京都 建仁寺 祇園丸山 1

和食 寿司

祇園丸山の常連さんに誘われて京都へ。丸山さんに行くだけの1泊2日の弾丸ツアーを敢行しました。祇園丸山といえば、高台寺土井で修行して、菊乃井木屋町店(露庵菊乃井)、高台寺和久傳の料理長を勤めた丸山嘉桜さんの店。丸山さんのすごさは、掛け軸やお皿なども含めた料亭としてのしつらえが徹底しているところにあります。ご主人の美術や骨董に対する知識や、おもてなしの心使いによって、非常に調和のとれた緊張感のある空間を作り上げています。「祇園丸山」と「建仁寺 祇園丸山」の2軒がありますが、当日、丸山さんが建仁寺の方にいるということで、そちらに来るように言われました。祇園四条駅で待ち合わせて、そのまま歩いて建仁寺へ。建仁寺の中を通り抜けて、反対側から出るとすぐにお店が見えてきました。店先にGoogleマップの提灯がありました。Googleマップに、著名人200名が紹介する「わたしの好きな場所」というコーナーがあります。丸山さんも参加していますが、その時のインタビューが面白い。「YouTube公式チャンネル」で選定理由を紹介しています。丸山さんの「わたしの好きな場所」はコチラからご覧ください。美しい店内の様子や丸山さんのしつらえに対する考え方などが語られています。
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建物は趣味のいい日本家屋。通されたのは低めの椅子の席でした。これは京都の料亭でも珍しいのではないでしょうか。椅子に座った時に、ちょうど正座して座った時の感覚になるように天井を高く調整しているそうです。ご高齢のお客さんのことを考えると椅子の方がいいけれども、それだと日本家屋の雰囲気が損なわれてしまう。これは一例ですが、何においても緻密に配慮され、しつらえてあるのが祇園丸山です。お花、絵画、器、着物に至るまで徹底的に考えられています。
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まずはホタテのスープが運ばれてきました。焼き石の上にホタテの殻が乗せられ、ぐつぐつと音を立てています。これは食欲をそそる。えんどう豆の出汁のソースの中に、ホタテ、うに、タケノコ、土筆が盛られています。「『味付け』ではなく、味は引き出すもの」と言う丸山さんの考えがこの1品にも現れている気がします。ヒラメと大助(おおすけ)の刺身。大助は北海道の鮭です。キングサーモンと言った方が分かりやすいかもしれません。60kg近くにも達するという、まさに鮭の王様です。刺身といえば、マグロなどを中心にいくつか盛るのが普通です。そんな体裁にこだわらず、たった2種類を、しかも細切りで出してくるとは思い切りがいい。ヒラメと鮭という選択も面白いと思います。焼き物は若狭ぐじ。ぐじとはアマダイのことで、京都を代表する魚です。この器も気軽に出していますが、たぶん大変なものなのでしょう。時々「この器はどういうものですか?」と聞くと、「江戸時代の・・」などと説明してくれます。古い器を今でも普通に使っています。しかも祇園丸山にあるのは非常に高価な器ばかり。先に話を聞いてしまうと箸が進まなくなるので注意が必要です。
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お部屋には、床の間ぴったりサイズの巨大な絵画がしつらえてありました。これは磯田又一郎の日展の特選になった作品だそうです。芸子さんがズラッっと並んで出てきて、最初の合図の筒をぽーんと打った瞬間の絵だそうです。ちなみに、磯田又一郎は美人画の名手で、夏目漱石や谷崎潤一郎と親交のあったお茶屋の女将、磯田多佳の養子。多佳は京都の宿で病に倒れた漱石を看護した女性としても有名です。美術館にあるような名作を京都の料亭で見るというのも不思議なことですが、祇園丸山では自然に感じられます。
■店名:建仁寺 祇園丸山
■住所:京都府京都市東山区小松町566-15
■電話:075-561-9990
■営業時間:11:00~14:00、17:00~21:00
■定休日:不定休

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