うどんと言えば、なんといっても讃岐うどんが有名。で、たぶん日本一うまい。いや、伊勢うどんの方が・・・という向きもあろうかと思うが、僕にとっては讃岐うどん以外は「その他いろいろあるうどん」の中にある。それでも、福岡県出身の人にとっては、福岡のうどんは懐かしいものだ。いりこ出汁の透明なスープと、べろべろのコシのない麺。讃岐うどんを初めて食べた時の衝撃の大きさは、福岡のうどんを食べ慣れていたせいだと思った。故郷の味といっても、それほど美味しいものだとは思っていなかったが、僕らのソウルフードといえば、まずはあのべろべろのうどんだろう。
新大塚駅近くにできた「筑後うどん まがり」のうどんは、そこまでべろべろではなく、スッキリと綺麗なうどんだった。福岡のうどん屋といえば、テーブル席か小上がりが普通で、東京みたいにカウンター席のみなんてありえなかった。ガラスケースの中にはかしわおにぎりといなり寿司が入っていて、店の隅にはおでんのコーナーがある。そこから玉子と牛スジを取ってきて、かしわおにぎりも持ってくる。それらを食べながらうどんを待つのが、懐かしい福岡のうどんのあり姿だ。
「ごぼう天肉うどん」(910円)を注文した。温と冷がある。もちろん温にした。東京の駅前に相応しいカウンター席のみのうどん屋。郷愁を誘う雰囲気ではないが、東京ではこれが正解だろう。
■店名:筑後うどん まがり
■住所:東京都豊島区南大塚2-25-11
■電話:03-5810-1913