「茶懐石 中伴」はミシュランガイド 福岡・佐賀2014 、2019で二ツ星を獲得している。ご主人は金沢の料亭「つる幸」や京都の「瓢亭」で修行された方だ。同じく瓢亭で修行された息子さんと2人で店に立つ。カウンター8席のみで、店内は茶室のような雰囲気。
茶懐石といっても堅苦しいことは一切なく、作法よりも食事を楽しんで欲しいという気持ちが伝わってくる。接客も気さくで、会話の中でいろんなことを教えてくれる。僕にとっては「料理人」というよりも「教授」のような印象の方だ。まさに科学者のような緻密さと膨大な知識をベースに茶懐石を作り上げている。
茶懐石とは、茶の湯で茶の前に出す料理。最後に出す抹茶のためにあるものだ。最初に炊きたてのご飯とみそ汁が出る。お膳にはご飯がほんの少しだけ入っていて、食べ終わるとすぐに足してくれる。そして少しずつ味わいが変わっていく。ご飯もみそ汁も上質なものだ。お膳がこれほど美味しければ、この後続く料理がどれほどかと期待を起こさせる。
糠漬けのことをいろいろと教えてもらって、お店の糠を食べさせてもらったりもした。この日のお昼のお客さんは我が家2人だけ。素晴らしい料理とご主人との会話を独占した。忘れがたい時間だった。
白湯
おこぜ、新れんこん、じゅんさい
瓢亭玉子
鯛とアジの寿司。5時間半かけて作っている。
ハガツオ
ナスは9時、大根は5時半、きゅうりは7時と漬ける時間が決まっている。
■店名:茶懐石 中伴
■住所:福岡県福岡市中央区西中洲3-19 ベイヒルコート2F
■電話:092-725-1115