京都 建仁寺 祇園丸山 2

和食 寿司

1泊2日の京都旅行ということで、時間配分が難しい。祇園丸山に昼行くのか夜行くのかというのが一つの問題になりました。昼と夜の違いは、その場で炭火焼きが出るかどうかという情報もあったのですが、実際にはお昼でもお願いすれば炭火焼をしてくれるそうです。炭火焼は祇園丸山の名物です。僕らが訪問した3月上旬だと、琵琶湖の沖ノ島でしか捕れない魚「もろこ」を是非食べて欲しいとのことでした。祇園丸山ではコチラの動画に出てくる水槽に魚を入れて、その場で捌いて炭火で焼いてくれます。京都でも、もろこや鮎などを生きている状態で捌いてその場で焼いてくれるような料亭は丸山意外にはないようです。問題は時間と予算でした。丸山は昼も夜も量的には変わらないそうです。炭火焼もお願いすれば昼でもやってくれるし、値段もこちらで指定できます。だいたい1万円~3万までの間で金額を指定して、内容は丸山さんが考えてくれます。今回は1万5千円でお願いして、焼き物などが出るかどうかは丸山さんまかせということにしてもらいました。
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半割出汁は微かに生姜がきいて香りも食感もいい。小さな卵も入っていました。この器や蓋などもかなり古いもののような気がします。蓋は漆がはげていてかなり使い込んでいることが窺えます。祇園丸山では、よく見ると絵柄が擦れている器がよくあります。古く貴重なものを好んで使っているように感じました。炊き合わせは、季節の野菜。あんきも、まな大根、海老芋、湯葉、ふきなど。地味なイメージの炊き合わせですが、この大根の旨さは相当なものです。珍味盛り合わせは、間人蟹のみぞれ、白魚の白扇揚げ、牛肉のしぐれ煮。間人蟹とは、京都の丹後半島の間人(たいざ)港に水揚げされる蟹のこと。白扇揚げとは、水溶きした片栗粉に泡立てた卵白を加え衣をつけて揚げたものです。
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ご飯が運ばれてきました。壬生菜と氷魚(ひうお)の炊き込みご飯と、お味噌汁。氷魚は鮎の稚魚のことです。山椒と紅生姜の香りがいい。香の物は、小梅、白菜、塩昆布。これだけ食べても質の高さがうかがえます。やはり丸山さんは、他の店とは違う。料理の質が高いのは言うまでもなく、それが尖って見えないのがすごいところ。家庭料理を食べているような柔らかさや安心感があります。でも食べてみると、明らかに抜きん出ている。こういう店が実は一番すごいのではないかと思います。ミシュランが好むような尖った新しさは出さないけれども、温かく迎えてくれる料理です。でも実は丸山さんの美術に関する知識や美的センスは相当なものがあります。Googleマップのビデオにも出ていましたが、やろうと思えばいくらでも斬新な盛り付けや見せ方ができる。そういうものを一番理解している料理人なのに、前面には出さず時々少しだけ見せる奥ゆかしさがいいですね。
お水ものは、キウイとイチゴとぶんたんと、ココナッツのシャーベット。そして小さな小豆のお汁粉「亀山」です。関東では、汁気があるものを「汁粉」、汁気のないものを「ぜんざい(善哉)」と言いいます。関西では汁気のあるこしあんを「汁粉」と言い、汁気があるつぶあんを「ぜんざい」と言います。そして汁気が無いものは「亀山」と言うそうです。なぜ亀山なのか?そういえば「小倉」というのもありますね。よく分かりませんが地名でしょうか。京都の小倉山に「亀山」という丘があるそうです。たぶんその名に由来するのではないかと思います。
食事の後は、丸山さんがお部屋に来て、美術についていろんなお話をしてくれました。今回は常連さんに連れて行ってもらいましたが、普通に一見で行っても同じようにお話しは伺えるようです。やはり本物を見ているし、持っている人です。美術品は自宅に保管していて、季節毎にお店にしつらえています。祇園丸山に行ったら、料理だけでなく、お花、掛け軸、美術品、料理の入った器、仲居さんの着物など見所はたくさんあります。そして気づいたことは丸山さんに聞けばなんでも教えてくれます。この話が面白すぎて、つい話し過ぎてしまいました。新幹線の時間がギリギリになってしまい、タクシーでなんとか間に合ったほど。そうまでしてでも離れがたい魅力のある料亭です。また近いうちに丸山さんに会いに伺いたいと思います。
■店名:建仁寺 祇園丸山
■住所:京都府京都市東山区小松町566-15
■電話:075-561-9990
■営業時間:11:00~14:00、17:00~21:00
■定休日:不定休


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