東京唯一の穴子料理の専門店、四谷荒木町の穴子料理 ます味。昨年、穴子好き3人で訪問する計画を企てたことがあります。その時は、僕が予約をミスってしまい、急遽、笹吟に行くことになりました。ます味はとにかく予約が大変。昼夜共に要予約の店です。穴子は1年中出回っていますが、一番おいしいのは、なんといっても梅雨時。今年は間違いがないようにしっかりと予約して望みました。岡部さん、Mさんと、飲みっぷりがいいと評判のChieさんの4人で訪問しました。
ます味には、様々なコース料理があります。ふぐのコース、穴子づくし、穴子と季節の料理コースなどなど。今回は定番の「穴子のコース」8,500円にしました。肝煮などの前菜、薄造りが運ばれてきます。その日入荷される活の穴子を使った薄造りは、フグを凌ぐと言われるほど。食感が素晴らしい。
岡部さん、Mさんとの会では、ゆったりとスタートすることが多いのですが、穴子料理なので最初から日本酒。Chieさんがクイクイと気持ちよく冷酒を飲むので、余計おいしそうに見えます。ます味でしか味わうことのできない穴子料理の数々は、まさに珍味。のっけから異常なスピードで冷酒が消費されていきます。
小鍋が運ばれてきました。穴子の中骨を一日かけて煮込んだ出汁。なんと30人前作るのに、180匹穴子を使用するとのこと。それを一日かけて煮込むから、こんな出汁が取れるんですね。これだけ上質なスープは、鍋だけだともったいない。当然、使い倒します。小鍋を傾けて雑炊。この時、スープを少し残しておくようにご主人に言われます。そして、穴子白焼の登場。ふっくらとした穴子、これめちゃくちゃ旨い。松島産の3年物の穴子の白焼は、口の中でとろけるような食感です。
その間、小鍋では出汁を煮詰めていきます。そして、ちょうどいい頃合いになったところで、白焼を出汁につけて食べる。なんとも美味!「白焼は残しておけ」「まだまだ、煮詰めて」「もういい、煮詰め過ぎ!」などと、ご主人がうるさく言う意味がようやく分かりました。こんな旨いもの、失敗してはもったいない。非常に微妙な、絶妙なタイミングでないといけません。気付いたら、ご主人が付きっ切りで鍋番をしてくれています。鍋をおいしくするのも、ダメにするのも、客次第です。「心配でしょうがない」という様子のご主人を見ていると、この料理にかける意気込みが伝わってきます。
その後、揚物、穴子ご飯、デザートと続きます。あまりにも冷酒が進むので、途中からは1人1本ずつ頼んで、手酌。このメンバーだからなのか、穴子料理がそうさせるのか、とにかくよく飲みました。また来年の梅雨も、荒木町のます味に穴子料理を食べに行きたいと思います。
■店名:穴子料理 ます味
■住所:東京都新宿区荒木町11-2 北斗四谷ビルB1
■営業時間:17:00~22:30(L.O.21:00)(要予約)、火〜土のみ12:00~13:30(L.O.13:00)(要予約)
■定休日:日曜・祝日、※前日までの予約のみ祝日営業
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