第24回フードジャーナリスト会議「食費9000円のウオツカ流!!快楽【生辣油】生活のススメ」に出席しました。ゲストスピーカーは、魚柄仁之助さんです。最近流行っているラー油ですが、魚柄さんはなんと30年も前から自宅でラー油を作っているんだそうです。僕も手作りに挑戦しようとして、いろいろ調べていたんですが、家で作るのはものすごく大変。どうしようかな~と、悩んでいたところに、このFJ会議のお誘いが来ました。
魚柄さんの話はいつ聞いても面白い。話が上手なので、どんどん引き込まれていきます。特に面白かったのは、はじめてラー油を作った時の話。中華料理屋の自家製ラー油のように、鍋にごま油と唐辛子を入れて火にかけると・・・。家でできるものじゃないそうです。体が痛いとかくしゃみが止まらないとか、家中大変なことになったのだとか。それ以来、「生ラー油しかない!」という結論に至ったのだそうです。
魚柄さんの話は理由がはっきりしています。何がよくて何が悪いかが明確。油については、はっきりした選び方があるようです。ラー油は「辛い油」ですから、要するに油なんですよね。ごま油です。ただ普通に売っているごま油は、油を抽出するために、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭などの処理をします。それぞれの工程で薬品を使うわけです。ごま油は、ごまを絞って作っているわけではないんですね。これは我々にとって衝撃の事実だと思います。様々な薬品を入れると、同じ量のごまから多くの油が取れる。絞るよりも効率がいいんです。だから薬品を使います。
でもそれってどうなの?というのが魚柄さんの問いかけ。もちろん今でも、きちんとした作り方をしているごま油はたくさんあります。ちゃんとごまを絞って作ると、60%くらいしか油が取れないので、ものすごく効率が悪い。でもその方が品質がいいし、身体にもいいはずです。裏のラベルに「玉締め」と書いてあるのが、その作り方をしたごま油です。買う時の参考にしてください。
更に最初の1回分しか使用しない「一番しぼり」というのもあります。これはそのまま飲むことができるという油。油を飲むなんて考えもできませんが、できたての「一番しぼり」は、ゴクゴクと飲めるそうです。魚柄さんのこだわりは、「玉締め一番しぼり」の油。これは、ごま油のエキストラバージンオイルと言っていいものです。この油でラー油を作ることを推奨されています。
配られた唐辛子は、袋を開けた瞬間に、目に辛さがくるようなもの。すごく辛い唐辛子です。これを自然乾燥させてラー油に使用します。
お土産にいただいた魚柄さんの本「ラー油はラー油でも生辣油の本」を読んで、僕も翌日からラー油作りをはじめました。我が家でも使っていた、京都の山田製油の「へんこ生しぼりごま油」。これは独自開発した製法「玉締め湯洗い製法」で作られた、ごま油の「エキストラバージンオイル」。これに七味唐辛子と韓国産唐辛子粉をブレンドし、FJ会議でいただいた唐辛子を入れました。あとは1日1回、ビンを揺するだけ。これだけで数週間すれば、立派な生ラー油ができあがります。
この本を読めば誰でも簡単に生ラー油が作れるわけですが、作るのがめんどくさい人には、「よっちゃんラー油」がオススメ。これは魚柄さんに作り方を教わった人が作っているラー油です。
■よっちゃんラー油
http://www.gaia-ochanomizu.co.jp/shop/g/g02021124/
最後に、「よっちゃんラー油のこだわり」を引用させていただきます。詳しくは上のリンクからHPをご覧下さい。
■火を使わないラー油
通常のラー油は加熱焙煎して作るのに比べ、原材料に手間をかけ、加熱せず長時間かけて唐辛子成分をゴマ油に溶かしこんでいるのがよっちゃんラー油の特徴です。
火力を用いないので酸化しにくく、最後までごま油と唐辛子の風味が味わえます。
■玉締めしぼりゴマ油を使用
一般的なゴマ油は、焙煎後に連続圧搾するため、高温になり酸化しやすく雑味も出ます。それに比べ「玉締めしぼり」は一回搾りで高温にならないため、香りがよく雑味が少ないのが特徴。また、濾過材も少なく和紙で漉しています。
■唐辛子はゆっくり自然乾燥
秋の冷たい風に当て、霜に数回あててから収穫した赤唐辛子を使っています。乾燥も自然の風でじっくり乾いたものを使っています。