肉イタリアン カルネヤ 牛込神楽坂

イタリアン

すずきBさんからお誘いいただいて、小口綾子さん主宰の「肉祭」に参加させてもらった。会場となったのは、人気の「肉イタリアン」カルネヤ。しかし、肉イタリアンとはいったい何だろうか。カルネヤのカルネとは肉のこと。要するにカルネヤとは肉屋のことだ。それが焼肉屋ではなくて、イタリアンだから面白い。当然、普通のイタリアンと違い肉料理が中心になっている。イタリアンであることを忘れるほど、肉への強いこだわりを感じる。店主の実家が精肉店ということで、小さい頃から肉に接している、生粋の目利きなんだと思う。
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和牛レバーのカルパッチョ 
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エゾジカのカルパッチョ 
この日メインの食材は、門崎丑(かんざきうし)。門崎丑は、岩手県産の黒毛和牛。前沢牛の近親種ということで、ポテンシャルは高そうだ。門崎丑は牧場の考え方がしっかりとしている。飼料は牧場の近くでとれたものにこだわり、抗生物質を一切使わない。銀河高原ビールの搾りかすなども配合しているという。肥育日数は長く、自然の中で牛にストレスをかけないようにゆったりと育てられている。こういう牛が旨くないわけがない。最初にブロックが運ばれてきて、一人一人臭いを嗅がせてくれた。4ヶ月ドライエイジングさせたというだけあって、すごい熟成香がする。この香りだけでも赤ワインが飲めそうだ。
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門崎丑のカルネクルーダー 
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ウズラの塩麹漬け焼き 
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ホルモンとパクチー 
男性は1人1本ワインを持参するルールになっていた。僕が選んだのは、ニコラポテルさんのメゾン、ロッシュドベレーヌ2008。これがファーストヴィンテージ。面白いかなと思ったけど、肉に合わせるにはちょっと軽かった。ただ、グラスの中でぐっと落ち着いたのはさすが。これだけフレッシュだと、魚にも合いそうな気がする。今回の料理には正直ハズレだが、魚にも合う赤ワインとして今後も使えそうな気がする。
門崎丑のカルネクルーダーは美味だった。カルネ(肉)、クルーダ(生)なので、生肉ということでいいだろうか。生肉といえば、ユッケやタルタルといった料理が身近だが、大雑把に言うと、結局どちらも同じものだ。タルタルとは、モンゴル帝国の遊牧民タルタル人のことで、彼らが食べていた生肉料理を指している。それと同じ生食文化が朝鮮半島に伝わって、ユッケになった。強大なモンゴル帝国がユーラシア大陸の東西で残した食文化ということで興味深い。
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門崎丑のイチボ・ランプの炭火焼
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熟成肉のカツレツ 
門崎丑のイチボ・ランプの炭火焼。アブラを溶かして、丁寧にアロゼしたもの。アロゼとは、煮汁や脂を食材にかけることで表面の乾燥を防ぎツヤを出す技術。要するにデグラッセなどと同様、煮汁もアブラも無駄にはしないということだろう。断面も美しく、完璧な仕上り。肉に対するこだわりと愛情がこの品にも表れているように思う。熟成肉のカツレツ。このカツレツの熟成香がすごい。この熟成肉をカツレツにしようと思った発想の勝利だろう。
今回のメンバーは、すずきBさんと主催者の小口綾子さん、ラーメン王石神秀幸さんなど、肉好きな人たちが集まった楽しい会だった。「神の舌を持つ男」は「松坂からフォローされている男」でもあることが判明した。今後の展開に密かに期待したい。

■店名:カルネヤ(CARNEYA )
■住所:東京都新宿区南山伏町3-6 市ヶ谷NHビル1F
■電話:03-5228-3611
■営業時間:12:00~15:00(L.O.14:00)、18:00~24:00(L.O.22:00)
■定休日:月曜日

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