年末年始は福岡の実家に帰省した。いつものようにまずは京都に寄って、今回は在来線で途中下車しながら帰ることにした。京都に着くと、まずは嵐山に向かった。
嵐山を見て回ってお昼はうなぎを食べる予定だ。少し時間があるので、先に天龍寺に行くことにした。法堂「雲龍図」の特別公開は土日祝日のみらしい。この日は平日だから見ることはできない。とりあえず庭園でも見ながら散歩することにしよう。大きな池のある素晴らしい庭だ。季節がよければきっと紅葉が綺麗に映えるだろう。すぐ横には凛とした威厳のある大方丈。その隣に天龍寺直営の精進料理店「篩月(しげつ)」があった。
園内を散歩している時たまたま見つけたのだが、これほど心惹かれるのも珍しい。うなぎを食べるのは決まっている。どちらかひとつ諦めるにしても、どちらを選べばいいのか。でも「迷ったら両方食う」のが我々のセオリー。片方は精進料理だし、なあなんとかなるだろう。
座席数は250席。いくつか部屋があるようだが、25畳の大きな畳の部屋に通された。両側に赤い絨毯が細長く敷かれ、部屋を横断している。片側には手前と奥に家族が座っていた。僕らは奥の家族の向かいに座ることにした。
メニューは3種類。花(一汁七菜)7,000円、月(一汁六菜)5,000円、雪(一汁五菜)3,000円。サービス料等はないが、篩月は庭園内にあるので、別に庭園参拝料500円が必要。「月」と「花」は前日までの予約とのことなので、必然的に「雪」を頼むことになった。
さすがは精進料理だけあって、さっぱりとして体によさそうなものばかり。でも意外だったのは、思った以上に食べ応えがあったことだろうか。満腹とまではいかないが、この後うなぎをおいしく食べることができるのか若干不安になる。
お客さんは外国人が多かった。篩月に限ったことではなく、天龍寺周辺ではアジア系外国人の姿をよく目にした。日本人と同じかそれ以上が外国からの旅行者のようだ。日本人が天龍寺にどの程度関心があるか分からないが、やはり世界遺産の知名度は大きいのだろう。
篩月はこの建物で平成12年から営業しているらしい。その前は大方丈の中で出していたそうだ。トータルでは40年以上になるという。高野山に行った時、とても大きな板の間でお茶とお菓子をいただいたことがある。あれも大方丈のような建物だったが、篩月の料理も元々は境内で振る舞うものだったのだろう。今の建物も悪くはないが、やはり大方丈でも一度食べてみたかった。
さて、次はうなぎだ。お腹はいい感じになってきたが、うな丼くらい食べれなくはないだろう。
■店名:天龍寺 精進料理 篩月(しげつ)
■住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 天龍寺龍門亭
■電話:075-882-9725