやじさんのトークも冴え渡る。慶應の相撲部らしきお客さんに「慶應義塾の体育会なんていいかげんだもんな~」とからかう。「○○さん知ってるか?アイツが○○をごまかして○○したんだ。いかげんなやつだよなぁ~」。学生さんは「はぁ」としか言えない。すごく近くてすごく偉い人の話だ。店内の客は全員、この話を聞いている。おやじの独壇場。三田本店名物おやじさんのトーク。このトークが聞けるかどうかは、おやじさんのご機嫌による。聞くのがうまい助手がいる時は、乗りに乗って話をしたものだが、最近の助手さんは黙々と仕事をこなすだけで、ちょっと物足りない。このトーク、いつまで聞けるだろうか。おやじさんの顔はテカテカして、まだまだ元気そうだ。おやじさんがいるうちに、なるべく三田に通いたいと改めて思った。
ちなみに僕が聞いたおやじさんのトークで一番面白かったのが、ラウル共和国の話。目の前に外人さんが座ったので、昔の話を思い出したらしい。「前にさあ、ラウル共和国に占拠されたことがあるんだよ~。カウンターにズラ~っと並んでさあ。それで『この店はラウル共和国の消費税免除店に推薦されました』とか言うんだよ。勝手に推薦すんじゃねーっつうんだよな?(なぜかぼくを見る。ウンウンと頷く)丁重にお断りしたけどさあ。ラウル共和国ってのはどこにあるのかねえ?(と外人さんに聞く。外人さん困る)パスポート見せたらニンニクサービスってどうかね。ニンニクはもうサービスしてるか・・。じゃあブタだな!パスポート持って来たらブタサービスにしようか?え?まったくラウル共和国ってのはどこにあるのかねえ??え?どこにあるんだよ~!って感じだよなー」。こんなに乗りに乗っているおやじさんは、はじめて見た。家に帰って調べてみたが、ラウル共和国という国はどうやらなさそうだった。
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・ラーメン二郎 三田本店
■店名:ラーメン二郎 三田本店
■住所:東京都港区三田2-16-4
■電話:03-3545-5455
■営業時間:10:00~15:30
■定休日:日曜・祝日
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