記念日に千石の「モンプチコションローズ」に行った。実はこの店のことは開店前から知っていた。前に同じ場所にあったイタリアンが閉店した後、改装をしたり、オープン前に打合せをしていたり、店の前を通る毎に店内の様子をうかがっていたのだ。オープンしたらすぐに行こうと思っていたのだが、なかなか機会に恵まれなかった。そうこうしているうちに、すぐに人気店になって予約が取りづらくなっていった。あれからもう6年。時の経つのは早いものだ。
この日は月曜日だったせいか、他にお客さんはいない。相方が遅れて来るということで、期せずしてご主人と2人で話をすることになった。話題は寿司、ビストロ、近所のお店の話など、こういう話をはじめるとお互い止まらない。初対面なのにかなり話が弾んでしまった。
モンプチコションローズという名前は、「私のピンクの小さな豚」という意味だ。最初、プチコションという名前にしようとしたが、検索するといろいろと出て来る。「子豚」というくらいの名前だから、誰もが自分の店に付けたくなるのだろう。それでひとひねりして、モンプチコションローズにしたそうだ。お店にはピンクの豚の置物が並んでいる。どうやらお客さんが置いて帰るらしい。
カウンター8席だけの小さな店で、シェフが一人でやっている。お昼は、3,500円、夜は5,000円のコースだけとはいえ、満席になったらかなり大変そうだ。
お喋りをしつつも、淡々と料理ができあがっていく。料理名はよく分からないのだが、マスの卵と牡蠣のスープ、白子をパルメザンチーズで焼いてシェーブルチーズとアスパラガスを添えたもの、、フォアグラと牡蠣のソテーにクルミとマディラワインの甘いソース、銚子の天然ヒラメ。これはポテトにトリュフが入っていて、とても香りが良くておいしかった。
メインは、豚肉かエゾジカ。どちらも絶妙な火加減だ。フォンドボーを煮詰めた甘辛いソースで食べる。パンは自家製で、通常のイースト菌ではなく甘酒を使っているとのこと。
飲み物はワインをグラスで出してもらうことにした。白ワインを何種類か頼んだが、2人なので半分ずつ入れてくれる。半分と言うが、普通に一杯分はある。かなり良心的だ。
デザートは「苺飴のミルフィーユ」。苺のように見えるのは飴の器で、これをスプーンで割りながら食べる。プレートにはメッセージが入っていた。まったく聞いていなかったので、これには驚いた。最後は手作りの豚とコアラのチョコレート。表情が何ともいい。
この日はシェフの師匠、ヌキテパの田辺シェフがお昼に来ていたらしい。今年「現代の名工」に選ばれた名シェフだ。夜は我々だけだったので、かなりいろいろなお話ができた。家の近くなので、次回は気軽に寄ってみようと思う。
■店名:モンプチコションローズ
■住所:東京都文京区千石4-40-3
■電話:03-6304-1505